マリア・アンドレイチク
2019年8月のアンドレイチク | |||||||||||||||||||||||||||
個人情報 | |||||||||||||||||||||||||||
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フルネーム | Maria Magdalena Andrejczyk | ||||||||||||||||||||||||||
生誕 | 1996年3月9日(28歳) ポーランド、スヴァウキ[1] | ||||||||||||||||||||||||||
居住地 | ポーランド、セイニ[2] | ||||||||||||||||||||||||||
身長 | 174 cm (5 ft 9 in) | ||||||||||||||||||||||||||
体重 | 77 kg (170 lb) | ||||||||||||||||||||||||||
ウェブサイト | Maria-Andrejczyk.com | ||||||||||||||||||||||||||
スポーツ | |||||||||||||||||||||||||||
競技 | 陸上競技 | ||||||||||||||||||||||||||
種目 | やり投 | ||||||||||||||||||||||||||
クラブ | LUKS Hańcza Suwałki | ||||||||||||||||||||||||||
パートナー | Marcin Rosengarten(2018年 - ) | ||||||||||||||||||||||||||
担当コーチ | Karol Sikorski | ||||||||||||||||||||||||||
成績・タイトル | |||||||||||||||||||||||||||
自己ベスト | NR 71.40m(2021年) | ||||||||||||||||||||||||||
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最終更新日 2019-08-12 |
マリア・アンドレイチク(Maria Magdalena Andrejczyk、ポーランド語発音: [ˈmarja anˈdrɛjtʂɨk]、1996年3月9日- )は、やり投を専門とするポーランドの陸上競技選手で、オリンピックに2大会出場している。全年齢を対象としたポーランド選手権およびポーランド・ユース・オリンピックのメダリストである。
人物
[編集]アンドレイチクは2020年東京オリンピックのやり投で銀メダルを獲得し、ヨーロッパチーム選手権大会の2015年の優勝者である。アンドレイチクの自己ベスト記録は2021年の71.40mで、これはやり投のポーランド記録であるとともに、競技会での歴代世界3位のタイ記録である[3]。また、ジュニア世界記録(62.11cm、2015年8月1日、ポーランド・ツェトニエボ[4])保持者でもある。
経歴
[編集]生い立ち
[編集]アンドレイチクは1996年3月9日にポーランド、スヴァウキで生まれた[5]。マウゴジャタ(旧姓カルウォヴィチ、元・砲丸投げ選手)とトーマシュの娘であり、4人の兄弟がいる[6]。セイニ地区のククレで育った。小学校5年の時に、体育教師カロル・シコルスキ(Karol Sikorski)の指導の下で陸上競技のトレーニングを開始した[7]。2010年から2011年にかけて、セイニの第2中学校に通学している間に、地元の中学校の学生スポーツクラブの代表となり、最終学年のときにはハンチャ・スヴァウキ(Hańcza Suwałki)の選手となった。セイニの高校で学びながら、バレーボールの競技を陸上競技のトレーニングに組み合わせた[8]。2015年に高校の卒業試験に合格したのち、2016年にビャウィストク大学で英語文献学を学び始め[9]、一年後にはスヴァウキの国立高等教育学校の英語=ロシア語学(翻訳専門)に移り、2019年に卒業した[10][11]。
競技歴
[編集]2011年、キェルツェで開催されたジュニア選手権で金メダルを獲得し、ポーランド選手権の種目で初のメダルを獲得した[12]。初めて出場した国際大会は、2013年にドネツクで開催された2世界ユース陸上競技選手権大会で、決勝ステージに出場した[13]。一年後、ユージーンで開催された世界ジュニア陸上競技選手権大会で5位入賞を果たした[14][15]。2015年、北京での世界陸上競技選手権大会に出場したが、決勝には進めなかった。同年、エシルストゥーナでの競技会で、ヨーロッパジュニアチャンピオンとなった[16][17]。
2016年、シニアのポーランド選手権大会で1位となった[18]。同年7月、アムステルダムで開催されたヨーロッパ陸上競技選手権大会に出場したが、予選を13位で終わった(決勝進出には20cm不足していた[19][20])。
アンドレイチクはリオデジャネイロでの2016年オリンピックで代表になった。2016年8月16日、予選をポーランド記録の67.11mで勝ち抜き決勝に進んだ[21][22]。2日後に行われた決勝戦では4位に終わり、銅メダル争いではオリンピックで2回優勝しているチェコのバルボラ・シュポタコバに敗れ、4位に終わった[23]。
オリンピックの直後、アンドレイチクは疲労骨折した肩の手術を受けた[24]。第82回「ポーランド2016年ベスト10アスリート」投票では、「ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれまた。2017年の競技シーズンはリハビリのために欠場し、2018年6月に競技に復帰したが、ベルリンのヨーロッパチーム選手権大会では十分なフォームを作ることができず、ルブリンでのポーランド選手権大会で5位に終わった。2018年10月、骨肉腫と診断され、すぐに治療を受け、治癒した[25]。2019年8月23日、ポーランドのシニア選手権で59.00mのスコアで2度目の優勝を果たす[26]。翌シーズンには地元のブィドゴシュチュで開かれた欧州チーム選手権スーパーリーグで2位を獲得し、ドーハで開かれた世界陸上競技選手権大会の出場権を獲得したが、予選で敗退した[27]。
2021年5月9日、隔年で開催されたヨーロピアン・スローワーズ・カップでは、71.40を記録し、再びポーランドの記録を更新した。これは種目史上3番目の好成績であり、10年ぶりの好成績であった[28][29]。
