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大嶋光昭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大嶋 光昭(おおしま みつあき)は、日本の電子技術者、発明家[1]、企業内事業家、シリアルイノベーターパナソニックホールディングス株式会社 名誉技監、工学博士。京都大学特命教授[2]

手ぶれ補正技術の基本特許を発明したことで知られ、3G/4G/5G通信の基幹技術、デジタルTV放送の基幹技術、ジャイロセンサー技術、CPU省電力技術、任天堂ゲーム用の海賊版防止技術など、多岐にわたる分野で革新的な発明とその事業化を行った[3]登録された特許は1,300件。パナソニックグループに数千億円規模の利益をもたらし、今日のデジタル社会の基盤となる技術の数多くを生み出した。[4][1]。主な受賞に紫綬褒章恩賜発明賞旭日小綬章[5]IEEEマイルストーン[6]

経歴

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主な業績

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  • 1980年 ジャイロセンサーの開発に着手。カーナビゲーションの位置センサーとして振動ジャイロに注目。振動ジャイロ(振動型の機械式ジャイロスコープ)は、Barnabyらにより発明され、航空機の慣性航法に利用する目的で1950年前後に盛んに研究されたが、安定性などに十分な性能を確保できないことから実用化には至らなかった。そこでセラミック材料に目を付け大嶋は、1980年にジャイロスコープの性能改善に着手した。独自に作成した物理モデルをもとにしたシミュレーションを通じてノイズや不安定性の発生原因を初めて学術的に解明した。この解析結果に基づき、音叉型にすることにより振動モードを単一化し、モニター振動子を設けフィードバッグ制御を行うことで、外部振動などの外乱を受けてもノイズや誤信号を発生しない振動ジャイロを開発し、1988年には世界初の量産化を実現し、振動ジャイロ(角速度センサー)の新規事業の立ち上げに成功した。同年、これを搭載することにより世界初の手ぶれ補正を内蔵したカメラであるPV-460を製品化[5]。また、1990年代にカーナビゲーション用としても広く使用された。この技術は振動ジャイロの主流方式になり、パナソニック社のジャイロセンサー事業は、2000年代の最盛期には世界トップシェア、年産300億円を達成した。
  • 1982年 手ぶれ補正の開発に着手。大嶋が開発した振動ジャイロの初期開発品はカーナビゲーションの要求仕様を満たさず開発中止となった。同年8月に友人とのハワイ旅行で[7]、車上で友人がビデオを撮影したところ手ぶれが問題となった。旅行中、撮影している友人の姿を観察する内に、手ぶれが平行運動ではなく回転運動で起こることに気づいた。この瞬間、振動ジャイロを用いて手ぶれを検出し逆方向に光軸を補正するという発想が生まれた。この発明が現在の主流技術の基本特許となった。1983年 振動ジャイロを用いた手ぶれ補正方法の基本特許を出願(昭和58年出願、特許第1589189号)。この特許は海外も含めて16件に分割出願され、光学補正(USP4623930)、センサーシフト方式(USP5294991)、レンズユニットスイング方式の各手ぶれ補正方式およびCCD撮像素子を用いて電子的に手ぶれを補正する電子補正方式の基本特許を取得し、フィルムカメラを含むカメラの大手製造会社等に特許ライセンスされ、各社で生産された。この発明技術は現在もビデオカメラ、フィルムカメラ、コンパクトデジカメ、一眼カメラ、スマートフォン、ドローンの手ぶれ補正の主流技術として広く使用されている。技術史から見ると、19世紀に登場したカメラは素人には撮影が難しかった。そこで、20世紀後半に3大自動化技術が発明され、順次製品に実装された。まず1951年にDurst(Agfa社)により自動露出、次に1973年にStauffer(Honeywell社)により自動焦点、1983年に大嶋により手ぶれ補正の基本特許が発明され、1988年に世界初の手ぶれ補正を搭載したカメラであるPV-460が大嶋らによりパナソニックから製品化された。4年後の1992年には他の会社からも製品化された。この自動化技術により素人でも失敗のない写真やビデオが撮影できるようになり、カメラの一般消費者への普及が進んだ。2014年1月に 手ぶれ補正の米国登録基本特許群の有効期限が切れことから同年9月に、Apple社が大嶋が発明した手ぶれ補正を初めて搭載したiPhone6 Plusを発売。その後、iPhone7以降では大嶋が発明したセンサーシフト方式手ぶれ補正も実装された。iPhoneへの搭載を端緒として、各社のスマートフォンへ急速に普及し最終的には年間数億台生産された。2017年1月にジャーナリストのBrian Merchantの取材を米国で受け、2017年7月 iPhoneの開発ストーリー『The One Device The Secret History of The iPhone』の中でiPhoneの光学式手ぶれ補正の発明者、開発者として掲載された。現在、手ぶれ補正はデジカメやスマートフォンに搭載されており、世界で10億人以上の人に使われ、今日の新しい映像撮影文化の形成に貢献している。
