小此木鶯太郎の事件簿
小此木鶯太郎の事件簿(おこのぎおうたろうのじけんぼ)とは同人サークルの安楽椅子犯人が制作するフリーゲームのシリーズ。
概要
『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』などに見られる倒叙物とよばれる形式の犯人目線の本格ミステリーノベルゲーム[1]で、プレイヤーに完全犯罪を目論む犯人の犯行の全容を予め見せておき、その後に刑事の小此木鶯太郎が犯人の犯したミスを基に容疑を固めて犯人を追い込んでいく構成となっている。ゲームには犯人が犯罪を実行する場面を描写する「問題編」と小此木がミスを指摘し犯人を追い詰める場面を描写する「解答編」の二部で構成されている。また、『安楽椅子探偵』に見られるような「読者への挑戦」と称する読者参加型の企画を実施しており、「問題編」が公開されてから「解答編」が公開される前の締め切りまでの期間中に「問題編」内で犯人が犯したミスの内容と理由を全て正しく指摘しメールで安楽椅子犯人に送ることで受け付けが行われ、正解者の中から抽選で賞品が贈られる[1]。「解ける読者への挑戦」をゲームのコンセプトとしており、フェアなロジックの組み立てを心がけて制作されている[2]。
主要登場人物
- 小此木 鶯太郎(おこのぎ おうたろう)
- 本シリーズの主人公で、捜査一課に所属する刑事。理知的で綺麗な顔をしているものの、夏でも黒のダッフルコートによれよれのスーツを着て、ふくらんだリュックサックを背負っているなど傍から見たらだらしのない出立ちをしている。普段はおっとりとしていて子供っぽい無邪気な性格をしているが、いざ事件となると持ち前の洞察力、推理力を発揮して犯人を追い詰める。
作品
掲載される順番は公開順
湖岸の盲点
![]() 廃止されました ![]() |
---|
小此木鶯太郎の事件簿vol.1で2008年7月28日に「問題編」、2008年8月13日に「解答編」が公開された。「読者への挑戦」が行われ、正解者の中から抽選で13名に『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』等のDVDやAmazonギフト券など総額10万円相当の賞品が贈られた[1][3]。
ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)にて2009年12月3日から2011年2月10日まで葉山せりの作画によるウェブコミックが連載された。単行本は出題編・解答編の全2巻。ウェブコミック版ではシナリオが一部変更されてミスが追加された上で、「読者への挑戦」の実施と正解者への賞品が検討されている[4]。
ゲストキャラクター
- 芦国 暁人(あしくに あきと)
- 加々美湖の湖岸に立地するペンション綾淵亭の管理人で、本作の犯人。加々美湖に自らの人生をかけており、死に掛けていた加々美湖を犬塚の資金支援を基に蘇らせた。しかし、その後加々美湖のリゾート開発を打ち出す犬塚と反目し、殺害を決意する。
- 犬塚 伊作(いぬづか いさく)
- リゾート地の開発を手がける犬塚リゾートの社長。加々美湖のリゾート開発を目論み、それに反対する芦国に殺害される。
- 宇山 うらら(うやま うらら)
- 魚田スポーツクラブのインストラクターの女性。芦国に対して好意を持っているが、それを告げる勇気が持てず踏み出せないでいる。
- 当初はコミックマーケットで雨の降り出すタイミングをずらした『湖岸の盲点』の「ifもの」を販売する予定があり、そのシナリオで重要な役割を担う予定であった[2]が、その企画が流れてしまったために出番が少なくなってしまっている。
「湖岸の盲点」スタッフ
赤と黒の境界
小此木鶯太郎の事件簿vol.3で、2010年3月31日に作品集「三つの謎宮」としてvol.4、vol.5と共に「問題編」が同時公開された。
完璧なアリバイ、あります
小此木鶯太郎の事件簿vol.4で、2010年3月31日に作品集「三つの謎宮」としてvol.3、vol.5と共に「問題編」が同時公開された。
ひとひらひらら
小此木鶯太郎の事件簿vol.5で、2010年3月31日に作品集「三つの謎宮」としてvol.3、vol.4と共に「問題編」が同時公開された。
「三つの謎宮」スタッフ
- シナリオ:小野堂天乃介
- 監修/効果音:すえばしけん
- スクリプト:gMA
- スクリプト指導:ピッケル師匠
- グラフィック/原画/彩色:kitaD
- 原画:加藤絵理子
- 原画/彩色:アカギギショウ
- グラフィック:伊佐根レオン
- グラフィック:岩井戸ウシロウ
- グラフィック:田中一郎
陰と陽の犯跡
![]() | この節は、発売前あるいは配信・稼働開始前のコンピュータゲームを扱っています。 情報が解禁されていくに従い、この項目の内容も大きく変化することがありますのでご注意ください。 |
小此木鶯太郎の事件簿vol.2で、2010年6月頃に公開予定。vol.3-vol.5までとはナンバリングと公開順が前後している。
関連項目
- エラリー・クイーン:推理小説家。『湖岸の盲点』での「読者への挑戦」の宣言文に『スペイン岬の謎』での文が引用されている。
- ジョン・ディクスン・カー:推理小説家。安楽椅子犯人のホームページでの「読者への挑戦」の宣言文に『地上最大のゲーム』での文が引用されている。
- 吉里吉里2:ゲームのスクリプトエンジンとして使用されている。
脚注
- ^ a b c 【NEWS】賞品総額10万円の“読者への挑戦”つきミステリーノベルゲーム「湖岸の盲点」、窓の杜、08/07/28 16:00
- ^ a b 『小此木鶯太郎の事件簿vol.1 湖岸の盲点(解答編)』いただいた感想や質問
- ^ 応募について、安楽椅子犯人
- ^ 『小此木鶯太郎の事件簿vol.1 湖岸の盲点(解答編)』ガンガンオンラインのウェブコミック版!