岩田富美夫

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岩田 富美夫(いわた ふみお、1891年10月27日 - 1943年7月6日)は大正昭和期に活躍した右翼活動家東京牛込出身。

略歴[編集]

1915年(大正4年)に日本大学中退し、陸軍特務機関の下で諜報活動を行うため、中国山東省に渡る。

上海北一輝と知り合い、その子分となる。北と共に帰国し、国家主義運動に従事。

1920年(大正9年)4月 実業家 辻嘉六の協力のもと荒巻退助、樋口喜八郎、中村浩太らと共に大化会を結成し[1]、その年の暮れには大杉栄遺骨強奪している。

1932年(昭和7年)には、やまと新聞社長となる。

1933年(昭和8年)12月、内妻であった松下南枝子が死去。追善麻雀を開帳して、1934年(昭和9年)3月に参加していた文壇画壇の名士らとともに警視庁に検挙される[2]

1936年(昭和11年)の二・二六事件では、西田税を匿ったことでも知られる。

1943年(昭和18年)に死去し、大化会も解散した。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 朝治武 2013, p. 242.
  2. ^ 東郷青児、福田蘭童らも留置『東京朝日新聞』昭和9年3月17日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p614-615 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)

参考文献[編集]

  • 朝治武『差別と反逆 平野小剣の生涯』筑摩書房、2013年。ISBN 978-4-480-88529-6 
  • 堀幸雄『戦前の国家主義運動史』(三嶺書房、1997年)
  • 堀真清『西田税と日本ファシズム運動』(岩波書店、2007年)