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十字架のろくにん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
十字架のろくにん
ジャンル サスペンスホラー漫画猟奇作品
漫画
作者 中武士竜
出版社 講談社
掲載誌 別冊少年マガジン
マガジンポケット
レーベル KCデラックス
発表号 2020年4月号 - 2020年11月号
(別冊少年マガジン)
2020年11月12日 - 2025年12月25日
(マガジンポケット)
発表期間 2020年3月9日[1] - 2025年12月25日
巻数 全24巻
話数 全232話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

十字架のろくにん』(じゅうじかのろくにん、: Jūjika no Rokunin)は、中武士竜による日本漫画作品。

主人公の漆間俊が父方のおじいちゃんとともに、小学生のころ壮絶ないじめを被った至極京をはじめとした集団に復讐するサスペンス作品[2][3]

別冊少年マガジン』(講談社)2020年4月号より連載されたが[1]、第1巻の売り上げ部数が伸びず[4]、2020年11月号をもって同誌での連載が終了[5]。次いで『マガジンポケット』(同社)に移籍し[5]、2020年11月4日から2025年12月25日まで連載された。第2巻の電子書籍は同サイトのサスペンスジャンルにおいて高い売上を記録し、2021年3月時点での累計閲覧話数が1300万回を突破した[6]。2025年7月時点における累計部数は500万部を突破している[7]

あらすじ

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作中において章ごとの明確な区切りはないが、便宜上区別することとする。

第一章
小学生の漆間俊は、至極京をはじめ久我大地円比呂右代悠牙千光寺克美から日常的に壮絶ないじめを受け、地獄のような毎日を過ごしていた。あるとき、京の計画により、俊の両親が運転中に事故死、さらに弟の翔は植物状態に陥る。唯一の心の支えだった両親、いつも元気な弟を失った俊はおじいちゃんに引き取られ、至極らに「復讐」という怒りを覚えはじめる。かつて第二次世界大戦中の秘密部隊(北山部隊)所属だったおじいちゃんから徹底指導を受け、高校生となった俊は至極らへの復讐を誓う。
第二章
俊は至極以外の人物に復讐を果たすが、警察に身柄を拘束され懲役刑を言い渡される。出所後、記憶喪失状態の俊(原因は不明)は、川で死体遺棄を行っていた医者の北見高梧と偶然に出会う。俊と北見は川奈美々を加えた「ジュージカ」と名乗る団体で嘱託殺人を行うようになり、徐々に失った記憶を取り戻していく。

登場人物

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声の項は、YouTubeに投稿された本作のPV版の声優を指す。

漆間家

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漆間 俊(うるま しゅん)
声 - 内山昂輝[8]
本作の主人公[3]。明関高校に在学。誕生日は11月8日
小学5年生となった俊は「実験体A」というあだ名で呼ばれはじめ、至極を中心に殴る蹴る、エアガンなどによる暴行強姦を受け、肉体的・精神的に大きな傷を負う。小学6年生になり、いじめの事実を両親に打ち明けるが、両親は殺害され、弟は植物状態に陥ってしまう。
その後は父方のおじいちゃんに引き取られる。おじいちゃんの家の倉庫に隠されていた猟銃を手に至極らへの復讐を誓うが、おじいちゃんの制止にあう。俊の口から両親が亡くなった経緯をきいたおじいちゃんと共に冷酷非情な「復讐」を決意する。
高校では、一部から「ウルマン」というあだ名で呼ばれていた。高校のクラスメイトとなった久我から一方的にいじめられ、何も言い返さない俊は同級生から「ひ弱な生徒」という印象をもたれるが、秘密裏に復讐計画を進めていた。
漆間 翔(うるま かける)
俊の弟。
明るい性格で、捨て猫をなでるなど優しい一面ももつ。兄である俊を慕っている。彼がいじめについて知ったのは、幼稚園の年長組の時だった。車両が崖から転落後、かろうじて一命はとりとめたが、京による殴打と放火ののち植物状態に陥る。
おじいちゃん
俊の父方の祖父。
俊から「おじいちゃん」と呼ばれている。グリーンピースが嫌い。第二次世界大戦中に発足した日本の秘密部隊「呉鎮守府第百特別陸戦隊」通称「北山部隊」に所属していた。殺人や拷問、遺体の処理方法に詳しく、皮膚を剥いで神経を露出させる「剥き」や、筋肉の隙間から関節を外す「抜き」などの技を俊へ伝授した。左目に負った大きな傷が原因で息子夫婦から恐れられていた。