  • ドローン、社会基盤点検への応用:2010年代に本格導入されたドローンは絶えず機体を傾けることにより姿勢制御するため激しく揺れ通常のカメラ撮影ができない。このため、撮影用カメラを搭載するほとんどの機種に手ぶれ補正技術の中のジンバル方式が実装されている。近年、高解像度の撮像素子と高性能の手ぶれ補正を搭載したドローンが様々な点検、例えば老朽化した橋、建物や下水道などのインフラの安全点検や、各所の監視に使われ社会の安心安全に貢献している。
  • 医療分野への応用:大嶋が開発した手ぶれ補正技術の内視鏡への応用が進んでいる。柔構造の内視鏡は執刀医が手で操作するため、手の微小な振れが先端のカメラに伝わり、視認性を大きく損なう。しかし内蔵できる手ぶれ補正用の超小型部品がなかった。このため、従来はシャッター速度を上げる短時間露光で手ぶれの影響を抑えていたが、露光時間を短くすると、感度が低い高解像度の撮像素子が使えないため解像度が上がらないことと、S/N比が低下し、画像劣化による診断精度の低下が課題だった。こうした中、大嶋が開発した手ぶれ補正が2014年9月にiPhoneへ搭載され[8]、その後スマートフォンへ年産数億台の市場規模まで広く普及したが、各社の製品化の過程で多様な超小型部品が開発され、大量生産によりコストが大幅に低減。これらの部品を用いた手ぶれ補正を内視鏡に実装することが可能となり、映像ノイズが少なく安定した高解像度画像が得られるようになる。また、剛性の高いアームを使った硬構造の内視鏡では、既にアームの根元部で3軸制御できるため手振れ補正の制御は容易である。その結果、検査用途では病変の診断精度が向上する。また、内視鏡を使った手術用途では術野が明瞭かつ安定するため、手術の成功率がさらに高まることが期待されている。
  • ロボット手術への応用:内視鏡を活用したロボット手術では高精度な操作が求められるため、より高い補正能力を備えた画像と手先の両面の手ぶれ補正が不可欠である。画像面では、剛性の高いアームを使用してシステム全体で手ぶれの影響を抑制する方式を採用している。初期の製品は4Kモニターを使用しているが、実際はHDの標準解像度のカメラを使っているので、アクティブな手振れ補正の効果は低い。しかし、4K等の高解像度カメラの製品では、ブレにより実質解像度が低下するのでアクティブな手振れ補正が不可欠である。このモデルでは長時間露光が可能となるため、感度が低い高解像度の撮像素子が使えるので高精細な術野を安定して確保でき、精度が高いデジタル画像処理や画像診断ができる。さらに、この画像の手ぶれ補正技術に加えて、手の震え等の手ぶれを抑制するトレモル制御や、術者の手の動きを縮小するモーションスケーリングを組み合わせることで、より精密な操作が可能となり、手術の安全性と成功率が向上する。これはまさに工学と医学の融合の成果である。ロボット手術を含めて、内視鏡を用いた低侵襲な手術や検査によって患者の負担は減少しており、大嶋が発明した手ぶれ補正技術の応用は、診断精度の向上、合併症の低減、手術成功率の向上、医療者の負担軽減を通じて、人類の生命と健康の維持に貢献している。
  • 宇宙探査分野への応用:衛星や宇宙機に搭載された機器が生じる振動により機体がわずかに揺動し、その結果、探査用カメラや宇宙望遠鏡の画像にブレが生じて実質的な解像度が大きく低下する。これを補正するため、大嶋が基礎技術を発明した手ぶれ補正は宇宙探査に不可欠な技術となっている。こうした応用を通じて、大嶋の発明は宇宙分野における科学の発展にも寄与している。
  • 手ぶれ補正の産業、文化、社会、人類への貢献:基本特許の発明、その世界初の事業化、他社への特許ライセンス・ノウハウ提供による手ぶれ補正技術の普及による産業への貢献、手ぶれ補正の実現とその普及による映像文化進展への貢献と、社会基盤点検への応用による安心安全面での社会への貢献、医療分野への応用による人類の生命と健康の維持への貢献、宇宙探索分野への応用による科学の発展への貢献等の功績により、2003年恩賜発明賞、2004年紫綬褒章、2007年大河内記念生産賞、2020年旭日小綬章、2025年IEEEマイルストーン[6]を受賞した。
