ノート:アニュテー

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訳語について[編集]

こちらの要約欄での利用者:Stella marisさんのコメントに返信します。まず「閨秀」という語ですが、原文が"female Homer"なので逐語的な訳語としては「女性のホメーロス」だと思います。「閨秀」は単に女性であるという以外に「学問・芸術などにすぐれた女性」という意味が入ってきてしまうので基本的には人を褒める時に使う言葉で、単に「女性」ということだけを言っている原文の翻訳としてはあまり良くないと思いますし、さらに敬称を禁止して中立的なトーンを推奨しているWikipedia:スタイルマニュアル_(人物伝)からすると、地の文で使うのもふさわしくないと言えると思います。また、閨秀作家というような言葉は性差別的であるという指摘もあるのでジェンダーPOV上もあまりよくない可能性がある上、正直なところ、今ではほとんど使わなくて死語に近いので(こんなコラムもあります)、若者だと意味がほぼわからないだろうと思います。このため「閨秀ホメーロス」はやめて「女性ホメーロス」などとすべきだと思います。

また、「古代ギリシア9女流詩人」を「古代ギリシアの九大女流詩人」に書き換えましたが、突然ひとつだけ半角数字が入っているのは非常に読みづらいと思ったためです。「古代ギリシアの9人の女流詩人」など、読みやすい書き方ならなんでもいいと思います。--さえぼー会話2020年7月14日 (火) 04:14 (UTC)[返信]