2021年に開催された2020年東京オリンピック大会のやり投で銀メダルを獲得した[30]。
私生活
[編集]アンドレイチクは2018年からポーランド人トレーナーのマルチン・ローゼンガルテンと交際している[31]。
メダルの競売
[編集]2020年東京オリンピック大会のやり投で銀メダルを獲得したのちに、ポーランド国内の8歳児の手術費用を募るためにメダルを競売にかけた。競売はポーランドの企業が12万5000ドルで落札し、男児は手術を受けられることになった。一方、落札企業はメダルをアンドレイチクに返却する旨を表明した[32]。
競技記録
[編集]年 | 大会 | 会場 | 結果 | 種目 | 補足 |
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ポーランド代表として | |||||
2013 | 世界ユース陸上競技選手権大会 | ウクライナ、ドネツク | 26位(予選通過) | やり投(500g) | 45.14m |
2014 | 世界ジュニア陸上競技選手権大会 | アメリカ合衆国、ユージーン | 5位 | やり投 | 53.66 m |
2015 | ヨーロッパジュニア陸上競技選手権大会 | スウェーデン、エシルストゥーナ | 1位 | やり投 | 59.73m |
世界陸上競技選手権大会 | 中国、北京 | 28位(予選通過) | やり投 | 56.75m | |
2016 | ヨーロッパ陸上競技選手権大会 | オランダ、アムステルダム | 13位(予選通過) | やり投 | 57.93m |
オリンピック | ブラジル、リオデジャネイロ | 4位 | やり投 | 64.78m | |
2019 | 世界陸上競技選手権大会 | カタール、ドーハ | 22位(予選通過) | やり投 | 57.68m |
2021 | オリンピック | 日本、東京 | 2位 | やり投 | 64.61m |
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Polish 2016 Olympic team at the Polish Olympic Committee website
- ^ “Mieszkanka Sejn najlepszą oszczepniczką Europy” (Polish). suwalking.pl (2015年7月20日). 24 September 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月6日閲覧。
- ^ “Niesamowity rzut Marii Andrejczyk. Rekord Polski” (ポーランド語). 10 May 2021閲覧。
- ^ Adam Muśko (2015年9月1日). “Maria Andrejczyk z rekordem i minimum na mistrzostwa świata” (ポーランド語). sport.pl. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ “Polska Reprezentacja Olimpijska Rio 2016: Lekkoatletyka” (ポーランド語). olimpijski.pl. 2020年5月12日閲覧。
- ^ Helena Wysocka (2016-09-29) (ポーランド語), Maria Andrejczyk: Chcę być na szczycie, dokopać swoim rywalkom, Gazeta Współczesna, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (ポーランド語) Maria Andrejczyk (lekkoatletyka) – Kierunek Tokio, kierunektokio.pl, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Patryk Kurkowski (2016-09-06) (ポーランド語), Maria Andrejczyk w Rio podbiła serca kibiców. „Niektórzy prosili mamę o moją rękę” – WP SportoweFakty, sportowefakty.wp.pl, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (ポーランド語) Olimpijka z Rio de Janeiro Maria Andrejczyk rozpoczyna studia na UwB, Polskie Radio Białystok, (4 października 2016), オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (ポーランド語) Maria Andrejczyk przygotowuje się do nowego sezonu. Wywiad z oszczepniczką Hańczy Suwałki (zdjęcia, wideo), Gazeta Współczesna, (2018-11-21), オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Olgierd Kwiatkowski (2019-10-28) (ポーランド語), Ulubienica polskich kibiców: Za dużo łez nie było. Wszystko za mną, sport.interia.pl, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Tomasz Wieczorek (2 października 2011) (ポーランド語), Mały Memoriał Janusza Kusocińskiego – 2. dzień, pzla.pl, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (英語) Javelin Throw (500g) Summary 8th IAAF World Youth Championships, www.worldathletics.org, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (英語) Javelin Throw Series Result IAAF World Junior Championships 2014, www.worldathletics.org, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Maciej Jałoszyński (27 lipca 2014). “MŚJ Eugene 2014: 22.06 i Bukowiecki deklasuje rywali” (ポーランド語). pzla.pl. