暁の鐘学園

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暁の鐘学園
創立者 秋田 喜代太郎
団体種類 社会福祉法人
設立 1951年昭和26年
所在地 福岡県北九州市若松区青葉台西6-1-4
北緯33度54分22.6秒 東経130度40分59.5秒 / 北緯33.906278度 東経130.683194度 / 33.906278; 130.683194座標: 北緯33度54分22.6秒 東経130度40分59.5秒 / 北緯33.906278度 東経130.683194度 / 33.906278; 130.683194
法人番号 6290805005044
起源 児童養護施設「若松児童ホーム」の分園
活動地域 福岡県北九州市
活動内容 児童養護施設の運営
従業員数 28名(うち常勤職員25名)
ウェブサイト https://akatukinokane.com/
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暁の鐘学園(あかつきのかねがくえん)は、福岡県北九州市若松区にある児童養護施設。社会福祉法人高塔会が運営する。

施設の概要[編集]

目的[編集]

当該施設は、保護者のいない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする(児童福祉法第41条[1])。

基本方針[編集]

入所する児童に対して安心、安定できる生活の場を整えるとともに、心身の健やかな成長とその自立を支援するとして、次の5項目を基本方針として列挙している。「安心感のある養育の支援。年齢に応じた発達の支援。自立(自律)に向けての生活の支援。家庭状況に応じた親子関係の再統合。地域福祉への貢献と推進。」である[1]

施設情報[編集]

  • 児童定員:34名[3]
  • 職員数:28名(うち常勤25名)[3]
  • 施設長:島田清(2021年1月着任[4][注釈 1]

施設の応援歌[編集]

日本音楽著作権協会の会員で福岡県北九州市に住む作詞家の勇福子及び作曲家の福島一見が、1991年、暁の鐘学園に当該施設の応援歌を提供した。このことについて当時の施設長の秋田義治は「子どもたちは自分たちの歌ができたと大喜びです。子どもたちが世の中に出ても応援歌として歌ってくれるでしょう。」と謝意を表していた[5]

労働組合[編集]

当該施設に勤務する常勤職員25名は、2022(令和4)年2月8日、労働組合を結成するとともに社会福祉法人高塔会に団体交渉を申し込んだ。加えて⑴ 法人の就業規則、賃金規定などについて明示すること。⑵求人票にある通勤手当の支給などを要求した[6]

有資格職員[編集]

当該施設においては、2021年4月現在、少なくとも養護教諭1名、認定心理士1名、中学教諭1名、精神保健福祉士1名、保育士12名、看護師1名、栄養士2名、調理師7名、幼稚園教諭1名、社会福祉主事9名が在籍する。ただし、入所児童の自立支援を進める職業指導員などの配置、家庭支援専門相談員の増員ないしは専任化については今後期待される[3]

施設の沿革[編集]

  • 1952(昭和27)年5月 - 養護施設として認可を受けた[1]
  • 1962(昭和37)年5月 - 福岡県若松市(現在の北九州市若松区)修多羅にある秋田所有の旅館を改装して施設を移転した[1]
  • 1978(昭和53)年6月 - 社会福祉法人として認可された[1]
  • 1988(昭和63)年12月 - 福岡県北九州市若松区大字小竹の地に新築移転した[1]
  • 2005(平成17)年4月 - 男子児童向けの小規模グループホームを開設した[1]
  • 2009(平成21)年6月 - 女子児童向けの小規模グループホームを開設した[1]
  • 2017(平成29)年8月 - 西田一の実父である西田稔夫理事長が死去したことにより、その後任に安田廣海が着任した[2][7]
  • 2019(令和1)年6月以降 - 他施設での児童虐待が原因となり当該施設への誹謗中傷が発生した[8]
  • 2021(令和3)年1月 - 暁の鐘学園の宮崎宏幸施設長が退任し、その後任の島田清が着任した[4]
  • 2021(令和3)年6月 - 高塔会の安田廣海理事長が退任し、その後任に西田一北九州市議会議員[9]、着任した[10]
  • 2022(令和4)年2月 - 当該施設の常勤職員25名が労働組合を結成した[6]
  • 2023(令和5)年8月 - 現在の地である福岡県北九州市若松区青葉台西に移転した[11][12]
  • 2023(令和5)年8月 - 児童家庭支援センターを新設した[12]

施設の移転[編集]

移転の要領[編集]

移転先の施設[編集]

  • 管理棟(地域交流スペース・心理室など):1棟
  • 分園型グループホーム:3棟
  • ユニット棟:4人×3棟
  • 一時保護棟:1棟
  • 子育て短期支援棟:6室

