ピカロネス

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ピカロネスの例
甘い蜜をかける

ピカロネススペイン語: picarones)は、ペルー菓子。単数形はピカロンスペイン語: picarón)であるが、購入される際には3個から4個単位で買われるため、複数形のピカロネスの呼称が一般的である[1]。ペルーの屋台スイーツの定番である[2]

ドーナツの一種であり、形状もドーナツに似る。小麦粉の代わりにカボチャサツマイモを用いるのが特徴である[1][2][3][4]

食べる際には黒くて甘い蜜をかけることが多い[2]

スペインの揚げ菓子ブニュエロが起源であり、小麦粉が高価であったことからカボチャやサツマイモを代替品に使用して作られるようになったものである[4]

本来はカボチャやサツマイモで作られるものであるが、ペルーではジャガイモで作ることもある[1]

チリ[編集]

2016年、チリの情報を世界に発信する「チリ・イメージ財団」は自身のFacebookページ「Marca Chile」においてピカロネスがチリ発祥の伝統菓子であるかのような投稿を行った[5]。記事の公開から数分後には、ペルーのネットユーザーからの反論と抗議が行われ、同記事は削除されることになった[5]

2014年にもFacebookページ「Amigos de Chile」において、ピカロネスの起源がチリであるかのように宣伝する素振りの投稿があり、他にもセビーチェカウサ英語版ススピロ・デ・リメーニャといったペルー料理をチリ発祥としようとしたことがある[5]

出典[編集]

  1. ^ a b c 「じゃがいも料理もいろいろ登場」『世界のじゃがいも料理: 南米ペルーからヨーロッパ、アジアへ。郷土色あふれる100のレシピ』誠文堂新光社、2015年、20頁。ISBN 978-4416615935 
  2. ^ a b c 「ペルー」『W25 世界のお菓子図鑑』地球の歩き方、2022年、110-111頁。ISBN 978-4059207184 
  3. ^ 「世界の軽食&おやつ」『W07 世界のグルメ図鑑 116の国と地域の名物料理を食の雑学とともに解説』地球の歩き方、2021年、191頁。ISBN 978-4059196228 
  4. ^ a b 「世界のドーナツ的揚げ菓子マップ。」『BRUTUS』、マガジンハウス、47頁。 
  5. ^ a b c チリ、ピカローネスを自国の菓子と宣伝し炎上”. KEIKOHARADA.com (2016年2月19日). 2023年7月16日閲覧。

外部リンク[編集]