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ (英語) Competitions – European Athletics Championships – History – European Athletics, european-athletics.org, オリジナルの2016-10-02時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Maciej Jałoszyński (19 lipca 2015). “MEJ 2015: złote polskie rzuty w Eskilstunie” (ポーランド語). pzla.pl. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ Maciej Jałoszyński (2016年6月24日). “92. MPS: złota Swoboda, dalekie rzuty oszczepem” (ポーランド語). pzla.pl. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ (英語) Competitions – European Athletics Championships – History – European Athletics, european-athletics.org, オリジナルの2016-10-02時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ “ME W AMSTERDAMIE – dzień II: Karol pofrunął do finału” (ポーランド語). pzla.pl (2016年7月7日). 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ Parker Morse (2016年8月17日). “Report: women’s javelin qualifying – Rio 2016 Olympic Games” (英語). worldathletics.org. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ “RIO 2016 – dzień V: Genialna Majka!” (ポーランド語). pzla.pl (2016年8月17日). 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ rav (2016年8月19日). “RIO 2016 – dzień VII: pożegnanie Tomka, 2 centymetry Majki” (ポーランド語). pzla.pl. 2020年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ Kacper Bartosiak (2018-08-29) (ポーランド語), Maria Andrejczyk powraca. „Byłam w bardzo ciemnym miejscu…”, weszlo.com, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ Steve Landells (2020-05-11) (英語), Fuelled by a warrior spirit, quitting not an option for rising javelin star Andrejczyk, www.worldathletics.org, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ “Maria Andrejczyk mistrzynią Polski w rzucie oszczepem”. Strona internetowa Radia Zet. 2019年8月23日閲覧。
- ^ Maciej Jałoszyński (2019-09-30) (ポーランド語), MŚ Doha 2019 – dzień IV: piąte miejsce Kamili Lićwinko, pzla.pl, オリジナルの2020-05-12時点におけるアーカイブ。 2020年5月12日閲覧。
- ^ (ポーランド語) 71,40 – kosmos Marii Andrejczyk, Przegląd Sportowy, (2021-05-09) 2021年8月6日閲覧。
- ^ Telewizja Polska S.A (2021-05-09) (ポーランド語), Niewiarygodne! Andrejczyk centymetry od rekordu świata! [WIDEO], sport.tvp.pl 2021年8月6日閲覧。
- ^ https://olympics.com/tokyo-2020/olympic-games/en/results/athletics/result-women-s-javelin-throw-fnl-000100-.htm
- ^ “Dowiedzieliśmy się, kim jest partner Marii Andrejczyk. To wiele wyjaśnia” (ポーランド語). Sport SP (August 5, 2021). August 18, 2021閲覧。
- ^ “五輪銀メダリスト、男児の手術費用支援でメダル競売に 落札企業が返却”. CNN. (2021年8月20日)