児童家庭支援センターの新設[編集]

児童家庭支援センターとは全国に130ヶ所以上ある子育て中の家庭を対象とした相談事業所である[12]

<主な担当職員>

  • 相談・支援担当職員:2名
  • 心理療法等担当職員:1名

<主な事業内容>

  • 地域・家庭からの相談に応ずる事業
  • 北九州市役所の求めに応ずる事業
  • 児童相談所などからの受託による指導
  • 里親などへの支援
  • 関係機関などとの連携・連絡調整

施設の運営法人[編集]

髙塔会
団体種類 社会福祉法人
設立 1978年昭和53年6月)
所在地 児童養護施設「暁の鐘学園」内
法人番号 6290805005044
主要人物 西田一理事長(元双葉会理事)
活動地域 福岡県北九州市
活動内容児童養護施設の運営
・子育て支援事業の経営
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法人の目的[編集]

当該法人の定款には、「多才な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が心身ともに健やかに育成され、また、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援すること。」を、目的としていると掲げている[13]

法人の歴史[編集]

当該児童養護施設は1951(昭和26)年7月、秋田 喜代太郎により設立され、1978(昭和53)年6月に社会福祉法人として認可された。2023(令和5)年8月、現在の地である福岡県北九州市若松区青葉台西に新築移転し、現在に至る。当該法人は、これまで一法人一施設である児童養護施設の運営に当たり「利用者の最善の利益を追求」してきた[2][12]

法人の概要[編集]

  • 法人の正式名称:社会福祉法人高塔会
  • 法人の理念:「わたしたちは、ともに人を大切にし、助け合う心を育てる」[12]
  • 法人の責任者(理事長):西田一北九州市議会議員(元双葉会理事)[9][10]

施設への根拠なき中傷[編集]

福岡県北九州市内の別の児童養護施設において、職員が入所児童を虐待する事件(北九州児童養護施設虐待事件)が2019年6月に発覚した。この事件とは無関係であるにもかかわらず、この事件に関係する施設としてインターネット上で暁の鐘学園が名指しされるなど風評被害を受けたことから、当時の施設長は暁の鐘学園のホームページにおいて次の告知を行った。「(前略)今回の事件は、他の施設で発生した事件であり、当園とは一切関係ありません。現在、警察・行政機関等への報告・相談を行い、関係各所から助言・指導を受け対応に当たっております。また、該当記事の削除依頼を行うとともに、損害賠償も含めた法的対応も視野に入れていくよう検討しております(後略)[8]」。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 暁の鐘学園”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月8日閲覧。
  2. ^ a b c d 高塔会あかつきたよりNo28”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月8日閲覧。
  3. ^ a b c 『第三者評価結果の公表事項(児童養護施設)』公益社団法人福岡県社会福祉士会、2021年4月23日(評価結果確定日)。 
  4. ^ a b 施設長交代に関するお知らせ”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月7日閲覧。
  5. ^ 「応援歌ができた、若松区の養護施設「暁の鐘学園」北九州」『西日本新聞(朝刊17面)』、1991年12月25日。
  6. ^ a b 全国一般福岡・北九州支部”. 全国一般福岡・北九州支部. 2023年9月7日閲覧。
  7. ^ 社会福祉法人高塔会[役員名簿]”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月8日閲覧。
  8. ^ a b インターネット上での施設入所児童への性的虐待事件に関する記事の誤りについて”. 当該社会福祉法人. 2023年9月7日閲覧。
  9. ^ a b 西田一市議会議員オフィシャルHP”. 西田一北九州市議会議員. 2023年9月15日閲覧。
  10. ^ a b 高塔会あかつきだよりNo35理事長あいさつ”. 社会福祉法人高塔会. 2023--09-11閲覧。
  11. ^ 暁の鐘ブログ「いよいよ移転目前です!」”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月8日閲覧。
  12. ^ a b c d e f 2022年度 事業計画”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月8日閲覧。
  13. ^ 暁の鐘学園「定款・財務・事業計画」”. 社会福祉法人高塔会. 2023年9月16日閲覧。

注釈[編集]

  1. ^ 島田清は書籍「イベント校長の学校再生!」(2010年・講談社)の著者。当該書籍は日本テレビ系列で平日午後11時から放映されているニュース番組「NEWS ZERO」において、当時北九州市立の中学校の校長であった著者が、校内に数ヶ月にわたりテレビカメラを入れて、荒れていた中学校を再生していく過程を1冊の書籍にまとめたものである。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]