ベンゾニトリル

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ベンゾニトリル
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モル質量 103.04 g/mol
CAS登録番号 100-47-0
密度 1.0 g/ml
溶解度 < 0.5 g/100 ml (22 ℃)
融点

−13 ℃

沸点

188 - 191 ℃

危険性
EU分類 有害(Xn)
EU Index 608-012-00-3
Rフレーズ R21/22
Sフレーズ (S2), S23
引火点 75 ℃
発火点 550 ℃
爆発限界 1.4–7.2%
RTECS番号 DI2450000
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ベンゾニトリル (benzonitrile) は、示性式がC6H5CN と表される芳香族化合物である。省略して PhCN とも書かれる。この化合物は無色透明の液体で、甘いアーモンド臭を持つ。ベンズアミド脱水反応か、ブロモベンゼンシアン化ナトリウムの反応で合成される。

性質[編集]

ベンゾニトリルは有用な溶媒で、多くの誘導体前駆体でもある。アミンと反応させると加水分解の後、N-置換ベンズアミドが生じる[1]。これに臭化フェニルマグネシウムを反応させ、続いて加水分解させるとジフェニルケトイミン Ph2C=NH(b.p. 151 ℃, 8 mm Hg)が生じる[2]

ベンゾニトリルは後期の遷移金属と配位錯体を作ることができる。ベンゾニトリル配位子は強い配位子によって容易に置換されるので、ベンゾニトリル錯体は合成中間体として便利である[3]

歴史[編集]

ベンゾニトリルは1844年ヘルマン・フェーリングによって発見された。彼は、安息香酸アンモニウムを分解するまで熱した。その分解生成物の1つがベンゾニトリルであった。既に知られていたギ酸からシアン化水素が生じる反応から彼はこの生成物の構造を決定できた。また、彼は"ベンゾニトリル"という新語を作ったことにより、ニトリル類の物質が「ニトリル」と呼ばれることとなった[4]

脚注[編集]

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  1. ^ Cooper, F.C.; Partridge, M. W. (1963), “N-Phenylbenzamidine”, Org. Synth., http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepContent.asp?prep=cv4p0769  Coll. Vol. 4: 769 .
  2. ^ Pickard, P. L.; Tolbert, T. L. (1973), “Diphenyl Ketimine”, Org. Synth., http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepContent.asp?prep=cv5p0520  Coll. Vol. 5: 520 .
  3. ^ Gordon K. Anderson, Minren Lin (1990). “Bis(Benzonitrile)Dichloro Complexes of Palladium and Platinum”. Inorganic Syntheses 28: 60–63. doi:10.1002/9780470132593.ch13. 
  4. ^ Hermann Fehling (1844). “Ueber die Zersetzung des benzoësauren Ammoniaks durch die Wärme”. Annalen der Chemie und Pharmacie 49 (1): 91–97. doi:10.1002/jlac.18440490106. 

外部リンク[編集]