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名古屋走り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

名古屋走り(なごやばしり)とは、愛知県名古屋市およびその近辺の人による特有のマナーの悪い運転および道路交通法違反運転の総称である[1][2]が、全国で見られる違反運転である。なお、愛知県の交通事故死者数は平成2年から平成30年まで16年連続で全国ワースト1位である[3]。2024年は東京都が全国ワースト1位となり、愛知県は2位、千葉県が3位、大阪府が4位、埼玉県が5位、神奈川県が6位となった[4][5]

概要

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名古屋走りとはいうものの、名古屋中心部よりも外縁部、近隣市の尾張小牧ナンバー車で特に多く見られる[要出典]。愛知県の2012年の交通事故件数(4万9651件)、交通事故死亡件数(235人)ともに全国ワースト1位である。愛知県警では「最大の要因は運転モラルの低さ」であるとして、取り締まりや交通安全教室などの対策に乗り出している[2]。 ただし、愛知県の世帯当たり自動車保有台数は日本一であり、単純な事故数では愛知県に著しく不利な比較となるため、これを運転モラルと結びつけるのは不適切であるという意見もある。保有台数あたりの事故数では2014年の資料では全国10位となっている[6]。東京都は9位、大阪府は3位、福岡県は2位であり他都市圏と比較しても事故率は低くなっている。このように名古屋走りに関しては実情よりもイメージが著しく先行しており、地元の自動車教習所職員やJAF愛知支部はネットの情報は誇張しすぎと反論している[7]。名古屋走りと言われた時代がかなり昔でありそのイメージが未だに世間では根強いため、事故数が減った今でも少しでも変わった事や事故があると、「さすが名古屋」と誇張されがちである[7]

「名古屋走り」とされる行為

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信号無視

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交通信号の切り替わり前後に交差点へ進入する事象において、黄信号でありながらためらいなく進入(所謂黄走り)し、赤信号に変わっても状況判断によっては進入すること。名古屋走りの典型例とされ、「黄色まだまだ、赤勝負」[8]と形容することもある。

また、右折信号が点灯している際に左折をしたり、前車が黄色で停止した際にそれを追い越し、さらには止まった車両にクラクションを鳴らすなどの行動もみられる[2]

名古屋走りにおいては信号残りの「黄走り進入」が多い一方、大阪府でみられる「フライング発進」は少ない[9]岐阜県三重県において出会い頭の事故が多い現象について、信号残り(名古屋走り)と見切り発進(大阪府の走行)が錯綜する為であるとする交通工学者の意見がある[10]

速度超過

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道が広いことで速度を上げる車が多い。先の信号が赤になることを理解していても加速して、赤信号で停車するを繰り返す。[要出典]愛知県警察は、トラックバスタクシーといった職業運転手に対し、一般車の流れをつくるペースカーとなるよう要請している[11]

ウインカーを出さない車線変更

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進路変更をする際、ウインカー(方向指示器)を進路変更の直前に出す、またはウインカーを出さずに進路変更を行う[12][13]

車線またぎ

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車線をまたぎ[14]、左右に車線変更を繰り返しながら走行する[2]

右折フェイント

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右折車線または右折車両の待機している車線から追い越しをかけ、信号前後で直進できる車線に割り込む[2][15][16][17]

早曲がり

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右折をする際、青信号に変わったら即座に急発進し、対向車より早く交差点に進入する[2]。対向車線に直進車があっても強引に右折する[12]

右折中の追い越し

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先頭右折車が右折待ちである場面で、後続の右折車が追い越しをかける[2]

歩行者軽視

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横断歩道で手を上げている歩行者がいても無視して止まらずに進む[2]

駐車方法

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走行方法ではないものの、歩道上への駐車や交差点における路上駐車も同様の悪しき運転マナーとされる[18]

車を交差点の角に斜めに停める場合、名古屋城の金のしゃちほこに見立て「しゃちほこ停め」という俗称も存在する。

車間距離の狭隘

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走行中に車間距離が車両一台分以上あると割り込んでくる。また信号による停車中の車間距離もかなり詰めてくることがある。[要出典]

特記事項

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NHKで放送された『欽ちゃんのがんばる!日本大作戦』において交通事故死ワースト脱出を目標に掲げた「愛知スマートドライバー」などの取り組みが紹介された。

交通評論家の矢橋昇は、愛知県内の小学生には「黄信号は止まれ」の意味を知らない児童がいるとし、大人も先生も親も交通ルールを守っていないので、子供達がルールを覚えるわけがないとしている[14]

参考文献

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脚注

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  1. ^ JAF MATE 2000年7月号P14-P17「読者アンケート特集地域別実感レポート運転マナーの県民性
  2. ^ a b c d e f g h ナゴヤ県警、取り締まり強化”. 中日新聞. 2013年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月11日閲覧。
  3. ^ 警察庁 (13 February 2020). 令和元年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について (Excel,PDF) (Report). 2020年3月16日閲覧.
  4. ^ 去年の交通事故死亡者数 東京が最多 146人 千葉131人” (
    ja). NHK NEWS Web. NHK (2025年1月7日). 2025年8月13日閲覧。
  5. ^ 交通事故死者数について” (
    ja). 警察庁. 警察庁 (2025年1月7日). 2025年8月13日閲覧。
  6. ^ http://www.kuruma-sateim.com/statistics/todouhuken-jiko-rate/
  7. ^ a b “運転マナー最悪「名古屋走り」は本当なのか 地元は猛反論「ネットは誇張しすぎ」”. j-cast. (2017年10月20日). https://www.j-cast.com/2017/10/20311786.html  {{cite news}}: 不明な引数|1=|2=が空白で指定されています。 (説明)
  8. ^ 中日新聞」1992年6月2日 朝刊14面 「緊急報告 多発する交通死(上) 信号無視 “名古屋走り”の象徴 事故原因、高い比率示す」
  9. ^ 朝日新聞1993年7月9日 東海版27面 「名古屋走り 出合い頭の事故死突出(信号 考現学:1)」
  10. ^ 「朝日新聞」1993年7月9日における、建部英博・愛知工業大学教授(当時)の意見。
  11. ^ asahi.com(朝日新聞社)2009年3月12日「愛知県警が「名古屋走り」撲滅作戦 幹線道の信号調整
  12. ^ a b 伊達軍曹 (2023年6月15日). “「名古屋走り」「岡山ルール」というが…危険な「ご当地ルール」運転の「意外な実態」”. 現代ビジネス. 2023年6月22日閲覧。
  13. ^ 傍若無人な“名古屋走り”に取材班も呆然”. 日刊SPA. 2012年7月3日閲覧。
  14. ^ a b “命奪う「名古屋走り」 事故死ワースト脱却へ苦闘”. 日本経済新聞. (2012年7月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFD1100A_R10C12A7000000/ 
  15. ^ “マナー悪い「名古屋走り」でも恐怖の荒技「右折フェイント」”. 週刊NEWSPOST. (2016年10月10日). https://www.news-postseven.com/archives/20161010_453581.html?DETAIL  週刊ポスト2016年10月14・21日号にも掲載
  16. ^ 【危険】「危なーい!」右折レーンにいた隣の車が…曲がらず突然前に 雨の夜道で起きた一部始終 at the Wayback Machine (archived 2023-01-06)FNNプライムオンライン
  17. ^ 雨の夜に強引な割り込み 「危なーい」黒い車が突然 at the Wayback Machine (archived 2023-01-05)FNNプライムオンライン
  18. ^ 牛田正行「なごやばしり〔名古屋走り〕」『名古屋まる知り新事典』ゲイン、2005年、209頁。 

関連項目

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外部リンク

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