宇喜世

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宇喜世
北門と本館の一部、2019年3月29日撮影。 地図
レストラン情報
開店 明治
現オーナー 大島グループ
以前のオーナー 寺島家
種類 料亭
郵便番号/ZIP 943-0831
日本の旗 日本
住所 新潟県上越市仲町3丁目5-4
座標 北緯37度06分43秒 東経138度14分34秒 / 北緯37.111825度 東経138.242657度 / 37.111825; 138.242657座標: 北緯37度06分43秒 東経138度14分34秒 / 北緯37.111825度 東経138.242657度 / 37.111825; 138.242657
ウェブサイト http://www.ukiyo.jp
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宇喜世(うきよ)は、新潟県上越市仲町の老舗料亭[1]

前身は、江戸時代末期にあった仕出屋とされ[2]、それがやがて幕末から明治初期に割烹料亭「寺島屋」に転換したと伝えられている[3]。現在も残る、3階建で、2階に153畳の大広間を備えた本館は、明治中期に建造されたものである[2]。明治末には「日進館」と名乗って、積極的に西洋料理を導入した時期もあったという[3]

また、「宇喜世」という屋号は造語として考案されたものであり、1933年からのものとされる[3]

高田市を代表する高級料亭であり、旧直江津市の有力企業もしばしば接待に使っていた[4]

新藤兼人が監督した1953年の映画縮図』では、舞台のひとつとして撮影がおこなわれた[5]

2006年には、経営悪化が表面化して存続の危機に瀕したが、地元経済界からの出資で新たに設立された株式会社が経営に当たることでひとまずは存続が決まり、厨房などの設備が更新された[6]

2008年には、本館の建物が、昭和初期に建造された茅葺屋根の北門、1951年ごろ建造の数寄屋風の東門とともに、登録有形文化財に登録された[6][7]

2013年に、上越市で福祉関係施設や学習塾、ビル管理などの事業を展開している大島グループが宇喜世を買収して、大島誠が社長となり、ランチ営業や様々な催事への取り組みなど経営改革が進められ、2017年には全国の老舗料亭に呼びかけて「百年料亭ネットワーク」を結成する中核となった[1][8]

脚注[編集]

  1. ^ a b 松本英仁 (2017年11月27日). “(越佐ひと)「百年料亭」街を変える 大島誠さん 57歳”. 朝日新聞・朝刊・新潟: p. 29  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  2. ^ a b “料亭駐車場、バス歓迎 上越の老舗、観光振興へ整備”. 朝日新聞・朝刊・新潟: p. 26. (2015年4月16日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  3. ^ a b c 宇喜世について”. 宇喜世. 2019年3月29日閲覧。
  4. ^ “合併 まちを創る 反対運動で生の声(新潟の世紀:42)”. 朝日新聞・朝刊・新潟: p. 30. (2001年4月28日). "高田で100年以上続く高級料亭「宇喜世」の女将(おかみ)寺島悦子さん(73)は「直江津の大工場のお偉方には古くからいつも接待に使っていただいていました」と話す。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  5. ^ “上越映画鑑賞会が20周年、増村俊一氏――脱サラして“映画一筋”(土曜トーク)”. 日本経済新聞・新潟: p. 22. (1996年10月12日)  - 日経テレコン21にて閲覧
  6. ^ a b “料亭「宇喜世」が国有形文化財に 客間ごとに異なる「匠の玉手箱」 上越市”. 朝日新聞・朝刊・新潟: p. 30. (2008年10月17日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  7. ^ “「料亭宇喜世」など登録有形文化財に=新潟”. 読売新聞・新潟: p. 30. (2008年9月27日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  8. ^ 管野宏哉 (2018年12月12日). “大島グループ(上越市)――バラバラな元気企業育む、地域活性化の近道と自負(信越ビジネス最前線)”. 日本経済新聞・新潟: p. 22  - 日経テレコン21にて閲覧

外部リンク[編集]