御名御璽

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御名御璽(ぎょめいぎょじ)とは、天皇名前および御璽のこと。詔書や法令について、原本においては親署および御璽の押印があることを指すために用いる用語。天皇を(実名)をもって呼称することは伝統的に不敬とされるため、このように表記される。なお、歴史的には満州国皇帝についても同様に用いられた。

大日本帝国憲法原本に記された御名御璽(ネガ画像)

現在も公的に用いられている。例えば、憲法法律条約政令および詔書の原本には親署および御璽の押印がなされるところ、この部分は、官報や法令集などに掲載される際には、以下の例のように「御名 御璽」と表記される。その際、「御名 御璽」は当該文書の題名と同程度の高さに置かれる。天皇に代わって摂政が署名する際には、摂政は、天皇の名とともにその左脇に一段下げて摂政の名を記すことから、官報や法令集などにおいては「御名 御璽」と記載した次に「摂政名」と記載され、摂政についても実名は回避される。また、その後につづく首相閣僚副署は通常のように各行の最下部に署名どおりの実名(氏名)をもって表記される。

朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ萬世一系ノ帝位ヲ踐ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ卽チ朕カ祖宗ノ惠撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ增進シ其ノ懿德良能ヲ發達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼贊ニ依リ與ニ俱ニ國家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明治十四年十月十二日ノ詔命ヲ履踐シ玆ニ大憲ヲ制定シ朕カ率由スル所ヲ示シ朕カ後嗣及臣民及臣民ノ子孫タル者ヲシテ永遠ニ循行スル所ヲ知ラシム

國家統治ノ大權ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ傳フル所ナリ朕及朕カ子孫ハ將來此ノ憲法ノ條章ニ循ヒ之ヲ行フコトヲ愆ラサルヘシ

朕ハ我カ臣民ノ權利及財產ノ安全ヲ貴重シ及之ヲ保護シ此ノ憲法及法律ノ範圍內ニ於テ其ノ享有ヲ完全ナラシムヘキコトヲ宣言ス

帝國議會ハ明治二十三年ヲ以テ之ヲ召集シ議會開會ノ時ヲ以テ此ノ憲法ヲシテ有効ナラシムルノ期トスヘシ

將來若此ノ憲法ノ或ル條章ヲ改定スルノ必要ナル時宜ヲ見ルニ至ラハ朕及朕カ繼統ノ子孫ハ發議ノ權ヲ執リ之ヲ議會ニ付シ議會ハ此ノ憲法ニ定メタル要件ニ依リ之ヲ議決スルノ外朕カ子孫及臣民ハ敢テ之カ紛更ヲ試ミルコトヲ得サルヘシ

朕カ在廷ノ大臣ハ朕カ爲ニ此ノ憲法ヲ施行スルノ責ニ任スヘク朕カ現在及將來ノ臣民ハ此ノ憲法ニ對シ永遠ニ從順ノ義務ヲ負フヘシ

御 名  御 璽

明治二十二年二月十一日

(以下略)

— Wikisource-logo.svg 大日本帝國憲法


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