損害保険

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損害保険(そんがいほけん、: general insurance, non-life insurance: assurance de dommages)とは、損害保険会社が取り扱う保険商品の総称。略して損保(そんぽ)とも呼ばれる。

風水害などの自然災害自動車衝突事故など、偶然な事故により生じた損害を補償するのが目的であり、保険会社が予想する損害率に応じて保険料(損害保険料)が定められる。

大きく分けて、自動車保険火災保険などのノンマリン分野と、貨物保険や船舶保険などのマリン分野とがある。日本では、保険業法を根拠法とし、金融庁による監督のもと個人から法人まで多くの者を契約対象に販売されているものが殆どであるが、火災共済など、保険業法以外に根拠法のある損害保険もある。

損害保険契約[編集]

主な損害保険の分野[編集]

ノンマリン分野[編集]

マリン分野[編集]

損害保険会社一覧[編集]

保険業法第7条により、損害保険会社は商号中に内閣府令(保険業法施行規則、平成8年大蔵省令第5号)で定めた文字を入れなければならない。具体的には次の通りである(施行規則第13条2項)。

  • 火災保険
  • 海上保険
  • 傷害保険
  • 自動車保険
  • 再保険
  • 損害保険

損害保険会社[編集]

日本損害保険協会加盟会社(単位:百万円)
会社名 2013年度
正味収入保険料
2013年度
当期純利益
2013年度
総資産額
東京海上日動火災保険
(東京海上火災+日動火災海上)
東京海上ホールディングス
1,966,380 90,823 8,374,225
日新火災海上保険
(東京海上ホールディングス)
137,286 3,350 81,261
イーデザイン損害保険
(東京海上ホールディングス)
81,261 ▲3,288 40,376
大同火災海上保険
(東京海上日動と業務提携関係)
14,451 93 40,376
損害保険ジャパン日本興亜
(安田火災海上+第一ライフ損害→安田火災海上)
(日産火災海上+昭和火災+太平洋海上火災→日産火災海上)
(安田火災海上+日産火災海上→損害保険ジャパン
(損害保険ジャパン+大成火災海上)
(興亜火災海上+日本火災海上→日本興亜損害
(日本興亜損害+太陽火災海上)
(損害保険ジャパン+日本興亜損害)
※数値は、損保ジャパンと日本興亜双方の2013年度数値を合算したもの
SOMPOホールディングス
2,082,193 49,523 7,098,938
セゾン自動車火災保険
(旧:オールステート自動車・火災)
(SOMPOホールディングス、主要株主:損保ジャパン日本興亜 、クレディセゾン
18,951 ▲8,639 41,733
日立キャピタル損害保険
(旧:ユナム・ジャパン傷害保険)
日立キャピタル株式会社と損保ジャパン日本興亜の合弁会社)
3,532 347 12,505
そんぽ24損害保険
(旧:安田ライフダイレクト損害)
(SOMPOホールディングス)
13,799 ▲400 21,703
三井住友海上火災保険
(大正海上火災→三井海上火災)
(大阪住友海上火災→住友海上火災)
(三井海上火災+住友海上火災→三井住友海上火災)
(三井住友海上火災+スミセイ損害保険)
MS&ADインシュアランスグループホールディングス
1,384,504 58,047 6,098,017
三井ダイレクト損害保険
(MS&ADインシュアランスグループホールディングス)
35,567 232 46,584
あいおいニッセイ同和損害保険
(大東京火災海上+千代田火災海上→あいおい損害保険
(同和火災海上+ニッセイ損害→ニッセイ同和損害保険
(あいおい損害保険+ニッセイ同和損害保険→あいおいニッセイ同和損害保険)
(あいおいニッセイ同和損害保険+アドリック損害保険
(MS&ADインシュアランスグループホールディングス)
1,144,629 13,107 3,257,180
SBI損害保険
SBIホールディングスとあいおいニッセイ同和損保、ソフトバンクの合弁会社)
22,859 ▲5,943 35,165
au損害保険
(あいおいニッセイ同和損保とKDDIの合弁会社)
(MS&ADインシュアランスグループホールディングス)
4,481 ▲302 10,348
富士火災海上保険
AIGグループ、チャーティス・カンパニーズ)
273,161 273,161 857,372
ジェイアイ傷害火災保険
JTBグループとAIGグループの合弁会社、チャーティス・カンパニーズ)
15,497 621 27,528
アクサ損害保険
アクサグループ)
32,1441 2,539 52,501
共栄火災海上保険
全国共済農業協同組合連合会関連)
162,965 2,566 630,401
ソニー損害保険
ソニーグループ)
88,600 1,664 142,714
朝日火災海上保険
(野村ホールディングス)
31,703 313 396,062
セコム損害保険
(旧:東洋火災海上→セコムグループ入り:セコム東洋損害→)
セコムグループ)
41,638 404 178,506
明治安田損害保険
(明治損害+安田ライフ損害)
明治安田生命グループ)
35,567 232 46,584
エイチ・エス損害保険
澤田ホールディングスグループ)
3,276 193 3,703
アニコム損害保険
アニコムグループ)
18,087 383 17,358
アイペット損害保険
(主要株主:ドリームインキュベータ
5,100 344 6,105
トーア再保険
(旧:東亜火災海上再保険)
(主要株主:損害保険会社数社や銀行数行)
147,420 1,722 468,875
日本地震再保険
(国内損害保険会社20社の出資により設立)
92,248 ▲82 577,305

