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ニシオンデンザメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニシオンデンザメ
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svg
Status iucn3.1 VU.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: ツノザメ目 Squaliformes
: オンデンザメ科 Somniosidae
: オンデンザメ属 Somniosus
: ニシオンデンザメ S. microcephalus
学名
Somniosus microcephalus
Bloch & Schneider, 1801
英名
Greenland Shark
Gurry shark
ニシオンデンザメの生息域

ニシオンデンザメ西隠田鮫学名: Somniosus microcephalus英語: Greenland shark)は、オンデンザメ科に属するサメの1種。

生息域

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北大西洋全域と、沿岸沖の大陸棚地帯に生息。英名が示すように、グリーンランド近辺の海域にも分布。

緯度が北の低水温の海水であれば、浅い海域にも浮上してくる。

特徴

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ニシオンデンザメの歯と顎。左上は上顎、左下が下顎の歯
イッカクと共に描かれたニシオンデンザメ。左は二シオンデンザメの目に付着している寄生虫。

ツノザメ目の最大種で、最大体長7.3メートルにもなる。体色は灰色。近縁種のオンデンザメと同じく深海性だが、エサを求めて浅海や河口付近にも上がってくるなど行動範囲は広い。

の歯は上顎に付いている歯がやや突き出て、下顎の歯がやや小さくなっている。吻部はやや前方に突き出る。体型はやや太めで横幅がある。

体の大きさに比べて、鰭と目はやや小さい。目に寄生性のカイアシ類をぶら下げている個体が存在する。視力は、寄生生物の影響や生息環境が過酷な条件であることから障害や退化性があると考えられてきたが、カリフォルニア大学アーバイン校の研究で、視力をほとんど失わずに保ち続けている可能性が示された[2]

同属のオンデンザメとは大きさや見た目などよく似ているが、オンデンザメは第1背鰭と第2背鰭との間の長さが吻端から第1鰓孔までの長さの3分の2であるのに対し、本種は第1背鰭と第2背鰭の間の長さが吻端から第1鰓孔までの長さとほぼ等しい[3]

既知の脊椎動物としては最も長寿であり、放射線年代測定法によって推定された最も高齢な個体は392±120歳(272~512歳)であった。また、メスの性成熟には約150年かかると推定されている[4][5]

生態

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が小さく、ズングリとした体型である。低温域に生息しているため筋収縮速度が遅く、泳ぐ速さは時速1km程度と、サメ類に限らず大型魚類の中でも極端に遅く[6]、「世界一のろい魚」とされる[7]。一方、食性は非常に多彩で、サケマスなどの魚類や底生性動物を主に捕食するが、大型の個体となると、アザラシを襲うようになることが胃の内容物から判明している。動きが遅いため、待ち伏せや不意討ちといった方法で捕食しているとされる。

貪欲で、エサになりそうなものであれば、何でも口に入れるようで、胃の中からトナカイホッキョクグマの骨が見つかった事例がある。しかし、死亡して漂流していた個体を食べた可能性も指摘される。

中には、船員の長靴や海に沈んだ人間の遺体が胃の中で発見された例もある。

人間との関わり

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熟成中のハカール(ハウカットル)。本種やウバザメの肉を発酵熟成させて作る。

体が大きく、貪欲な食性のため潜在的に危険なサメとされるが[8]、低温海水域に分布しているため、直接害に及ぶことはないとされる。

肉にはトリメチルアミン-N-オキシドが含まれており、加熱することで解毒される。肝臓肝油などに利用され、アイスランドでは発酵食品「ハカール (Hákarl) 」の素材にもなるため、北極海近辺では年間3万匹あまりが捕獲されている。

北方系原住民の人々は古くから本種を利用しており、疑似餌を丈夫なロープにくくりつけ、氷の下に巻き、そこで誘い出された個体を捕獲していた。

脚注

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  1. Kulka, D.W., Cotton, C.F., Anderson, B., Derrick, D., Herman, K. & Dulvy, N.K. (2020). “Somniosus microcephalus”. IUCN Red List of Threatened Species (英語). 2020 e.T60213A124452872. doi:10.2305/IUCN.UK.2020-3.RLTS.T60213A124452872.en. 2023年9月25日閲覧.{{cite journal2}}: CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ)
  2. Fogg, Lily G.; Tom, Emily; Policarpo, Maxime; Cho, William; Gao, Fangyuan; Hii, Doreen; Fawcett, Aaron E.; Boileau, Nicolas et al. (2026-01-05). “The visual system of the longest-living vertebrate, the Greenland shark” (英語). Nature Communications 17 (1): 39. doi:10.1038/s41467-025-67429-6. ISSN 2041-1723.
  3. 仲谷一宏 (2011). サメ-海の王者たち-. ブックマン社. pp. 153, 179. ISBN 4893087533
  4. Nielsen, Julius; Hedeholm, Rasmus B.; Heinemeier, Jan; Bushnell, Peter G.; Christiansen, Jørgen S.; Olsen, Jesper; Ramsey, Christopher Bronk; Brill, Richard W. et al. (2016). “Eye lens radiocarbon reveals centuries of longevity in the Greenland shark (Somniosus microcephalus)”. Science 353 (6300): 702–4. doi:10.1126/science.aaf1703. 非専門家向けの内容要旨  Sci News (Aug 12, 2016).
  5. The Strange and Gruesome Story of the Greenland Shark, the Longest-Living Vertebrate on Earth, The New Yorker, M. R. O’Connor, November 25, 2017. Retrieved November 27, 2017.
  6. 『北極海最強、でも遅いサメ=冷たい海中、時速1キロ-極地研など』 時事通信社 2012年6月9日
  7. 朝日新聞デジタル2012年7月5日閲覧
  8. アンドレア・フェッラーリ、アントネッラ・フェッラーリ『サメガイドブック―世界のサメ・エイ図鑑』谷内透 監修、御船淳 山本毅 翻訳、阪急コミュニケーションズ、2001年。ISBN 4484014122

関連項目

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外部リンク

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