第56独立親衛空中襲撃旅団 (ロシア陸軍)

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第56独立親衛空中襲撃旅団
創設 1979年
再編成 2009年
所属政体 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦ロシアの旗 ロシア
所属組織 ロシア空挺軍ロシア陸軍→ロシア空挺軍
部隊編制単位 旅団
兵科 空挺兵
兵種/任務/特性 空中襲撃
通称号/略称 軍部隊74507
最終位置 カムィシン
主な戦歴 第二次世界大戦
アフガニスタン侵攻
第1次チェチェン戦争
第2次チェチェン戦争
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第56独立親衛空中襲撃旅団56-я отдельная гвардейская десантно-штурмовая бригада;略称56 гв.одшбр)は、ロシア空挺軍の旅団級空挺部隊である。

歴史[編集]

第16親衛空挺師団(第106親衛狙撃師団)中の第351親衛狙撃連隊を母体とする。

第二次世界大戦[編集]

  • 1943年6月11日:モスクワ軍管区において、第7独立親衛空挺旅団編成。第4ウクライナ戦線に配属
  • 1943年12月:モスクワ軍管区に配属
  • 1944年1月15日:第4、第7、第17独立親衛空挺旅団に基づき、第16親衛空挺師団編成
  • 1944年8月:モギリョフ州スタールィエ・ドローギに移り、第38親衛空挺軍団に編入
  • 1944年10月:第38親衛空挺軍団が独立親衛空挺軍に編入
  • 1944年12月:独立親衛空挺軍が第9親衛軍に改編され、第16親衛空挺師団も第106親衛狙撃師団に改編された。
  • 1945年3月~4月:ウィーン攻勢に参加。3月29日、ブダペスト南西部の敵撃破とモル市奪取の功績に対して、師団に二等クトゥーゾフ勲章授与。4月26日、ウィーン奪取の功績に対して、師団に赤旗勲章授与
  • 1945年5月:プラハ攻勢作戦に参加

戦後[編集]

  • 1945年5月~1946年1月:ブダペスト南部に駐屯
  • 1946年6月:第106親衛狙撃師団が第106親衛空挺師団に改編
  • 1946年7月:ツーラに駐屯
  • 1947年12月3日:師団に親衛軍旗授与
  • 1956年:師団が空挺軍司令官直轄部隊となる。
  • 1955年:クタイシ市近郊で空挺降下実施
  • 1957年:ユーゴスラビアインドの軍事代表団のために模範空挺降下演習を実施
  • 1960年6月~11月:第351パラシュート降下連隊は、第106師団の編成から外され、第105親衛空挺師団に編入された。
  • 1961年:タシケント地震に災害派遣
  • 1974年:トルケスタン軍管区の演習に参加し、空挺降下を実施
  • 1979年8月~12月:第105親衛空挺師団が解散され、第351親衛パラシュート降下連隊に基づき、第56独立親衛空中襲撃旅団編成

アフガニスタン侵攻[編集]

  • 1979年12月:旅団は、ウズベク・ソビエト社会主義共和国のテルメーズに移動し、第40軍に編入。12月25日、第4大隊がサラング峠の守備に回り、第1、第2大隊がヘリでクンドゥスに機動した。
  • 1980年1月:全旅団が投入され、クンドゥスに駐屯
  • 1981年12月~1988年5月:ガルデスに駐屯
  • 1984年:トルケスタン軍管区の持ち回り赤旗が授与される。
  • 1986年:一等祖国勲章授与
  • 1987年12月~1988年1月:「マギストラリ」(幹線)作戦に参加
  • 1988年4月:「バリエル」(バリアー)作戦に参加
  • 1988年5月:トルクメン・ソビエト社会主義共和国のイオロタニ市に撤収

アフガン戦争中、旅団からはソ連邦英雄S.コズロフ上級中尉が輩出した。

ソ連末期[編集]

ロシア連邦[編集]

  • 1992年:ソ連崩壊に伴い、ロストフ州ヴォルゴドンスク郊外のポドゴルィに移動
  • 1992年:国防省の持ち回り軍旗を授与
  • 1994年12月~1996年10月:混成大隊を第1次チェチェン戦争に派遣
  • 1995年12月26日:旅団は、ロシア空挺軍から外され、北カフカーズ軍管区直轄部隊となる。
  • 1997年:旅団は第56親衛空中襲撃連隊に改編され、第20親衛自動車化狙撃師団に配属された。
  • 1998年7月:ヴォルゴグラード州カムィシンに移動
  • 1999年8月:第20親衛自動車化狙撃師団の増強のため、空中襲撃支隊をダゲスタンに派遣
  • 1999年12月:ロシア国境軍と共に、ロシア・グルジア国境の警備に就く。
  • 2009年5月1日:再度第56独立親衛空中襲撃旅団に改編される。
  • 2013年11月:再び空挺軍の隷下とされた[1]
  • 2021年12月1日:クリミアフェオドシヤに移動[2]
  • 2022年ロシアのウクライナ侵攻に参加。

ロシア連邦時代、旅団からは、3人のロシア連邦英雄が輩出している。

編制[編集]

  • パラシュート降下大隊
  • 2個空中襲撃大隊
  • 迫撃砲中隊
  • 高射ミサイル大隊
  • 対戦車中隊
  • 偵察中隊
  • 通信中隊
  • 工兵中隊
  • 降下保障中隊
  • 自動車中隊
  • 衛生中隊
  • 修理中隊
  • 物資保障中隊
  • 放射線・化学・生物学防護中隊
  • 統制小隊:砲兵部長の指揮
  • 警備小隊

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 平成27年版防衛白書 第1章第4節
  2. ^ Козаченко, Алексей (2021年12月1日). “Допрыгались. Россия усилила военную группировку в Крыму полком ВДВ” (ロシア語). AiF. 2022年8月27日閲覧。