ナメラ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナメラ属
タイリクシマヘビ Elaphe quatuorlineata
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: ナメラ属 Elaphe
Fitzinger, 1843

(下記参照)

ナメラ属(ナメラぞく、Elaphe)は、爬虫綱有鱗目ナミヘビ科に属する属。無毒。

分布[編集]

北アメリカ大陸ユーラシア大陸インドネシア日本台湾

日本に分布する種[編集]

シュウダアオダイショウジムグリシマヘビスジオナメラ

形態[編集]

全長50cmほどの小型種から3mを超える種までさまざまであり、生息環境もさまざまであるが、これらの共通点として、まず卵型ないしは方型の頭部が挙げられる。これは、鳥やその卵、齧歯類を中心とした中小型の哺乳類など、体に対して大型の獲物を食べるのに最も適した形で、大抵の種は鶏卵でもすんなりと飲み込める。また、シュウダのように体鱗にキール(筋状の盛り上がり)を有する種もいるが、多くの種では体鱗は滑らかである。「ナメラ」という名称もこの鱗の特徴(滑らかな甲羅の意味。甲羅=鱗と考えても差し支えない。また、「羅」の字は表面を意味することもある。)から名付けられた。

生態[編集]

森林草原などに生息する。主に地表性だが樹上に登るなど、立体的な活動を行う種もいる。

食性は動物食で、小型哺乳類鳥類やその卵、小型爬虫類、両生類などを食べる。食性は種や亜種、地域によっても異なり、日本に分布する種を例に挙げると、

  • アオダイショウ、スジオナメラ - 立体的な活動を行い、主に小型哺乳類や鳥類を食べる。アオダイショウの幼体は、爬虫類や両生類も食べる。
  • シュウダ - 基亜種はヘビを主に食べる。亜種ヨナグニシュウダは小型哺乳類、鳥類、爬虫類を食べる。
  • シマヘビ - 爬虫類、両生類を中心に鳥類の卵、小型哺乳類なども食べる。

などが挙げられる。毒は持たないので、獲物に身体を巻き付けて絞め殺してから、死体を注意深く調べ、頭から飲み込む。

繁殖形態はミズナメラ(この種は別名をコモチナメラといわれるだけあり、卵胎生である)を除いて、卵生である。

分類[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ 第7回 アメリカネズミヘビ」『クリーパー』第14号、クリーパー社、2002年、34-38頁。
  2. ^ a b c 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ 第12回 コーンスネーク、インディゴヘビサンゴ、ソリハナヘビ再訪」『クリーパー』第22号、クリーパー社、2004年、26頁。
  3. ^ 鳥羽通久 「スジオナメラの分類」『クリーパー』第27号、クリーパー社、2005年、94-96頁。

参考文献[編集]

  • Utiger et al,"Molecular systematics and phylogeny of Old and New World ratsnakes, Elaphe auct., and related genera (Reptilia, Squamata, Colubridae)." Russ. J. Herpetol,9,2002,105-124.

関連項目[編集]