ハモ科

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ハモ科
ハモ Muraenesox cinereus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : カライワシ上目 Elopomorpha
: ウナギ目 Anguilliformes
亜目 : アナゴ亜目 Congroidei
: ハモ科 Muraenesocidae
英名
Pike congers
下位分類
本文参照

ハモ科(ハモか、学名Muraenesocidae)は、ウナギ目に所属する魚類の分類群の一つ。6属で構成され、ハモなど15種が所属する[1]。学名(模式属名)の由来はラテン語の「muraena(ウツボ)」と、カワカマス属を意味する「esox」を組み合わせたもの[2]

分布・生態[編集]

ハモ科の魚類は太平洋インド洋大西洋など、全世界の熱帯亜熱帯の海に広く分布し[1]、日本の近海からは3属4種が報告されている[3]海底の近くを遊泳して生活する底生魚のグループで、淡水汽水域に進出することもある[2]。沿岸から水深100mまでの範囲に生息する種類が多いが、ワタクズハモ属の5種は水深1,200mにまで分布する深海魚である[2]

ハモ属・シシハモ属の仲間はほとんどが食用魚として利用され、底引き網延縄などで漁獲される[2]

形態[編集]

ハモ科の仲間はウナギ類一般に共通する細長い円筒形の体をもち、最大で2.5mにまで成長する[2]。体表はを欠き滑らかで、(口先)は長く尖る[4]。眼は大きく、部分的に皮膚に覆われる[1]。口の後端は眼よりも後ろにあり、両顎(特に鋤骨)によく発達した犬歯を備える[4]

背鰭と臀鰭の基底は非常に長く、尾鰭と連続する[4]。胸鰭は大きく発達し、背鰭の起始部は胸鰭基底よりも前方に位置する[1]側線は明瞭で、椎骨は120-216個[1]

分類[編集]

ハモ科にはNelson(2016)の体系において6属15種が認められている[1]。本科はかつてアナゴ科の一亜科とされていたが[5]、現在では独立のとして扱われるようになっている。しかし、単一の分類群としての定義付けは不充分で、本科の類縁関係は依然として不明瞭であることが指摘されている[1]

ハモ料理。ハモスズハモをはじめとするハモ属・シシハモ属の仲間は世界各地で食用とされ、日本では高級食材として珍重される
シシハモC. savanna)。眼球の後方まで達する大きな口裂は本科魚類の特徴である

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.147
  2. ^ a b c d e Muraenesocidae”. FishBase. 2011年3月17日閲覧。
  3. ^ 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 pp.288, 1806
  4. ^ a b c 『日本の海水魚』 p.89
  5. ^ 『Fishes of the World Second Edition』 pp.109-111
  6. ^ シシハモ属(新称)(Cynoponticus”. 水産総合研究センター. 2016年4月9日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]