対外治安総局
対外治安総局(たいがいちあんそうきょく、Direction Générale de la Sécurité Extérieure; DGSE)はフランスの情報機関である[1]。本部はパリ20区モルティエ大通り141番。
対外治安総局の任務は、フランスの安全に関係する情報の収集及び分析、国外でのフランスに対する破壊活動の摘発及び予防[1]、国家利益のための機密作戦の実施等である[1]。国防省の傘下組織だが、文民と軍人の比率は、2 : 1 と文民が多数であり、人員は4747名(2011年現在)。
歴史[編集]
第二次世界大戦中の1942年に自由フランス軍に創設された情報・行動中央局(BCRA)を前身とする。BCRAは、1943年11月からアルジェリアで活動し、特殊戦力総局(DGSS)に改称された。1944年11月6日、レジスタンス運動の諜報網がDGSSに統合され、研究・調査局(DGER)に改称された。
戦後1946年、首相に直属する、防諜・外国資料局(Service de Documentation Extérieure et de Contre-Espionage、SDECE[2])が編成された。この機関は第一次インドシナ戦争ではインドシナ、ラオス及びベトナム領内での特殊作戦に積極的に参加した。
1954年~1962年、アルジェリア戦争でイスラム圏の情報分析能力を上げる。
1962年、ドゴールは、SDECEを国防相の配下に再び置き、その任務を軍事問題に限定した。
1982年4月4日、社会党政権による改革で、SDECEを現在の対外治安総局(DGSE)に改称した。
1985年、フランスによるムルロア環礁核実験に抗議するためにオークランド寄港中のグリーンピース帆船爆沈事件が引き起こされた。フランス軍士官2名が逮捕され、ニュージーランド政府によりフランス対外治安総局によるテロ事件と断定され国際問題となった。
2013年1月11日、ソマリア南部の都市ブロマレルで、アルシャハブに拘束されている工作員の救出作戦を実施。救出は失敗、兵士が1名死亡している[3]。
2018年5月26日、元諜報部員2人と配偶者1人が、中華人民共和国に機密情報を譲り渡した容疑が深まり、二重スパイとして拘束されていることが報道された[4]。
組織[編集]
- 戦略局
- 情報局
- 作戦局
- 管理局
- 技術局
歴代長官[編集]
長官 | 就任 | 辞任 |
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Pierre Marion | 1981年6月17日 | 1982年11月10日 |
Pierre Lacoste | 1982年11月10日 | 1985年 | 9月19日
René Imbot | 1985年 | 9月20日1986年12月 | 1日
François Mermet | 1986年12月2日 | 1989年 | 3月23日
Claude Silberzahn | 1989年 | 3月23日1993年 | 6月 7日
Jacques Dewatre | 1993年 | 6月 7日1999年12月19日 |
Jean-Claude Cousseran | 1999年12月19日 | 2002年 | 7月24日
Pierre Brochand | 2002年 | 7月24日2008年10月10日 |
Erard Corbin de Mangoux | 2008年10月10日 | 2013年 | 4月11日
Bernard Bajolet | 2013年 | 4月11日
出典[編集]
- ^ a b c フランスのテロリズム対策,高山直也,外国の立法 228,2006年5月
- ^ 慣例的に「セデス」または「エスデック」と発音する
- ^ “ソマリア:仏、過激派からの工作員奪還に失敗”. 毎日新聞. (2013年1月12日) 2013年1月13日閲覧。
- ^ “フランスの元諜報部員2人、中国への機密情報提供で拘束”. AFP (2018年5月26日). 2018年5月27日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Direction Générale de la Sécurité Extérieure 国防省公式サイト(フランス語)
- Direction General of External Security 国防省公式サイト(英語)
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