パルマ・イル・ヴェッキオ

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パルマ・イル・ヴェッキオ『ヴィオランテ』(1520年頃)ウィーン美術史美術館

パルマ・イル・ヴェッキオPalma il Vecchio, 1480年 - 1528年7月)はイタリアヴェネツィア派画家。本名はヤコポ・パルマJacopo Palma)またはヤコポ・ネグレッティJacopo Negrettiヤコポ・ニグレッティJacopo Nigretti)といい、Palma il Vecchio(老パルマ)と呼ばれるのは、同名の甥の息子と区別するためで、甥の息子はパルマ・イル・ジョーヴァネen:Palma il Giovane, 若パルマ)と呼ばれている[1]

生涯[編集]

パルマはベルガモ近郊のセリーナに生まれた。16世紀のはじめ頃、ヴェネツィアに行き、評判によれば、ロレンツォ・ロットの仲間かつ競争相手となった。また、ティツィアーノの弟子に近い存在でもあった[2]。また、パルマの初期の作品を見ると、ジェンティーレ・ベリーニの影響も見られる。一方で、ボニファーツィオ・ヴェロネーゼ(en:Bonifazio Veronese)の師匠であり、ジョヴァンニ・ブッシ(en:Giovanni Busi)に影響を与えた。

作品[編集]

パルマの絵は色彩の豊かさに優れているものの、創意工夫や力強いデッサンに関してはあまり考慮されていない。

パルマの絵には、娘(と言われる)ヴィオランテを描いた絵が多い。ティツィアーノは彼女に夢中だったと言われている。パルマの作品で有名なものは、たとえば、ヴェネツィアのサンタ・マリア・フォルモーザ教会にある6つの絵がある。中央に死せるキリスト、その下に聖バルバラがいて、右から順に、聖ドミニコ、聖セバスティアヌス、洗礼者ヨハネ、聖アントニウスがいる。ドレスデン美術館アルテ・マイスター絵画館にある、戸外に座る3姉妹を描いた絵は、『三美神』という名前で知られている。1900年にヴェネツィアで発見された肖像画は、ヴォオランテを描いたものだと思われる。他には、

パルマ・イル・ヴェッキオ『ディアナとカリスト』(1525年)ウィーン、美術史美術館
  • 最後の晩餐(ヴェネツィア、サンタ・マリア・マテル・ドミニ教会)
  • 聖母(ヴェネツィア、サン・ステファーノ教会)
  • エピファニー(ミラノブレラ美術館
  • 若い羊飼いと聖家族(パリルーヴル美術館
  • 聖カタリナ、聖ヨハネ、寄進者と聖家族(ベオグラード、Beli Dvor)
  • 聖ステファノ他の聖者たち、キリスト、ナインの寡婦(ヴェネツィア、アカデミア美術館)
  • 聖母被昇天(ヴェネツィア、アカデミア美術館)
  • エマオのキリスト(フィレンツェパラッツォ・ピティ

といったものがある。

脚注[編集]

  1. ^ "Palma Vecchio". en:Catholic Encyclopedia (1913). New York: Robert Appleton Company.
  2. ^ Jacopo Palma - 1911 Encyclopedia Britannica