斎藤外市

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斎藤 外市(さいとう といち、1865年(慶応元年) - 1926年(大正15年)1月31日)は、日本発明家実業家政治家(鶴岡町町議会議員)、鶴岡ガス株式会社初代社長

人物[編集]

出羽国田川郡長沼村上新田(後の藤島町、現在の鶴岡市)出身。

主に軍用機器と織機(織物機械)の発明に取り組み、「発明は俺の命だ。俺のひとつの病気だ」と言い、数多くの発明を残した。現在でもその発明は高く評価されている。

トヨタグループ創業者豊田佐吉と共に、織機の発明王と呼ばれ、の斎藤外市、綿の豊田佐吉と言われていた。1912年(明治45年)には、これまでの数々の発明の功績により豊田佐吉と一緒に藍綬褒章を受章している。鶴岡公園鶴ヶ岡城跡)内には1974年(昭和49年)建立の銅像がある。

経歴[編集]

  • 1865年(慶応元年):出羽国田川郡長沼村上新田(現・鶴岡市)の農家、斎藤外助の長男として誕生。
  • 1879年明治12年):小学校(長雲寺にあった)4年修了後、農業に従事。
  • 1889年(明治22年):陸軍に軍用軽気球と、海軍に軍用潜航艇を発明し献納する。
  • 1895年(明治28年):改造水雷艇を発明。
  • 1898年(明治31年):斎外式力織機を完成し、特許出願4075号。
  • 1900年(明治33年):同特許取得。
  • 1901年(明治34年):羽二重電動力織機(日本で最初)で織る。
  • 1906年(明治39年):羽前輸出織物信用組合を設立。
  • 1907年(明治40年):鶴岡織物株式会社を設立。繻子製織機を発明。
  • 1910年(明治43年):飛行機を発明し特許出願。コール天織機を発明する。
  • 1911年(明治44年):鶴岡瓦斬新斯会社(現・鶴岡ガス株式会社)を設立し社長就任。
    • 斎外式力織機の総生産台数が1万台に達する。
  • 1912年(明治45年):五十馬力単葉飛行機を菅原馬場で試験飛行する。
  • 1913年大正2年):飛行機より信号操縦する水雷を発明。
  • 1915年(大正4年):人造絹糸の製造方法を発明。
  • 1918年(大正7年):砂鉄をもって製鉄する方法を発明。
  • 1921年(大正10年):鶴岡町会議員に当選
  • 1922年(大正11年):冷式倉庫を考案。
  • 1926年(大正15年)1月31日:結核がもとで鶴岡市で死去。長沼の長雲寺に葬られる。戒名は「機法院心外無一居士」。
  • 1974年昭和49年):多くの発明の功績を称え鶴岡公園(鶴ヶ岡城跡)内に銅像が建立される。

受賞・受章歴[編集]

  • 1912年(明治45年):藍綬褒章受章
  • 1925年(大正14年):帝国発明協会表彰(金杯・表彰状)受賞

主な発明[編集]

軍用機器関係[編集]

  • 飛行機
  • 飛行船
  • 潜航艇
  • 軽気球
  • 改造水雷艇
  • 飛行機より信号で操縦する水雷
  • 十連発小銃

機械関係[編集]

  • 斎外式力織機 - 明治35年に発明された絹を織る幅広の力織機。日本初の電動力織機で、性能が良く価格も安かったため(外国産の約10分の1の価格[1])全国的に普及し、明治42年には日本で使用される力織機の五割を占めた。また、この発明によって外市の地元・鶴岡の絹産業は大いに発展し、大正期には町の就労人口の半数が絹関係の仕事に就いていた[2]。力織機の製造や修理のために鶴岡に鉄工業が興り、そのための電力会社・ガス会社も作られ、町の発展に大いに寄与した[1]
  • 繻子製織機 - 洋服に使われる薄地の軽目繻子の織機。これによって鶴岡の繻子はアメリカ輸出品の花形になった[3]
  • コール天織機
  • タフク織機
  • タオル織機製糸無断装置刺繍織機
  • 人造絹糸の製造方法
  • 砂鉄をもって製鉄する方法

座右の銘[編集]

  • わが大日本国をして世界最強国たらしむるには、軍機の精良なるものに待たざるべからず。
  • 然してわが国には、世界を征服しる軍機の精良なるものありや。
  • 遺憾ながら無し、ゆえに吾は世界を征服し、わが大日本国をして、世界差強国たらしむる軍機を発明せざるべからず。

関連書[編集]

  • 『郷土の発明家 齋藤外市翁伝』 1992年 長沼郷土史研究会(著・出版)

家族親族[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 鶴岡絹産業と絹関連工場にみる歴史的風致
  2. ^ 鶴岡シルクの伝統を未来へ-鶴岡「絹」物語広報つるおか、2011.8
  3. ^ 文化の継承-絹織物広報つるおか、2008,5

出典・参考文献[編集]

外部リンク[編集]