俊をいじめていたグループ

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至極 京(しごく きょう)
帝星高校に在学。「悪意」担当。
公務員の父と専業主婦の母との1人息子という平凡だが裕福な家庭に生まれ、「京ちゃん(さん)」のあだ名で親しまれる。166cm。中性的な容姿の美少年だが、俊をいじめていたグループのリーダー格であり、「どこまで追い詰めれば俊が自殺するか」という「実験」を繰り返し、俊を「実験体A」と呼んだ。穏やかな見た目とは裏腹に、殺人に対するためらいはない。また復讐者と化した漆間によって仲間たちが次々に殺害されても気に留めず放置するなど、極めて冷酷かつ残酷な人間性をもつ。高校には首席で合格し大学は医学部を目指している。
久我 大地(くが だいち)
明関高校に在学。「暴力」担当。
全国中学校柔道大会90kg超級で優勝。京とは最も古い仲。2本の角を模した髪型が特徴的。小学生のとき、俊を実験台にして習った柔道技を試していた。高校では、一年生でありながら明関高校柔道部を支配し、一方的な暴力や強姦を行っていた。
円 比呂(まどか ひろ)
帝星高校に在学。「パシリ」担当。
口癖は「ケヒャ」。至極に褒められれば靴でも舐める至極の狂信者。高校の学園祭で毒入り飲料を配布し、弱った白川要を強姦した。
右代 悠牙(うしろ ゆうが)
帝星高校に在学。「イケメン」担当。
母子家庭で育つ。その眉目秀麗な見た目で小学生のころから「ヤリチン」のレッテルを貼られる。中学生になり不良グループを率いていたが、桜庭花蓮と出会ったことで改心する。高校進学後に、恋人の花蓮が行方不明となり(実は右代が自宅に監禁していたとのちに発覚する)学校を休みがちになった。一方、裏では売春斡旋麻薬の密売などを行っている。
千光寺 克美(せんこうじ かつみ)
明関高校に在学。「おもちゃ」担当。

俊をいじめていたグループの関係者

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雁野(がんの)
東千鶴を強姦するために呼び出された右代の手下。中学2年生のとき、恐喝・強姦・殺人の罪で少年院に入っている。10代らしからぬ非常に大きい体格をもつ。

明関高校

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東 千鶴(あずま ちづる)
俊の同級生。帰宅途中に強姦魔から救ってくれた俊に好意を抱き、協力的な態度をとるようになる。
白川 要(しらかわ かなめ)
俊の同級生。校内におけるマドンナ的存在の美少女。
俊とは小学校時代の同級生でもある。俊の以前に至極らのいじめにあっていた被害者。自分をかばってくれた俊が新たないじめの標的となってしまい、俊を助けようとするも、転校が決まったためにかなわぬまま疎遠となった。高校で俊と再会し、自身がいじめられていた事実を打ち明け、俊を救えなかったことを謝罪するまで強い後悔と罪悪感にさいなまれていた。
白川 純(しらかわ じゅん)
要の兄。俊とは小学校時代の同級生。
杉崎 杏奈(すぎさき あんな)
高校2年生。バレーボール部に所属するポニーテールの女子生徒。
幼馴染みの黒澤をはじめとする男子から人気を集めている。実は至極の従姉(至極の母親が自身の母親の姉にあたる)であり、顔立ちが至極とよく似ている。
黒澤(くろさわ)
俊の同級生である男子生徒。幼馴染みの杏奈に好意を抱いているが、久我を恐れている。

帝星高校

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桜庭 花蓮(さくらば かれん)
中学3年生のとき、右代悠牙の熱烈なアプローチを受けて交際を始める。しかし、高校に進学すると右代に監禁され、情緒不安定状態に陥る。右代以外はこの事実を知らず、長らく「行方不明」とされていた。

警察関係者

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安西 全一(あんざい ぜんいち)
太田 朝子(おおた あさこ)
安西 瑞紀(あんざい みずき)

ジュージカ

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北見 高梧(きたみ こうご)
川奈 美々(かわな みみ)

革命倶楽部

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安堂 緑(あんどう みどり)
美外留(ミゲル)
百木 早苗(ももき さなえ)
能義 隆(のぎ たかし)

制作背景

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構想から連載まで

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中武は当初、「無人島で1人が30人に復讐していくストーリー」を構想。やがて、動機を作り人数を減少させることで「ただ復讐するだけではない要素を追加したい」と考えた。そんな折、山岡部隊を知り「部隊と復讐を組み合わせてリアリティを生み出せるのではないか」との発想に至り、短期間で一気にネームを仕上げたという。担当編集者は「僕が吐きそうになるほど凄惨な復讐シーンが中武君に描けるなら、この方向性でいけるかもしれない」と想定し、第1話の後に第2話ではなく、「ピーラーで千光寺の皮膚が剥かれる」という復讐回のネームを先に依頼[3]。それを見た担当編集者は「あまりの惨さに憂鬱な気持ち」になったが、「同時に『これなら上手くいく』」と根拠を深めた。その後、第2話制作中に担当編集者が『別冊少年マガジン』で行われた「あなたの絶望を描いてください」をテーマとした「絶望コンペ」を思い出す。同コンペにて、過去に通過した『進撃の巨人』(諫山創)以来およそ10年ぶりに本作が通過して話題となった[4]。中武は、コンペ通過後に連載が決定するまで「連載に対する不安はなかった」が、「漠然とドキドキして」いたと語っている[3]