  • 1989年 高速処理型CPUの省電力技術の開発に着手した。当時、世界初のノートPCとされる東芝のDynabook初号機を使用したところ、短時間でバッテリーが尽きた。これを契機に、高速処理用CPUの消費電力削減技術の開発を進めた。CPUの動作するクロック周波数を上げれば消費電力や発熱が増加する一方、常に高速処理が必要なわけではない点に着目。回路をGHz帯で動作する高速クロック部とkHz帯で動作する低速クロック部に分離し、高速処理が不要な時間帯には高速クロック部を停止もしくは低速化させることで、消費電力と発熱を大幅に削減する二相クロック制御型省電力技術の基本技術を発明した。この方式はCPUやDSPの省電力の主流方式となり、2000年代には米国の大手半導体会社に特許ライセンスを供与した。その後、この省電力技術はクロックゲーティング(Clock Gating)などの名称でも呼ばれ、現在のCPUやDSPに広く採用される基本技術となっている。本技術は軽負荷時に特に効果が高く、データ処理装置のCPUやDSPの消費電力を数分の一から数十分の一程度まで低減し得る顕著な効果を示す。生成AIやクラウドの普及に伴い、データセンターの消費電力は世界全体の発電量の十数%まで増大し、発電所の増設などが社会問題として取り沙汰されているが、大嶋の発明を含むCPUやDSPの省電力技術がなければ消費電力は現在の数倍規模に達していたと推定され、大嶋の省電力技術はエネルギー資源の観点から社会に大きく貢献しているといえる。
  • 1990年 高速デジタル無線通信の開発に着手。アナログ通信の最盛期に、次世代のデジタル通信としてデータ通信量をクロード・シャノンの理論限界値まで高める高速データ通信の研究に着手。階層型伝送方式の基本技術を発明し、1991年に基本特許を出願。200件の基本特許群を国内外で権利化した。この技術は、通信路を複数の階層に分割し、各階層の電波強度、位相、符号化率、OFDMのキャリア間隔、などの通信パラメーターをリアルタイムで最適値に制御もしくは設定することによりデジタル通信・放送の実質的な通信速度を大幅に向上させたものである。本技術は、高解像度映像の高速データ伝送に適していることから1990年代に日本(ISDB-T)米国(ATSC)欧州(DVB-T)の高解像度のデジタル放送規格の規格必須特許に認定され各社に特許ライセンスされた。また、1990年代にはキロビット/秒台の音声データを送る低速データ通信が主体であった携帯電話も、2000年代になるとメガビット/秒台の高解像度映像の高速データ通信が必要となったため、適応変調や超低遅延通信などを実現する技術として、3G、4G、5Gの携帯電話通信規格に採用され、特許ライセンスされた。さらに、Wi-Fi 規格等にも採用され、現在も主流方式として使用されている。階層伝送技術の基本特許の発明とその技術開発、他社への特許ライセンスによる階層伝送技術を用いた高速データ通信普及の功績により、全国発明表彰経済産業大臣発明賞を受賞。
  • 1991年 ゲームソフトの海賊版が増加したため、防止技術の開発に着手。当時の海賊版防止技術は光ディスクをプレスする原盤上に通常のデータとは異なる物理的なマークを形成しておき、ゲーム機はそのマークを読み取る装置を備えており、ゲームの起動時にそのマークを確認するという方式がとられていた。しかし、このマークの形成方法は時間がたてば解析されてしまうものであったため、効果が不十分であった。これに代わるものとして、大嶋は従来の公開鍵暗号技術に加え、ランダムに形成した傷の複製困難性に基づいた物理鍵を用いた2要素認証による海賊版防止技術を発明した。その発明の方法は下記のとおりである。
    1. ゲームの内容を記録したROM(再生専用)ディスクを作成する
    2. 高出力レーザーを用いてROMディスクの反射膜に、それぞれのディスク毎に異なるランダムな位置に傷(物理鍵)をつける
    3. 光ヘッドを用いて傷の位置をサブミクロン精度で検出する
    4. 暗号鍵を用いて傷の位置情報を暗号化する
    5. 暗号化された位置情報を、ROMディスクにバーストカッティングエリアに記録する(なお、バーストカッティングエリア技術も大嶋の発明である)
