ピーター・ガイ・マナーズ

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ピーター・ガイ・マナーズ
Peter Guy Manners
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生誕 1915年5月15日[注釈 1]
スペインの旗 スペイン
死没 (2009-08-21) 2009年8月21日(94歳没)[注釈 2]
不明
国籍 イギリスの旗 イギリス
研究分野 医学物理学
研究機関 オックスフォード大学附属病院、ブレットフォートンホール
出身校 オックスフォード大学ソルボンヌ大学、ハイデルベルグ大学
主な業績 サイマティクスの研究、音響振動療法の確立
影響を
受けた人物
ハンス・ジェニーハロルド・バー
主な受賞歴 The Academie Diplomatique de la Paix(1990年), The Bio-energetic Medicine's honorary certificate.
プロジェクト:人物伝
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ピーター・ガイ・マナーズ(Peter Guy Manners[1], 1915年5月15日[2] - 2009年8月21日[注釈 3][1] は、イギリスの自然医学者、電磁医学者。Sir Peter Guy Mannersとも記載される[3]。音響振動療法の第一人者、サイマティクス分野での研究が有名。

事績[編集]

サイマティクスへの関り[編集]

BRETFORTON HALL
閉鎖後のクリニックの正面玄関(2014年)

マナーズはオックスフォード大学に在学中に医学部の学位をわずか3年で取得し、その成績を評価されパリソルボンヌ大学へと留学をした。その後、オックスフォード大学で整骨学と電磁医療で博士の学位を取得し[4][5]、卒業後は大学付属の病院へ勤めるが、病院側と彼の「薬を使う治療法や外科的手術による治療法は病気を直したことにならず、音や光を使って健康にできる方法を研究したい」、という意見との確執により病院を去ることとなる[5]。またハイデルベルク大学へ移りサイマティクスを用いた医療を研究、多くの論文を執筆し博士の学位を取得[4][5][6]。さらに、世界で初めて未熟児黄疸治療青色光線を用いた[7]

新しい治療方法を見つける目的で世界中を旅する中で、さまざまな代替医療を知ることとなり、それらに刺激を受けて自然医学と磁気療法を専門にするようになった。この時に、彼はサイマティクスを創始したハンス・ジェニー生体電気工学の研究者であったハロルド・バーの研究に出会い、サイマティクスを用いた「音の治療的応用」の研究をし始めたそしてこれまでの研究結果を、音響振動療法(サイマセラピー、サイマティックセラピー)として名づけ形式化した[6][5]

1960年代、音響振動療法を用いた治療を実現するため、イギリスウスターシャー州ブレットフォートンのブレットフォートンホールに、アカデミー兼クリニックとしてブレットフォートンホールクリニック(メディカルアカデミー)を設立し、ここで最初の音による治療装置を開発し、音響振動療法による臨床と研究を繰り返し、その治療法の普及に努めた[8]

1990年、マナーズは彼の著作の一つである、全13巻からなる『Cymatic and Bioenergetic Medicin』を刊行した。

2005年、マナーズはクリニックを閉業した[4]。晩年は妻のドリーン(Doreen Manners[1])と共にコッツウォルズで暮らしていた[4]。クリニックのあった建物はイギリス指定建造物のGrade IIに指定されている[9]。また、日本のマナーズインターナショナル株式会社が設立したマナーズユニバーサルアカデミーがマナーズ博士が認定した世界で唯一の勉強の場所として運営されている[10]

代替医療への関り[編集]

1990年9月12日、彼の一連の研究への功績が認められ、スリランカに本部のある代替医療に関わる国際的な大学である、OIUCM(The Open International University for Complementary Medicines) からThe Academie Diplomatic de la paixを送られた[6]。これは、パスポートと一緒に提示することで、持ち主が国際的にその分野で卓越的に認められたリーダとしての認識を与えられる[注釈 4]。また、モスクワの生体エネルギー医学の名誉証明書を授与されているが、いずれも科学界では認められていない[6]。その他にも、Journal of Alternative & Complementary Medicineにおいて終身顧問を務めたほか、OIUCMのMedicine Alternativeの終身会員としても活躍した[7]

彼に関する記述の曖昧性[編集]

マナーズが研究した音響振動療法を用いた技術は、代替医療の一つとして世界で用いられていおり、インターネット上には彼に関する沢山のホームページが公開されている[注釈 5] 。しかしながら、その情報は注釈にもあるように出典に記載のページ含めて、表記揺れが激しい。(例えば、彼が生誕した西暦を1916年とするものや、没年を8月22日とするものがある。)

著作[編集]

彼の著作の一例を示す。詳しいものは外部リンク及び典拠管理のWorldCatより参照。

書籍
  • 『Cymatic and Bioenergetic Medicine』(出版:The Academy 1990年) 全13巻からなる書籍[11]
VHS
  • 『Cymatics therapy: the healing nature of sound』(出版:MACROmedia 1986年) 音響振動療法による慢性および急性の障害を治療するために開発した技術のいくつかを説明したもの[11]
  • 『Another way - another direction』(出版:The Bretforton Academy of Cymatic and Bio-energetic Medicine 1995年) マナーズ博士がクリニックで行った施術を記録したもの[11]

脚注[編集]

  1. ^ 生まれを1916年と記載するインターネットサイトもある。
  2. ^ 出典の7では享年を93歳と紹介している
  3. ^ 没年を8月22と記載のあるホームページがいくつかあるが、ここではインターネットサイトなどあるが出典1内の記述を採用した。
  4. ^ 出典4の動画内の文章の写しを参照。
  5. ^ その一例を外部リンクにURLとして記載している

出典[編集]

  1. ^ a b c Dr. Peter Guy Manners”. web.archive.org (2019年6月28日). 2022年1月9日閲覧。
  2. ^ 『マナーズ博士生誕100周年記念イベント。テーマは「人類愛」』”. 平田 彩友瑠(小百合)のブログ. 2022年1月9日閲覧。
  3. ^ マナーズインターナショナル株式会社 - マナーズ博士の紹介”. manners-assoc.com. 2022年1月9日閲覧。
  4. ^ a b c d (日本語) Tribute to Dr Peter Guy Manners, Cymatics Conference 2007, https://www.youtube.com/watch?v=lSICvircrnU 2022年1月9日閲覧。 
  5. ^ a b c d 音響療法の歴史”. マナーズインターナショナル株式会社. 2022年1月9日閲覧。
  6. ^ a b c d Masala, Daniele; Merolle, Valentina (2017-06-01). “The tuning fork and the " Soundtherapy "”. Senses and Sciences 4: 365–370. doi:10.14616/sands-2017-2-365370. https://www.researchgate.net/publication/317503571_The_tuning_fork_and_the_Soundtherapy. 
  7. ^ a b マナーズサウンド – KABUTO MUSIC Official Site”. 2022年1月9日閲覧。
  8. ^ (日本語) マナーズサウンドの歴史 マナーズ博士VTR, https://www.youtube.com/watch?v=qyLD3JhA7Ew 2022年1月9日閲覧。 
  9. ^ BRETFORTON HALL, Bretforton - 1081568 | Historic England” (英語). historicengland.org.uk. 2022年1月9日閲覧。
  10. ^ アカデミーの魅力 | マナーズ ユニバーサル アカデミー”. manners-school.jp (2020年9月10日). 2022年1月9日閲覧。
  11. ^ a b c Manners, Peter Guy [WorldCat Identities]”. 2022年1月10日閲覧。

外部リンク[編集]