連載の移籍

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中武によると、本作の第1巻は期待を込めて多めに刷られたが、売り上げは伸びなかったという[3]。ただし「マガジンポケット」では売り上げが良好だったことから、同媒体への移籍連載の話が持ち上がった[3]。担当編集者がその旨を中武に伝えたところ、即答で了承したため、翌月に移籍となった[3]

内容について

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中武は「どうしても話が暗くなりがちなので、出てくるだけで雰囲気を和らげるキャラクターは重要」であるとしている[3]。たとえば担当編集者のアドバイスにより誕生した千鶴について、「千鶴が登場するとストーリーが明るくなる」と語っている[3]

復讐や拷問の方法は、担当編集者との相談やアドバイス、拷問に関する書籍によって構想されている[3]。中武がお気に入りの拷問は「苦悩の梨」だという[3]

書誌情報

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出典

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  1. 1 2 “匂いをめぐるファンタジー&復讐描くサイコサスペンス、新鋭のW新連載が別マガで”. コミックナタリー. ナターシャ. 2020年3月9日. 2022年12月22日閲覧.
  2. 凄惨ないじめは、壮絶な復讐へ――『十字架のろくにん』漆間俊が行った“復讐”を“総復習””. マガジンポケット. 講談社 (2022年9月22日). 2022年12月22日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 凄惨さが連載の決め手! 『十字架のろくにん』中武士竜先生インタビュー”. マガジンポケット. 講談社 (2022年10月27日). 2022年12月22日閲覧。
  4. 1 2 十字架のろくにん:コミックス100万部突破 打ち切りの危機から大逆転”. MANTANWEB. MANTANWEB (2022年3月8日). 2022年10月31日閲覧。
  5. 1 2 “人間の血肉を糧に生きる“屍徒”になった少年を描く新連載「暁の屍狩」別マガで”. コミックナタリー. ナターシャ. 2020年10月9日. 2022年12月22日閲覧.
  6. “復讐サイコサスペンス「十字架のろくにん」最新話を除く全話が2日間限定無料公開”. コミックナタリー. ナターシャ. 2021年3月18日. 2022年12月22日閲覧.
  7. 中武士竜『十字架のろくにん』 21巻、講談社、2025年、帯。ISBN 978-4-06-539996-5
  8. “cv.内山昂輝『十字架のろくにん』公式PV 累計100万部突破!”. マガジンチャンネル. 2022年6月21日. 2022年12月18日閲覧.

書誌情報出典

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  1. “十字架のろくにん(1)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  2. “十字架のろくにん(2)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  3. “十字架のろくにん(3)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  4. “十字架のろくにん(4)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  5. “十字架のろくにん(5)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  6. “十字架のろくにん(6)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  7. “十字架のろくにん(7)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  8. “十字架のろくにん(8)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  9. “十字架のろくにん(9)”. KCデラックス. 講談社. 2022年12月22日閲覧.
  10. “十字架のろくにん(10)”. KCデラックス. 講談社. 2023年3月9日閲覧.
  11. “十字架のろくにん(11)”. KCデラックス. 講談社. 2023年6月8日閲覧.
  12. “十字架のろくにん(12)”. KCデラックス. 講談社. 2023年8月8日閲覧.
  13. “十字架のろくにん(13)”. KCデラックス. 講談社. 2023年12月7日閲覧.
  14. “十字架のろくにん(14)”. KCデラックス. 講談社. 2023年12月7日閲覧.
  15. “十字架のろくにん(15)”. KCデラックス. 講談社. 2024年5月9日閲覧.
  16. “十字架のろくにん(16)”. KCデラックス. 講談社. 2024年7月10日閲覧.
  17. “十字架のろくにん(17)”. KCデラックス. 講談社. 2024年9月9日閲覧.
  18. “十字架のろくにん(18)”. KCデラックス. 講談社. 2024年11月8日閲覧.
  19. “十字架のろくにん(19)”. KCデラックス. 講談社. 2025年1月8日閲覧.
  20. “十字架のろくにん(20)”. KCデラックス. 講談社. 2025年4月9日閲覧.
  21. “十字架のろくにん(21)”. KCデラックス. 講談社. 2025年7月9日閲覧.
  22. “十字架のろくにん(22)”. KCデラックス. 講談社. 2025年10月9日閲覧.
  23. “十字架のろくにん(23)”. KCデラックス. 講談社. 2026年1月8日閲覧.
  24. “十字架のろくにん(24)”. KCデラックス. 講談社. 2026年3月9日閲覧.