国鉄6400形蒸気機関車

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685(後の6425) 
日露戦争後の沼津駅での撮影とされる

6400形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道作業局・鉄道院・鉄道省に在籍したテンダー式蒸気機関車である。

概要[編集]

1902年(明治35年)に、アメリカアメリカン・ロコモティブ(アルコ)社スケネクタディ工場(American Locomotive Co. Ltd.,(=Alco) Schenectady Loco. Works)で製造され、官設鉄道が輸入した旅客列車用蒸気機関車で、30両(製造番号26134 - 26172)が製造された。明治時代後期を代表する旅客列車用テンダー式蒸気機関車の一つである。

構造[編集]

形式図

本形式は、車軸配置4-4-0(2B)で2気筒単式の飽和式旅客列車牽引用テンダー機関車である。6200形系列「ネルソン」の増備として発注されたものであるが、スタイルはほぼ完全なアメリカ型である。これは、入札を行う際に要求性能を満たす限りは、かなりメーカー側の裁量の利く仕様書を示したためと思われる。

設計においては、1897年に当時のスケネクタディ社が製造したD10形(後の5700形)をベースにしたと思われ、動輪直径を1,524mm(5ft)に拡大したためその分、ボイラー中心高さを上げている。細かいところでは、外側軸受けで板台枠式の先台車、3軸固定式台車のテンダーなど、イギリススタイルを採用している部分もある。

主要諸元[編集]

  • 全長:15,062mm
  • 全高:3,772mm
  • 軌間:1,067mm
  • 車軸配置:4-4-0(2B)
  • 動輪直径:1524mm(5')
  • 弁装置:スチーブンソン式アメリカ形
  • シリンダー(直径×行程):406mm×610mm
  • ボイラー圧力:11.3kg/cm2
  • 火格子面積:1.49m2
  • 全伝熱面積:96.6m2
    • 煙管蒸発伝熱面積:88.3m2
    • 火室蒸発伝熱面積:8.3m2
  • ボイラー水容量:4.1m3
  • 小煙管(直径×長サ×数):46mm×3,226mm×196本
  • 機関車運転整備重量:37.38t
  • 機関車空車重量:32.83t
  • 機関車動輪上重量(運転整備時):23.94t
  • 機関車動輪軸重(最大・第1動輪上):13.09t
  • 炭水車運転整備重量:25.11t
  • 炭水車空車重量:12.70t
  • 水タンク容量:9.1m3
  • 燃料積載量:2.84t
  • 機関車性能
    • シリンダ引張力:6,280kg
  • ブレーキ装置:手ブレーキ真空ブレーキ

運用・経歴[編集]

官設鉄道ではD12形660 - 689)として主に浜松機関庫に配属され、東海道線東部(沼津 - 名古屋間)で最大急行列車の牽引にも使用された。1909年(明治42年)の車両形式称号規程制定時には、6400形6400 - 6429)に改められている。

大正に入ると京阪神地区に移り、京都 - 姫路間で使用されたが、程なく地方への転属が始まり、参宮線鹿児島本線北陸本線山陰本線などで、小運転や入換用に使用された。

1930年(昭和5年)から1931年(昭和6年)にかけて、全車が廃車解体され、譲渡車、保存車はない。

参考文献[編集]

  • 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社
  • 臼井茂信「機関車の系譜図 1」1972年、交友社
  • 金田茂裕「日本蒸気機関車史 官設鉄道編」1972年、交友社刊
  • 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車」1985年、機関車史研究会刊
  • 川上幸義「私の蒸気機関車史 上」1978年、交友社刊
  • 高田隆雄監修「万有ガイドシリーズ12 蒸気機関車 日本編」1981年、小学館