元曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

元曲(げんきょく)とは、元代に隆盛した雑劇散曲を総称したもの。ともに当時、北方で流行した曲調である北曲を用いた。

元代、この両者において優れた作家・作品がたくさん現れ、この時代の文学を代表するほどであったので、漢文唐詩宋詞・元曲というように他の時代の文学とともに顕彰された。とりわけ雑劇の方で優れた業績があり、元雑劇(元人雑劇)は雑劇の代表とされる。

元雑劇[編集]

元の雑劇は「折」と呼ばれる幕から構成される。通常ひとつの劇は4折から構成される(まれに5折、ごく例外的に6折)。ほかに「楔子」(せっし)と呼ばれる序に相当する部分が加わることも多い。

劇の登場人物は「末」(男性)、「浄」(男性の乱暴者や悪役)、「旦」(女性)、「外」(老人)などの役柄がある。原則として歌うのはひとりだけである。

劇の題材は古来の有名な物語に取材したものが多いが、原作から大幅に話が変わっているものが多い。また、語り物や歌い物を演劇に仕立て直した作品も多い。

ほとんどの劇はハッピーエンドで終わる。有名な『竇娥冤』『漢宮秋』などは例外的に悲劇である。

元代のテクストがそのまま残っているものは例外的で、現存する雑劇のほとんどは明代の修正を経ている。元雑劇の選集でとくに有名なのは17世紀はじめの臧懋循『元曲選』(元人百種曲)であり、この選集は(『西廂記』以外の)代表的な作品を含んでいて、芸術性も高く、かつ読みやすく整っているが、他のテクストとは文章が異なっていることが多く、元時代のオリジナルからは離れていると考えられる。

押韻[編集]

元曲で使われる(曲韻)は詩韻とは異なっており、当時の北方方言の発音で押韻した。周徳清が当時の北曲に基づき『中原音韻』という韻書を作っている。この書は19韻からなり、入声音韻変化により消滅したのを受けて他の平・上・去声に分けて入れられた。なお曲韻では声調の違いにかかわらず通韻するので、上・去2声に韻目は建てられていない。

著名な元曲作家[編集]

以上の4人は元曲の四大家とされる。

以上の2人を加えて六大家とすることもある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

全元曲” (中国語(繁体字)). 2012年1月25日閲覧。