四重結合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
オクタクロロレニウム(III)酸イオン([Re2Cl8]2-)のRe-Re結合は四重結合である。

四重結合(よんじゅうけつごう、: Quadruple bond)は、8個の電子を要する2原子間の化学結合である。この結合は二重結合三重結合の延長である[1]。安定した四重結合は一般にレニウムタングステンモリブデンそしてクロムのような遷移金属元素が作る。概して、四重結合をサポートする配位子はπ供与体でありπ受容体ではない。

分子軌道[編集]

分子軌道理論ではこの結合はσ2π4δ2と表され、σ結合が1つ、π結合が2つ、δ結合が1つであることを意味する。ただし、δ結合の強さについては議論の余地がある。

歴史[編集]

酢酸クロム(II) Cr2(μ-O2CMe)4(H2O)2は初めて合成された四重結合を含む化合物である。これは1844年にEugène-Melchior Péligot(仏)によって報告されたが、その独特な結合のため1世紀以上に亘って認められなかった[2]。四重結合は1964年にF. Albert Cottonによってオクタクロロレニウム(II)酸カリウム二水和物 K2[Re2Cl8]·2H2Oを使って初めて特徴づけられた。この化合物のRe-Re間結合長は224pmしかなかった。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ To Boldly Pass the Metal-Metal Quadruple Bond Radius, U.; Breher, F. Angewandte Chemie International Edition 2006, Volume 45, Issue 19 , Pages 3006 - 3010 Abstract
  2. ^ Cotton, F. A.; Walton, R. A. “Multiple Bonds Between Metal Atoms” Oxford (Oxford): 1993. ISBN 0-19-855649-7.

関連項目[編集]