外国損害保険協会加盟会社[編集]

※カッコ内に会社名などがある場合は、カッコ内が日本における免許会社名またはグループ会社名。
※アルファベット順

  • エース保険Chubb損害保険イギリスバミューダ
  • AIU保険(AIU損害保険、アメリカ合衆国
  • アメリカンホーム保険(アメリカン・ホーム・アシュアランス カンパニー、アメリカ合衆国)
  • アトラディウス信用保険(オランダ
  • アリアンツ火災海上保険ドイツ
  • カーディフ損害保険(カーディフ・アシュアランス・リスク・ディヴェール、フランス
  • コファスジャパン信用保険(コンパニー・フランセーズ・ダシュランス・プール・ル・コメルス・エクステリュール、フランス)
  • フェデラル保険(フェデラル・インシュアランス・カンパニー、アメリカ合衆国)
  • ゼネラリ保険(アシキュラチオニ・ゼネラリ・エス・ピー・エイ、イタリア
  • ゲーリング・コンツェルン・アルゲマイネ・保険(ゲーリング・コンツェルン・アルゲマイネ・フェアジッヒャルングス・アクツィーエンゲルゼルシャフト、ドイツ)
  • ユーラーヘルメス信用保険(ユーラー・ヘルメス・クレジットフェアズイヘルングス アクテイエンゲゼルシャフト、ドイツ)
  • 現代海上火災保険韓国
  • ロイズ保険組合(ザ・ソサイエティー・オブ・ロイズ総代理店 ロイズ・ジャパン、イギリス)
  • ニューインディア保険(ザ・ニュー・インディア・アシュアランス・カンパニー・リミテッド、インド国営)
  • スイス再保険スイス
  • トランスアトランティック再保険(トランスアトランティック リインシュアランスカンパニー、アメリカ合衆国)
  • チューリッヒ保険(チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー、スイス)

その他の損害保険会社[編集]

経営破綻し消滅した損害保険会社[編集]

合併・移転により消滅した損害保険会社[編集]

損害保険(海外旅行傷害保険)が付帯されているクレジットカード[編集]

当該クレジットカードを利用して乗車券などを購入した場合のみ、損害保険(海外旅行傷害保険)が適用されるクレジットカードが大半である。

損害保険業界の不祥事[編集]

保険金等の不当な不払い[編集]

2005年9月27日、日本の損害保険会社の内の16社にて、保険金の大量不払いがあった事が発覚[1]。その後の調査で保険金不払いが確認されたのは26社にまで達した。不払いは合計で約18万件、84億円に達し、不払いが確認された契約の大半が自動車保険の特約に集中していた。このため、金融庁がこの26社へ業務改善命令の行政処分を行った[2]。その後、2006年8月11日から上記26社の再調査を実施したところ、さらなる大量の不払いがあったことが判明し、合計で約31万8000件、187億円分という結果になり、先の行政処分が全くの無意味に終わっていたことが明らかになった[3]

