北カフカーズ軍管区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

北カフカーズ軍管区(きたカフカーズぐんかんく、ロシア語: Северо-кавказский военный округ、略称 СКВО)は、かつて存在したソ連軍ロシア連邦軍カフカース山脈北部地域(北カフカース)における軍管区統合部隊。軍管区本部は、ロストフ・ナ・ドヌに位置する。

軍管区および保管基地には、戦車600両、戦闘装甲車両1940両、火砲755門、戦闘ヘリ70機その他の兵器が装備されている。

歴史[ソースを編集]

戦前[ソースを編集]

北カフカーズ軍管区は1918年5月4日、人民委員会議令によりスタヴロポリ県黒海県ダゲスタン県ドン・コサック軍、クバン・コサック軍、テレク・コサック軍領域に設立された。同年10月3日、南部戦線革命会議令により、北カフカースの赤軍第11軍に改称された。

ロシア内戦時代、南部戦線にセミョーン・ブジョーンヌイ指揮下の第1騎兵軍が創設された。内戦後の1921年5月4日、カフカース戦線が廃止され、北カフカーズ軍管区が復活した。北カフカーズ軍管区本部はロストフ・ナ・ドヌに位置し、司令官にはクリメント・ヴォロシーロフが任命された。

1924年から1928年にかけて、北カフカーズ軍管区に軍事教育施設ネットワークが創設された。

第二次世界大戦[ソースを編集]

独ソ戦時、1941年5月-6月に北カフカーズ軍管区で編成された第19軍(軍司令官:イワン・コーネフ)が活躍した。同年6月末-7月初め、第50クバン師団(師団長:イッサ・プリーエフ大佐)と第53スタヴロポリ騎兵師団(師団長:K.メリニク准将)が編成された。7月後半、これらの部隊は西部戦線の編成下に入った。1941年11月のロストフ郊外での赤軍の反攻は、重要な政治・軍事的意義を有し、ドイツ軍が初めて敗北を喫した。同年11月29日、ロストフが解放された。

独ソ戦中、北カフカーズ軍管区は兵員養成の場として機能し、ノヴォチェルカッスクの高等騎兵課程、ロストフ、クラスノダールオルジョニキゼグロズヌイマハチカラマイコープブイナクスクの歩兵学校、アルマヴィル指揮要員完全化課程、ロストフの砲兵および軍事政治学校、クラスノダール高射砲兵学校、エイスクおよびクラスノダール軍事航空学校、クラスノダール、バタイスク、アルマヴィル、グロズヌイ、タガンログおよびナヒチェヴァン・ナ・ドヌの軍事航空学校は、現役将校を訓練した。

1942年後半から1943年前半、独ソ戦の主要舞台は北カフカーズ軍管区領域となり、スターリングラード攻防戦(1942年7月17日-1943年2月2日)とカフカースの戦い(1942年7月25日-1943年10月9日)が展開された。特に約200日間続いたスターリングラードの戦いは、第二次世界大戦の転回点ともなった。カフカーズの戦いでは、ドン川下流とクバン間のドイツ軍撃滅のために、A軍集団 (группа армий «А») が編成された。

1943年11月20日、北カフカーズ戦線と第56軍が解散され、それに基づき独立沿海軍 (Отдельная Приморская армия) が編成された。

戦後[ソースを編集]

1945年7月9日、北カフカース領域は平時編成に移り、ドン、スタヴロポリおよびクバンの3軍管区が創設された。ドン軍管区はロストフ、スターリングラードおよびアストラハン州に、スタヴロポリ軍管区はスタヴロポリ地方グロズネンスク州カバルダ・バルカル共和国および北オセチア共和国領域に、クバン軍管区はクラスノダール地方領域に位置した。1946年、ドン軍管区は、再び北カフカーズ軍管区に改称された。

1946年、軍管区領域にカプスチン・ヤール・ロケット演習場が建設され、1947年10月18日、最初の弾道弾発射実験が行われた。

1968年5月4日、ソ連軍創設50周年と関連して北カフカーズ軍管区に赤旗勲章が授与された。

2010年9月20日には南部軍管区へと改編された。

編成[ソースを編集]

北カフカーズ軍管区は1個軍と軍管区直轄部隊から成り、空軍の1個航空軍、鉄道軍の1個鉄道軍団が配属されている。また、グルジアアルメニアに駐屯する在ザカフカース・ロシア軍集団も管轄している。

第58軍[ソースを編集]