  • ゲーム機でこのディスクを再生する場合、まず5の暗号を復号し、認証の第1段階として、改ざん検出符号が正しく復号されたかどうかを確認する。認証の第2段階として、復号された位置情報の位置に実際に傷があるかどうかを光ヘッドで読み出して確認する。傷が所定の位置にあれば正規ディスクであると判断されてディスクの動作が許可される。海賊版を作成しようとする場合、ゲームの内容と5を合わせてコピーしたディスクを作成したとしても、2の傷をサブミクロン精度で複製することはできない。また、ランダムな傷を新規に作成して位置をサブミクロン精度で検出することができたとしても、暗号鍵がないため、4の暗号化された位置情報を作成することができない。本技術を採用した任天堂のゲームディスクは12億枚生産されたが、正規のゲーム機で再生可能な海賊版ディスクは1枚も発見されなかった。
  • 本技術の事業化:大嶋は、本技術の基本特許を権利化し1997年に量産試作機を開発したが、生産事業場の賛同が得られなかった。そのため、自ら量産用の製造装置を開発するとともにソフトメーカーやディスクメーカーを訪問し営業活動を行った。1998年11月に任天堂のハードウェア担当責任者の竹田玄洋(その後、専務)に本技術を説明したところ、防止効果が評価され採用が決まった。特許ライセンスを含む生産契約が締結され、2001年ゲームキューブ用に米国工場と中国工場で生産が開始された。こうしてゲーム機用のディスクとドライブを製造する新規事業が立ち上がった。本技術は2006年に発売されたWiiの海賊版防止技術としても採用され、累計12億枚のディスクと1億台のドライブが生産された。最盛期には年間営業利益が300億円を超える高収益事業となった。この海賊版防止技術の基本特許の発明、開発と世界初の事業化の功績に対して2010年大阪発明大賞を受賞。[5]
  • 1995年 ROM(再生専用)型光ディスクの完成品へのデータ記録に世界で初めて成功。基本特許を権利化するともに量産工法を開発。バーストカッティングエリア(BCA:188バイト)と命名。1996年この技術をDVDフォーラムに提案。標準化活動をおこない、DVDBlu-ray Discの光ディスク規格に採用された。1997年 BCAを用いた著作権保護技術を発明。CPRM規格などに採用。この発明により、コピー・ワンスダビング10等、デジタルTV番組の光ディスクへの1回~複数回の合法的なデジタルコピーが可能となった。
  • 1996年 3D(立体)デジタル映像信号を効率よく符号化し記録・伝送する技術を発明し、基本特許を権利化。1999年 世界で初めて3D-DVD光ディスクおよび3D-DVDプレーヤーの試作機を開発するともに,3D-CG映画作品「Sea Squad」を制作した。米国CESで3Dシアターを設けデモを行った後に、ディズニーなどハリウッドの映画製作会社に提案した。この技術は、2009年Blu-ray 3D規格などに採用された。3D映像の符号化・記録技術の基本特許の発明、開発、普及活動と世界初の事業化の功績に対して、2012年全国発明表彰発明賞、2013年市村産業賞貢献賞を受賞。
  • 2006年 IEC国際電気標準会議の電子技術に大きく貢献した発明家・科学者(Techline)に選定される。
  • 2006年 家電とクラウド間をインターネットで連携する技術の開発着手。同年、GoogleのCEOのエリック・シュミットがクラウドコンピューティングという言葉を提唱したが、この年にスマートフォンを用いて家電とクラウドをインターネットで接続し連携動作させる IoT (Internet of Things) 技術を発明し、白物家電とAV家電を改造したスマート家電システムを試作した。その後、量産品を開発し、2012年6月スマートフォンと連携したスマート家電シリーズ(電子レンジ:NE-R3500、炊飯器、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、体重計、万歩計、血圧計)として製品化。第55回(2012年)日刊工業新聞十大新製品賞本賞を受賞。
  • 2012年 カメラ受信型可視光通信の高速化技術の開発着手。スマート家電の通信用として、スマートフォンのカメラを用いて可視光通信を行うOptical Camera Communication (OCC)技術、別名、光ID技術の基本技術を発明。撮像素子のRolling Shutter効果を利用することにより、従来方式のカメラ受信型可視光通信技術に比べて数千倍高速化した数十kbpsの可視光通信を実現。市販のスマートフォンのカメラ部で受信可能となった。2013年、Apple本社のハードウェア担当のSteve Hotelling(VP = 役員)に光ID用のカメラ制御コマンドの公開を依頼したところ、翌年、iPhoneで光IDの制御コマンドが公開され、iPhoneで光IDが受信可能となった。これにより光ID(LinkRay:登録商標)の新規事業を開始した。これと平行して、2014年からIEEE802委員会に参加し光IDの可視光通信技術の標準化活動を行い、IEEE802.15.07-2018として2018年に標準化された。

