吉田静一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

吉田 静一(よしだ しずかず、1930年8月6日 - 1982年4月13日)は、日本経済学者。専門はフランス経済史、フランス経済学史経済学博士名古屋大学、1966年)。

シモンド・ド・シスモンディサン=シモンといった思想家について、旧来のマルクス主義的な経済学史にとらわれず、その思想の内在的研究を行った。

経歴[編集]

1930年、東京生まれ。旧制東京高等学校文科を卒業。1950年名古屋大学経済学部経済学科入学。水田洋に学ぶ。

1953年に卒業後、京都大学人文科学研究所助手を経て、1958年関西大学経済学部に着任。1968年神奈川大学経済学部に移籍し教授を務める。1971年から1973年までフランス留学。1977年から東京経済大学経済学部教授に就任。専攻は経済学史。

1982年肝臓癌のため横浜市戸塚区の病院で逝去。享年51。

著書[編集]

  • 『フランス重商主義論』未來社、1962年
  • 『市民革命と資本主義』未來社、1964年
  • 『異端の経済学者--シスモンディ』新評論、1974年
  • 『近代フランスの社会と経済』未來社、1975年
  • 『サン・シモン復興--思想史の淵から』未來社、1975年
  • (共編著)『経済学史』世界書院、1979年
  • 『フランス古典経済学研究--シモンド・ド・シスモンディの経済学』有斐閣、1982年

訳書[編集]

  • R・H・ヒルトン『封建制の危機』(武居良明と共訳)未來社、1956年
  • マルク・ブロック「中世末からフランス革命までの領主制と土地所有の変質」、『フランス農村史の基本性格』創文社、1959年
  • アンリ・ルフェーヴル『カール・マルクス--その思想形成史』ミネルヴァ書房、1960年
  • H・グロスマン「シスモンディの経済理論」1・2、『商経論叢』(神奈川大学)第10巻第1号(1974年)、第10巻第3・4号(1975年)
  • マキシミリアン・リュベル「もっとも弱い環--不均等発展の《法則》について」1-4、『未来』(未來社)、1974-75年
  • シスモンディ「経済学新原理」1-6、『商経論叢』(神奈川大学)第11巻第3・4号、第12巻第1、2号(1976年)、第12巻第3、4号(1977年)、『東京経大学会誌』第130号、1983年
  • マキシミリアン・リュベル『マルクスにおける経済学の形成』未來社、1977年

参考文献[編集]

  • 『東京経大学会誌』第130号(故吉田静一教授追悼号)、1983年3月。
  • 中村平八「弔辞〔故吉田静一教授〕」、神奈川大学『商経論叢』第19巻第1号、1983年10月。