ウラジカフカスに軍本部を置く。

  • 第19独立自動車化狙撃旅団:旧第19自動車化狙撃師団第503自動車化狙撃連隊。スプートニク
  • 第136独立親衛自動車化狙撃旅団:ブイナクスク
  • 第205独立自動車化狙撃旅団:ブデンノフスク
  • 第4軍事基地:旧第19自動車化狙撃師団:ウラジカフカス
  • 第7軍事基地:旧第131独立自動車化狙撃旅団:マイコープ
  • 第200独立自動車化狙撃連隊:トロイツコエ
  • 第67高射ミサイル旅団:ヴォルゴグラード
  • 第1451ロケット大隊:プロフランドニー。9A52×4門、9R140×4門装備
  • 第11工兵連隊:カフカースカヤ
  • 第234独立通信連隊:ウラジカフカス
  • 第22独立電波電子戦連隊:ウラジカフカス
  • 第1542修理基地:プロフランドニー

在ザカフカース・ロシア軍集団[ソースを編集]

軍管区直轄部隊[ソースを編集]

  • 第4軍事基地:旧第19自動車化狙撃師団第693自動車化狙撃連隊。ツヒンヴァリ
  • 第7軍事基地:旧第131独立自動車化狙撃旅団。オチャンチル
  • 第8独立親衛自動車化狙撃旅団:旧第2親衛自動車化狙撃師団。シャリ
  • 第17独立親衛自動車化狙撃旅団:旧第42親衛自動車化狙撃師団。ボルゾイ
  • 第18独立親衛自動車化狙撃旅団:旧第42親衛自動車化狙撃師団。ハンカラ
  • 第20独立親衛自動車化狙撃旅団:旧第20親衛自動車化狙撃師団:ヴォルゴグラード
  • 第33独立自動車化狙撃旅団:ボトリフ。山岳歩兵
  • 第34独立自動車化狙撃旅団:ゼレンチュクスカヤ。山岳歩兵
  • 第56独立親衛空中襲撃旅団:カムィシン
  • 第10独立特殊任務旅団:モリキノ。スペツナズ
  • 第22独立親衛特殊任務旅団:アクサイ。スペツナズ
  • 第100独立偵察旅団:モズドク。実験部隊
  • 第114ロケット旅団:カプスチン・ヤール。トーチカ装備
  • 第1親衛ロケット旅団:クラスノダール。トーチカ装備
  • 第102高射ミサイル旅団:クラスノダール。ブーク装備
  • 第179高射ミサイル旅団:エイスク。ブーク装備
  • 第814高射ミサイル連隊:クロポトキン
  • 第227砲兵旅団:スラヴャンスク・ナ・クバニ。2S5×48門装備
  • 第291砲兵旅団:マイコプ。2A65×48門装備
  • 第439ロケット旅団:カプスチン・ヤール。9A52×12門、ウラガン×21門装備
  • 第943ロケット連隊:クラスノオクチャブリスキー。ウラガン×36門装備
  • 第264対戦車砲連隊:オクチャブリスキー
  • 第1128対戦車砲連隊:マイコプ
  • 第173架橋旅団:カーメンスク・シャフチョールスキー
  • 第120架橋連隊:カーメンスク・シャフチョールスキー
  • 第175独立通信旅団:アクサイ
  • 第206独立通信連隊:ゼルノグラード
  • 第91独立通信連隊:クラスノダール
  • 第71独立電波電子戦連隊:コヴァレフカ
  • 第131独立電波技術旅団:ロストフ
  • 第154独立電波技術旅団:モスコフスコエ
  • 第170独立電波技術大隊:クラスノダール
  • 第21放射線・化学・生物学防護旅団:カミシン
  • 第176領域通信旅団:ノヴォチェルカッスク
  • 第424独立通信大隊:ノヴォチェルカッスク
  • 第860独立火炎放射大隊:オクチャブリスキー
  • 第744砲兵保管所:ノヴォチェルカッスク
  • 第763保管所:モリキノ

ロシア空軍[ソースを編集]

ロシア鉄道軍[ソースを編集]

  • 第76鉄道軍団:ヴォルゴグラード

準軍隊[ソースを編集]

戦時には、軍管区内に駐屯する他省庁の軍事組織も作戦統制下に置く。

歴代司令官[ソースを編集]

北カフカーズ軍管区司令官
職名 氏名 階級 在任期間 出身校 前職
司令官 ゲンナジー・トロシェフ 大将 2000.5-2002.12 カザン高等指揮戦車学校 北カフカーズ軍管区第一副司令官
司令官 ウラジーミル・ボルドゥイレフ 上級大将 2002.12- モスクワ高等諸兵科共通指揮学校 シベリア軍管区司令官
司令官 アレクサンドル・バラノフ 上級大将 2004.7- タシケント高等諸兵科共通指揮学校 沿ヴォルガ・ウラル軍管区司令官
司令官 アレクサンドル・ガルキン 中将 2010.1.11- オルジョニキゼ高等諸兵科共通指揮学校 シベリア軍管区参謀長

脚注[ソースを編集]

関連項目[ソースを編集]