エピソード

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  • パナソニック社内で大嶋塾という、若い技術者と共同で新しい技術コンセプトを生み出し、そのコンセプトを具現化し、新しい技術に育てる発明塾を開いている。
  • 自動車の始動装置やアンチノックガソリンなど多くの発明で著名な発明家、GM社のチャールス・F・ケッタリングをロールモデル(生き方のモデル)とし、多分野型の発明家を目指している。

賞歴

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その他の受賞歴

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家族

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  • 実家は100年以上続く旧家であった。大嶋家は中山寺(宝塚市)や仁和寺の管長を務めた石堂家と姻戚関係にあり、石堂恵俊など中山寺の歴代管長と親交があった。
  • 祖父は、高島屋呉服店の創業時に入社。その後、大阪難波の高島屋本店の営業本部長を務めた。アイデアマンで百貨店の新しい営業モデルや新しい小物や衣服を発明し、この服を着せた部下を地下鉄御堂筋線に乗せて市場を調査する実証実験などを行い、特許を出願する発明家でもあった。高島屋の創業家である飯田家の飯田新一や東洋学者の貝塚茂樹と親交があった。祖父の影響を受け発明に興味をもつ。
  • 父は、祖父とは異なる技術に興味を持ち大学の電気科に進んだが、鳥養利三郎教授(後の、京都大学総長)の指示で阪大物理科の菊池正士教授からハイゼンベルグの量子力学を学ぶ。海軍に進み、阪大物理科の盛田昭夫と浜松の403小隊で軍事訓練を受けた後に、関東地方に配属されたことから生涯親交があった。海軍技術研究所で菊池正士の部下としてレーダーを研究。戦後、住友電工に就職。電力系統の専門家だったことから東海道新幹線プロジェクトに参加し2.5万ボルトの列車電力供給システムを開発。この功績で黄綬褒章受章(1981年)。電気学会副会長も務めた。なお、東海道新幹線は2000年にIEEEマイルストーン賞受賞[11]。電気電子分野に進んだのは父親の影響を受けている。
  • 義兄に、元経済産業省官僚の細川昌彦がいる。

