交響曲第3番 (ロパルツ)

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交響曲第3番ホ長調は、フランスの作曲家ギィ・ロパルツが作曲した、独唱と混声合唱を伴う交響曲

作曲の経緯[編集]

ナンシー音楽院院長在任中の1905年に完成された。テキストはロパルツ自身によるものである。若い頃のある時期には詩人を目指していたロパルツの手によるテキストは非常に美しくまとめられており、人類と社会に対して強く呼びかけている。初演は1906年11月11日、ジョルジュ・マルティ指揮、パリ音楽院管弦楽団により行われた。

編成[編集]

フルート3、オーボエ3、クラリネット3、ファゴット3、ホルン4、トランペット3、トロンボーン4、シンバルハープ2、シンバル大太鼓弦五部、独唱4(ソプラノアルトテノールバス

構成[編集]

3楽章形式を採用しており、全ての楽章に独唱と合唱が加わる。合唱交響曲の傑作の一つといわれることも多い。師匠であるセザール・フランクと同様、第2楽章はアダージョ楽章とスケルツォ楽章の2つの役割を持っている。

第1楽章 Très lent - Assez animé[編集]

ホ長調。輝かしい夜明けの音楽。序奏では低弦のどっしりした響きの上で合唱が「夜が明け始める……」と歌い出す。弦楽器のフレーズに続いて再び合唱が登場し、太陽を象徴するモティーフが高まってくる。合唱が高らかに歌い、盛り上がって来た頂点で堂々と主部に突入する。輝かしい主題が全合奏で響き渡る。続いて少し穏やかな旋律が登場し、いくつかの自然描写のモティーフと絡み合いながら展開されてゆく。最後は熱狂的に盛り上がり、全合奏でホ長調主和音を強奏して終わる。演奏時間約13分。

第2楽章 Lent - Modérément - Très vif[編集]

ホ短調。「生きる理由を誰が説明できるのか?」という問いかけの音楽。低弦の重い響きで開始される。すぐに合唱が問いかける。続いて弦楽器の穏やかな伴奏の上でアルト・ソロが歌い出し、独唱と合唱も次々と加わってくる。弦楽器のフレーズを挟んで今度はテノール・ソロが歌う。再び厚い響きとなる。しばらくこの問いかけの音楽が続き、合唱が「人は人を踏みつける……」と悲痛に歌う。このフレーズの頂点で力強いスケルツォが始まる。細かく動き回る部分ののちに、やや速度を落としたコラール風のフレーズとなる。スケルツォとコラールが交互に現れる。スケルツォが最後の盛り上がりを見せ、弦楽器が潮が引いて行くかのように消えてゆく。演奏時間約20分。

第3楽章 Assez lent - Assez animé[編集]

ホ長調。「お互いに愛し合おうではないか!」という強い呼びかけの音楽。この楽章が、もっともテキストの文量が多い。低弦の響きに導かれて4人の独唱者が美しい四重唱を繰り広げる。オーケストラと独唱者が美しく対話する。オーケストラのみとなり、次第に盛り上がって来て一つの頂点をつくるが、静かになり、クラリネットの美しい独奏となる。再び静かに独唱者が歌い、合唱がようやく歌い出す。ゆったりとした、強い呼びかけと喜びに満ちた、それでいて穏やかさを失わない合唱。次第に速度を速め、盛り上がってくる。ホルンが美しい呼びかけを行い、ついに第1楽章の輝かしい主題が回帰する。合唱が初めてこの旋律を歌う。「おお、自然は今や喜びの……」と高らかに歌い、自然を賛美する。一度穏やかになるが、合唱はさらに立体的になり、最後の頂点を準備する。そして、ついに「そして太陽よ、赤々と輝け! 燃え上がるその光を、真実、正義、そして愛という理想の太陽の炎に重ねあわせるのだ!!」と高らかに歌い、第1楽章の主題が堂々と鳴り響いて終結する。演奏時間約23分。

録音[編集]

複数の録音が存在する。日本においてはおそらく下記のものがもっとも容易に入手できる。

参考文献[編集]

  • Guide de la musique symphonique, F.R. Tranchefort dir. éd.Fayard 1986, p.649