なお、損保業界の不払い問題はこれで終わらず、2006年6月の三井住友海上火災保険による第三分野保険での不払いが発表されたのを皮切りに、2006年11月には第三分野保険で不払いを行っていた損保会社は計14社にまで膨れ上がった。そして2007年3月14日には、そのうち10社が第三分野保険での多数の不適切な不払いを理由に金融庁より業務改善命令を受け、さらにそのうち6社は努力が不十分として業務停止命令を受けるに至った。

このように、不払い調査をしたその後に新たな不払いが大量発覚することが相次いだため、金融庁は2006年11月17日に不払いが発覚した損保26社に対して不払い調査のやり直し(通算3回目の不払い調査)を命じた。調査完了時期は保険会社により異なるが、2007年7月2日に損保26社全てでの調査が完了し、合計で約49万件、金額にしておよそ381億円という結果になった[4]

また、こうした不払い問題の全容が明らかになるにつれ、保険募集人(保険販売員、保険代理店など)による商品販売時の不適正行為が不払いの原因となった事案も目立つようになった。これを受けて、募集人資格を設けている日本損害保険協会は、こうした状況を是正し募集人の法令遵守への意識を高めるために、2008年4月から募集人資格に更新制度を取り入れる方針を固めた(それまでの募集人資格は、基本的に一度取得すれば無期限で有効なものである)[5]

多数の保険会社で次から次へと不払いが発覚してしまうという、まさに異常な状態となってしまった損保業界であるが、これは「商品の販売だけを最重要視し、後の保障や既契約者のことは二の次三の次」といった営業・利益最優先の体制によって、既存の顧客を軽視していたために引き起こされてしまった当然の結果であり、損保業界への社会からの信用が急速に薄らいだ。なお、各損保会社はこの件に対して、商品の複雑化に伴うシステムチェック機能の甘さおよび伝達の遅れといった内部管理の杜撰さが原因と弁明している。

保険料取りすぎ問題[編集]

2×4(ツーバイフォー)工法によって建築された建造物は、一般の木造建築物よりも耐火性能に優れているため、その分火災保険に対する保険料の割引が適用される。しかし2006年12月10日には損保大手6社にて、この割引を適用せず保険料を過徴収していた事例があったことが明らかになり、問題化した。

当初は火災保険のみの問題、すなわち「火災保険料取り過ぎ」と見られていたが、その後の調査で地震保険や自動車保険、その他傷害保険等でも同様の取り過ぎ行為を行っていることが判明した。

保険金詐欺との関連[編集]

この事件が起きた後、保険会社による保険金支払い基準が一時的に緩くなった。不払いを恐れるがあまり、モラルリスク案件と疑われるものでも保険金支払いが比較的安易に行われるようになってしまった。裁判に持ち込まれた案件でも、被保険者に有利な判決が続いた時期があった。しかし、原油高や不況によるアフターロス(契約期間偽装)、偽装事故、便乗案件等と疑われる事例が増え保険会社の損害率が増加するにつれて、保険会社側でも手間はかかっても事故に関して整合性を技術的に確認し、物的に立証できた案件については支払を拒否するなどコンプライアンスを維持しつつ自衛の手段を取らざるを得なくなってきている。本来、こういった手段を用いるのは請求額の多い案件が多く、保険金詐欺を狙ったプロによるもので手口も巧妙で立証が難しいものが多かったが、最近では一般の素人によるもので請求額も低いものが増えてきている。尚、保険会社では立証によって詐欺案件と断定できた場合は請求者に対して調査にかかった費用全額を請求すると共に、特に悪質な場合は警察に詐欺未遂で告訴することもある。また、裁判においても保険会社のこういった取り組みによって、物的証拠がきちんとしているケースにおいては偽装と判断される判例が増えてきている。

脚注[編集]

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  1. ^ 16社で16万件、67億円 各社調査で明るみに - しんぶん赤旗 2005年9月27日
  2. ^ 損害保険会社26社に対する行政処分について - 金融庁 2005年11月25日
  3. ^ 損保不払い:昨秋の公表以降102億円判明 - 毎日新聞 2006年10月13日
  4. ^ 自動車保険など損保、不払い49万件・26社 - 日経新聞 2007年7月3日
  5. ^ 損保販売、資格に更新制度・不払い続出で - 日経新聞 2007年2月8日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]