著作

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重要な論文
取材を受けた書籍・記事
  • Brian Merchant, 『The One Device The Secret History of The iPhone』 Little, Brown and Company, pp.123-137(June 2017) (iPhoneの開発ストーリー、iPhoneの手ぶれ補正であるセンサーシフト方式の発明者、開発者として記載)
  • ブライアント・マーチャント 『THE ONE DEVICEザ・ワン・デバイス iPhoneという奇跡の“生態系"はいかに誕生したか』 ダイヤモンド社, pp. 170-172, 421,424 ISBN 978-4478104392  (2019年7月)
  • 垂井康夫、赤城三男:『世界を先駆ける日本のイノベーター―新規事業創出へ工学知を創造する8人―』pp. 77-119オーム社 ISBN 978-4-274-50429-7 (2013年1月) 
  • イリノイ大学 ジャック・ボジャック教授『シリアル・イノベーター:「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀」』プレジデント社 ISBN 978-4-8334-2080-8(2014年3月)(シリアル・イノベーターとして紹介)
  • 石川善樹 “3000億円の営業利益を生み出した男・大嶋光昭とは何者か” Hills Life 2018年5月6日号
  • 堀切近史 “第1回:それはハワイでひらめいた(上)(下)”日経エレクトロニクス、2006年2月13日号、PP. 110-113
  • 「日本のシリアル・イノベーター(3)前編後編」 WorkSight 2014年8月4日号、8月11日号
単著
共著
  • 石川善樹ほか『考え続ける力』筑摩書房、2020年5月、109-128頁。ISBN 978-4-480-07316-7 
  • 大嶋, 光昭、中田, 喜文「月例研究会 技術研究開発者のモチベーション[含 質疑応答]」『国際産研』第26号、関西国際産業関係研究所、2007年5月、78-88頁、ISSN 1343-6465NAID 40015600005 

関連資料

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  • 「可視光通信技術『光ID』 大嶋光昭 パナソニックAVCネットワークス社イノベーションセンター スーパーバイザー」『週刊ダイヤモンド』第104巻33 (4643)、東京 : ダイヤモンド社、100-101頁。 

脚注

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  1. ^ a b 「旭日章受章スペシャル企画 Vol.1 大嶋博士のつくり方」パナソニックグループ採用情報” (2020年). 2025年10月13日閲覧。
  2. ^ 『世界トップクラスの発明王』が語る、知財が生み出す光とは。」知財図鑑 (2021年2月20日) - 大嶋光昭はパナソニック株式会社名誉技監・京都大学特命教授で、多分野型の発明家と紹介され「シリアル・イノベーター」と称されている。
  3. ^ 東洋経済オンライン(HILLS LIFE DAILY提供記事)「パナ伝説のエンジニアが語るイノベーター論 特許件数1300件、ライセンス収入は380億円」toyokeizai.netにて、大嶋の代表的発明として「振動ジャイロによる手ぶれ補正技術」が挙げられ、さらに「海外大手半導体メーカー製CPUに採用された省電力技術」「日米欧の地上波デジタル放送規格を支える基幹特許」「コピー・ワンスやダビング10を実現した光ディスク規格(BCA/CPRM)」「ゲーム用光ディスク技術」「3D映像符号化技術」「光ID技術(LinkRay)」等、多岐の発明が紹介されている
  4. ^ 100BANCHI 大嶋 光昭 プロフィール”. 2025年10月13日閲覧。
  5. ^ a b c 令和2年春の叙勲において「旭日小綬章」を受章”. Panasonic Newsroom. パナソニックホールディングス (2020年4月29日). 2020年4月29日閲覧。
  6. ^ a b c Camcorder with image stabilization, 1988”. IEEE Milestones, Engineering and Technology History Wiki. 2025年10月10日閲覧。
  7. ^ 第1回:それはハワイでひらめいた(上)”. 日経クロステック (2010年7月6日). 2010年7月6日閲覧。
  8. ^ Brian Merchant『The One Device- Secret History of The iPhone』、pp.135頁。 
  9. ^ パナソニック技術者、令和2年春の叙勲で旭日小綬章を受章
  10. ^ 令和2年春の叙勲受章者名簿
  11. ^ IEEE Milestone認定一覧”. IEEE Japan Council. 2025年10月17日閲覧。