「閨秀ホメーロス」という訳について述べます。英語ではこれは、female Homer だったはずです。これをそのまま訳すと、「女ホメロス、女性ホメロス、女性のホメロス」となる。しかし、幾つかの理由があって、この訳語は使わない方がよいという判断になる。female Homer は英語版で使う場合は、これで問題ないと思うが、日本語に翻訳する場合は、考えなければならない問題がある。一つは、「女性ホメーロス」とはそもそも何なのか、意味が不明だということです。ところが、これが意味不明だとか、不審だと思わない人がどうも非常に多数いるように思える。それは、ホメーロスというのが、どういう存在なのか、西欧古典学の基盤がない日本では、よく分かっていない。ホメーロスとは何なのか。古代ギリシアに男性の詩人が多数いて、そのなかの最高の詩人、いわば「詩聖」とも称号するような存在がホメーロスなのか。そうすると、女性の詩人のなかの最高の詩人、いわば「女性詩聖」とも呼ぶ存在が、「女性のホメーロス」なのか。ところで、西欧古典学だと、こういう意味の「女性詩聖」の女性ホメーロスとは、ナンセンス極まりない言葉にしかならない。ホメーロスというのは、性別に関係なく、神にも等しい至高の詩人であって(つまり、男女含めて、最高の詩人)、女性のホメーロスなどというのは、意味が不明である。しかし、アニュテーはそう呼ばれたのではないのか。確かに、そう呼ぶ人、書いた人がいて、それはテッサロニケのアンティパトロスである。しかし、アンティパトロスがそう云っているだけで、古代ギリシアにおいて、そういう評価が一般にあった訳ではない。アンティパトロスがどういう意味でそう言ったのかも不明である。これと、「抒情詩人アニュテー」というのは対比的である。抒情詩人アニュテーは、誰がそう言ったとは書かれていない。これは複数の人がそう言及していて、古代ギリシアでは、ごく自然な呼称だったので、出典を示す必要もないのだと思える。--Stella maris会話2020年7月14日 (火) 09:41 (UTC)[返信]
英語で、female Homer とあるので、これを「女性ホメーロス」と訳すと、実は誤訳になる。日本の文化では、現在の状況では、これが「おかしい、不自然、不審」ということが自明ではない。(欧米では、西欧古典学は、伝統に深く根付いている)。アンティパトロスはどういう意図でこういう言葉を使ったのか。彼はアニュテーを高く評価し、称讃していた。これは疑いがない。そうすると、可能性として、彼はいくらか諧謔をこめて、こう呼んだのではないのか。とまれ、「女性ホメーロス」とか訳すと誤訳になる。英語の字面だけ見ると、そういう風に見えるが、この言葉には、日本語の「女性ホメーロス」のような意味はない。そうするとどう訳すのかで、「閨秀ホメーロス」が、相当に適訳だと思える。意味が分かりにくいならむしろそれは望ましい。意味を分かろうとして調べると、そこで一段階の思考が挟まれる。意味が分かる人でも、女性とは書かないで、閨秀と書いていることから、やはり一段階の考える時間が生じる。従って、私見ではこれが現在の文脈や記事において適訳だと思う。--Stella maris会話2020年7月14日 (火) 09:41 (UTC)[返信]
なお、「閨秀」が女性差別であるかないか、わたしは、言語の語彙、概念、表現の豊かさが文化の基盤でもあると思うので、このような問題には慎重でありたい。また、そのような議論をするために、わたしはウィキペディアに還ってきた訳ではないので、この話はここまでとします。--Stella maris会話2020年7月14日 (火) 09:41 (UTC)[返信]
アンティパトロスが諧謔の意味をもって、アニュテーを呼んだのなら、やはり「閨秀ホメーロス」が妥当な訳でしょう。アンティパトロスが、文芸は男のなすことで、アニュテーが男の詩人を超えて卓越した作品を書いているが故に、「女のホメーロス」と呼んだのなら、今度はこの状況で、アニュテーを「卓越した閨秀詩人」と述べていることになり、「閨秀」がまさに適訳になる。(アンティパトロスは古代ギリシア人で、その彼の言葉に女性を低く見る言葉があっても、むしろそれが自然である。これをニュートラルな「女性」にすべきだとかいうと、それは元の言葉の歪曲になる)。--Stella maris会話2020年7月14日 (火) 09:41 (UTC)[返信]
コメント エーリンナの記事からの流れで拝見しました。ギリシャ知識は全くありません。Stella marisさんの「閨秀」という訳は恐らく「閨秀詩人」という言葉が前提にあるのだと思うのですが、仮にたとえば「閨秀白秋」「女性白秋」と表記した場合のよく分からなさは同じだし、辞書で「閨秀」という言葉を調べたとしてもStella marisさんの意図する理解にたどり着くのは難しいという印象です。そこで第三の提案なのですが、嗜虐の意味がこもっているのなら「女ホメーロス」という訳はどうでしょうか? ぴったり来る例ではありませんが、「女メッシ」「女ヒトラー」など、字面で大体の意味はつかめるし、あまり格式ある表現ではないというニュアンスも出るんじゃないかと思います(ただ一点、「この言葉には直訳できないこれこれこういう意味がある」という主張は、出典がなければ厳密には独自研究なのでは? という疑問が多少あるのですが、何分門外漢のため、Stella marisさんとさえぼーさんの双方がご納得いくならよいかという気持ちです)。--Nano blocks会話2020年8月18日 (火) 15:18 (UTC)[返信]
こんにちは。述べられていることはもっともなことと考えます。ただ、「諧謔で」というのはわたしの推測です。アンティパトロスは、どうも大げさな賛辞を書くのが好きなようです。従って、彼は大真面目で、「女ホメーロス」と云ったのかも知れません。ただ、そんなことを云っている人は他にいないのです。また、古代ギリシアの女流詩人で、最高の詩人と誰もが認めているのは、サッポーです。プラトーンは詩のなかで、サッポーを「第十のムーサ」と述べていて、人間ではなく、神々(ムーサ、つまりミューズ女神)の一人だとも称讃しています。
わたしの思う処では、ウィキペディアに書かれていることは、思いのほかに影響力がある。特に、面白そうなことは、広まって行く。「女ホメーロス」とか「女性ホメーロス」というのは、分かりやすいだけでなく、面白い表現で、こういう言葉がこの記事を元に、広くひろがる可能性がある。言葉が勝手に一人歩きするということです。ここではノートで、そんなことを云っているのはアンティパトロスひとりで、他に聞いたことがない、という風に、限定的な特殊なケースだと説明できるのですが、言葉が一人歩きすると、どうしようもない。
言葉の一人歩きの例として、「三大処女神」というのがあります。こんな言葉は日本語にしかないと思う。「処女神」というのは、元の古代ギリシア語では、「パルテノス、Parthenos」です。パルテノスは、「未婚の女」というのが本来の意味です。ゼウス神は、アテーナー、アルテミス、ヘカテーの三女神は、結婚して夫をもたくともよい、パルテノスのままでよいと認めた。これが、処女である許可を得たと変えられている。「三大未婚女神」とでも云うのが正しいが、「三大処女神」の方が面白いためか、この言葉が氾濫している。
ホメーロスは古代ギリシア人は誰でも知っていた。子供や青年の教育に使う教材が、ホメーロスの詩からの抜き出しだった。兵士の心得も、司令官や指導者のあるべき姿も、道徳も、礼儀も、すべてホメーロスの詩を通じて学んだ。「ホメーロスにも比肩する」というのは、最高の褒め言葉として、他にも用例があります。ここは、「極めて優れた詩人だ」というように訳すのが正しいと思える。「女ホメーロス」だと違う意味である。しかし、この言葉は面白い。
(例えば、田中角栄は「今太閤」などとかつて呼ばれた。これは「何もない処から実力で政治家として最高位まで昇った」という意味で、角栄氏が「20世紀の豊臣秀吉」という意味ではない。日本人は、秀吉をよく知っているので、「今太閤」の意味が分かる。日本人はホメーロスがどういう存在か知らないが、名前だけは有名なので、「女ホメーロス」というと文字通りに受け取る。これは困るのです。……もう一つ例として、英語の古い言い方で、「彼は銀のスプーンを口にして生まれた」というのがあります。これは「彼は富貴の家に生まれた」という意味の暗喩表現です。昔は富貴な家の者は、銀の食器を使っていたので、こういう表現があるのです。しかしこれをそのまま訳すのは誤訳です)。長文すみません。--Stella maris会話2020年8月19日 (水) 18:47 (UTC)[返信]
出典によって「女性のホメロスなるアニュテ」「九柱の詩女神(ムーサ)」にしました[1]。--Jgmo30会話) 2020年8月31日 (月) 01:45 (UTC)--Jgmo30会話2020年8月31日 (月) 12:31 (UTC)[返信]