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岡元鳳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『毛詩品物図攷』

岡 元鳳(おか げんぽう[1]1737年元文2年〉 - 1787年2月5日〈天明6年12月18日[2])は、江戸時代中期大阪儒者[2]儒医[2]本草学者[1]漢詩人[2]。主著『毛詩品物図攷』は詩経名物学図譜であり、末の中国でも読まれた[1][3]

元鳳はは公翼。通称に慈庵・尚達・元達。に白洲(岡白洲[4])・魯庵(岡魯庵[2])・澹齋・隔九所。

人物

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河内(現大阪府)の人[2]本草学物産学に通じ、自邸で薬草を栽培した[2]片山北海が結成した漢詩結社「混沌社」に参加し、葛子琴とともに名を馳せた[2]。師に菅甘谷[2]、医術の門人に岡它山[5]宮地太仲[6]がいる。

著作

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毛詩品物図攷

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岡元鳳撰・橘国雄画『毛詩品物図攷』(もうしひんぶつずこう)は、詩経名物学の書物[1]1784年天明4年)成立[7]

『詩経』中の動植物を草・木・鳥・獣・虫・魚の6種に分け、計224の動植物の図、諸書の記載、考証、和名を付す[8]。特徴として、同種の先行書のように既存の図を襲用することが少なく、独自の図が多い点が挙げられる[9]

」の図として、舶来のワニ標本の図を載せている[8]。これは平賀源内『物類品隲』に描かれた田村藍水所有の標本の図を襲用したものである[8]

伝本によっては那波師曾柴野栗山の序、木村蒹葭堂の跋、須原屋茂兵衛らの名を記した刊記が付されている[8]版木が現存し奈良大学博物館に所蔵されている[9]

本書はシーボルトの蒐書目録にも含まれている[3]。また、清末民初中国の書店石印本として度々翻刻された[1][9]。石印本では戴兆春中国語版の序が付され、和名が削除されている[1]

その他

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  • 離騒名物考』
  • 『刀圭余録』
  • 『蘭説海生図品』
  • 『香橘窩集』
  • 『鞭草筆記』[4]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫 2010, p. 46.
  2. ^ a b c d e f g h i 岡魯庵』 - コトバンク
  3. ^ a b 陳 2015, p. 291.
  4. ^ a b 近藤 1985, p. 88.
  5. ^ 岡它山』 - コトバンク
  6. ^ 宮地太仲』 - コトバンク
  7. ^ 原田 2018, p. 49.
  8. ^ a b c d 原田 2018, p. 52.
  9. ^ a b c 『毛詩品物図攷』”. めぐりあいアジア―芸術の移動・想像・創成― (2021年11月22日). 2023年9月2日閲覧。

参考文献

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  • 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫 編『図説書誌学 古典籍を学ぶ』勉誠出版、2010年。ISBN 978-4-585-20004-8 
  • 近藤春雄「岡白洲」『日本漢文学大事典』明治書院、1985年、88頁。ISBN 4625400236 
  • 陳捷 著「『毛詩品物図考』より見た18世紀における新しい「知」の形成」、川原秀城 編『西学東漸と東アジア』岩波書店、2015年。ISBN 9784000610186 
  • 原田信「日本『詩経』図譜初探」『教養・外国語教育センター紀要 外国語編』9 (1)、近畿大学全学共通教育機構教養・外国語教育センター、2018年。 NAID 120006545326https://kindai.repo.nii.ac.jp/records/19646