ノケモノと花嫁

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ノケモノと花嫁』(ノケモノとはなよめ)は、『少女革命ウテナ』の幾原邦彦が執筆する、ティーンズ向けのファッション雑誌KERA』2006年2月号から2007年9月号にて連載されていたロリータハードボイルド小説である(「第1部」と位置付けられている)。同誌では2007年9月号から「第2部」として『ノケモノと花嫁 THE MANGA』というタイトルの漫画版も連載されている。イラストと漫画は中村明日美子。ファッションは映画『下妻物語』の衣装協力を手がけた「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」。

エピソード[編集]

  • 本作を執筆する際に幾原は『少女革命ウテナ』の制作集団「ビーパパス」以来の新たな制作集団「クリエーターズ・モイ」を結成するが、未だに詳細は明らかにされていない。
  • 物語のテーマは虐待近親相姦トラウマで、中村曰く「暗い話」だという[1]
  • 漫画化の際、幾原は中村に「小説が明るい衣を纏った感じで」「小説通りにしなくて全然かまわない」とリクエストしたという[1]

物語[編集]

世羅ヒツジと羽熊塚イタルが駆け落ちをした。二人は運命の恋人同士であった。しかし、二人には世界の破滅を孕む過酷な運命が仕組まれていた。

登場人物[編集]

世羅ヒツジ(せら ひつじ)
おだんご頭の美少女。未成年。クマのイタルとは婚約中で、物語序盤で彼と駆け落ちするが、エイジと晶午に捕まって「燃えるキリン」の保護下におかれ、記憶が混乱してイタルのことを忘れてしまう。後にキグルミの中から現れたイタルの本当の姿を見たことで記憶を取り戻した。髪の毛はピンク色(小説版のイラストでは、回によって様々に変色する)。大人だけを死滅させるウイルスの検体である。
羽熊塚イタル(はぐまづか いたる)
縫い目のある謎のクマのキグルミ。ヒツジとカケオチ中も、「燃えるキリン」に追われ、ヒツジと離ればなれに。現在はまろにえ&みゆたんと行動をともにする。ストーリー後半で本当の姿が判明。本当の姿は全身つぎはぎだらけの少年で、カラダ(実体)がないらしい。
小説版のイラストでは手しか描かれていなかった。暗い地下室で、生きているうちに愛されなかった子供たちの死体を火葬していたところ、ヒツジと出会う。今まで愛されたことのなかったイタルはヒツジを愛するようになる。学生時代、ギンに「麒麟塚イタル」と名乗っていた。
兎河ギン(とがわ ぎん)
通称ウサギ。活動中は正装としてウサギの着ぐるみに身を包む車椅子に乗った優雅な少年。通り過ぎただけで女性が惚れてしまうほどの美少年。コドモの集団「燃えるキリン」の幹部。ヒツジの持つウイルスを利用し、オトナたちを殺そうと企む。ギンの母親は映画女優であったが、ギンを産んだために家庭にはいってしまった上に、夫に浮気され、心を病んでしまう。そのため、息子の「ギン」にひどい虐待をくわえていた。
栗鼠野アリス(りすの ありす)
いつもギンの側にいる、身の回りの世話をするメイド姿の少女。ギンに好意があるが、ギン以外の者には冷たく接する。エイジをマシンガンで瀕死状態にさせた。幼少時代、名字は「有栖川」と名乗っていた。
謎の神父
ヒツジとイタルが結婚式を挙げようとして訪れた教会の神父。長身の美男子だが、実はロリコン嗜好の趣味の持ち主。ヒツジを連れ去りいたずらしようとしたが失敗し、警官隊の襲撃によりハチノスにされ死亡。
市橋マリエ(いちはし まりえ)
通称まろにえ。髪の毛は黒で長髪。イタルに何らかの感情を持っている様子。
大倉ミユ(おおくら みゆ)
通称みゆたん。髪の色は金に近い茶色で短髪。突如何の伏線もなくトナカイと結婚し、イタルに突っ込まれる。
世羅晶午(せら しょうご)
ヒツジとイタルを監視し、ヒツジをイタルから引き離そうと追っていた。ヒツジの父で、髪の毛はヒツジと同じピンク色。科学者。大人でありながらコドモの集団「燃えるキリン」に所属しているが、理由は不明。現在はヒツジと行動をともにしている。自分を見下した社会を恨んでいる。また、娘の「ヒツジ」を異常なほどに可愛がる。
世羅真珠(せら しんじゅ)
ヒツジの母。作品世界では既に亡くなっている。世界一の美女と称される。
狼森エイジ(いぬもり えいじ)
世羅晶午と一緒に行動している。ギンより、ヒツジとイタルの確保の特命をうけ、ヒツジとイタルを追っていた。晶午とともに行動し、ヒツジの確保に成功。再度、イタルの確保に行動を開始。無口で、甘い物が好き。
トナカイ
「燃えるキリン」幹部。ギンに不審を抱きイタル・まろにえ・みゆたんと協力関係を築く。後に(フラグの描写無しで)みゆたんと結婚する。顔のモデルは原作者・幾原である。ギンによって「燃えるキリン」の業火で処刑された。
徳大寺零介(とくだいじ れいすけ)
警視庁公安部の警部。ヒツジを追っている。晶午とは大学の同級生だった。晶午が真珠を殺したのではないかと考えている。

設定・用語[編集]

燃えるキリン
コドモに仇なす大人に対抗するために作られた、コドモだけの組織。幹部の正装は動物のキグルミだが、エイジはあまり正装しない。各部隊の代表者が出席する「お茶会」と呼ばれる会議の多数決をもって、組織の行動を決定する。
まろにえ&みゆたん
あるときは謎の神父の教会で告解(犯した罪について、悔い改め、司祭に告白すること)を、あるときはナース姿でイタルをボンドで治療し、またある時はガールズユニット「魔女リカ魔女ルカ」にと多彩な活動をする。目的は不明で、いつも2人で行動している。やふぉくで怪しいものを売るのが趣味。半ば興味本位でイタルに協力する。(他の仲間を含む)自分たちをDQのパーティーに準えている。小説版に教会に登場した一人の少女をモデルにしている[1]
燃えるキリンの血
燃えるキリンに所属するコドモに流れる血で、大人に対する憎悪でできている。この血が流れる者は燃えるキリンの業火でしか殺すことができない。

脚注[編集]

  1. ^ a b c KERA2008年9月号より。

外部リンク[編集]