ナミハリネズミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ナミハリネズミ
ナミハリネズミ
ナミハリネズミ Erinaceus europaeus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: Eulipotyphla
: ハリネズミ科 Erinaceidae
: ハリネズミ属 Erinaceus
: ナミハリネズミ
E. europaeus
学名
Erinaceus europaeus
Linnaeus, 1758[2]
和名
ナミハリネズミ[3]
英名
Western European hedgehog[1][4]

分布域

ナミハリネズミ[5](Erinaceus europaeus)は、哺乳綱Eulipotyphla目ハリネズミ科ハリネズミ属に分類される哺乳類。

分布[編集]

アイルランドイギリスイタリアエストニアオーストリアオランダクロアチアスイススウェーデンスロベニアチェコデンマークドイツノルウェーフィンランドフランスベルギーポーランドポルトガルロシア北西部[1]

形態[編集]

体長約20cm-30cmで、成体は体重600g(冬眠後)-1200g(冬眠前)である。オスはメスと比べて若干大きい。

生態[編集]

森林、農地や郊外に生息する。夜行性で、危険を感じるとボール状になり、表面のとげで捕食者から身を守る。

主に甲虫目・直翅目・膜翅目・鱗翅目・ゴキブリ類などの昆虫を食べ、小型哺乳類、卵、ヘビ類などの爬虫類、両生類、動物の死骸なども食べる[4]。捕食者はイヌ・アカギツネ・ヨーロッパアナグマ・フクロウ科・ヘビ類などが挙げられる[4]

妊娠期間は約35日[4]。野生下での寿命は6年以上に達することもあり、飼育下での寿命は10年以上に達する個体も多い[4]


スコットランドのアウター・ヘブリディーズでは、タシギハマシギアカアシシギタゲリ等の地面に巣を作る鳥の卵を食べてしまうため、深刻な害獣となっている。ニュージーランドでもヌリツヤマイマイウェタ等の固有種を食べてしまう害獣とされている。

人間との関係[編集]

古代ローマでは、食用とされることもあった[4]。血や内臓が、薬用になると信じられたこともあった[4]

交通事故によって死亡することはあるものの、絶滅のおそれは低いと考えられている[1]


2007年10月28日に発表された新しいイギリス生物多様性国家戦略で、ヨーロッパハリネズミは保存と保護が必要な種とされた[6][7]

デンマークでは、ハリネズミは法律によって保護されており[8]、捕獲や狩猟が禁止されているが、冬季に低体重のハリネズミを飼育することは認められている。庭付きの家に住む人はキャットフードでハリネズミをおびき寄せ、害虫駆除能力を利用することは推奨されている。

ブロンドハリネズミ[編集]

ブロンドハリネズミ

ブロンドハリネズミ劣性遺伝子が発現し、ビーズのような目、クリーム色のとげとなった珍しい個体であるが、厳密にはアルビノではない。チャンネル諸島オルダニー島以外では非常に珍しい。約1000匹に1匹存在すると考えられている。ノミを運ばないと言い伝えられており、島固有の変種となっている。

2006年6月に、Mammalian Genome Projectの一環としてBroad Instituteからゲノム配列が公開された[9]

出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d Amori, G. 2016. Erinaceus europaeus. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T29650A2791303. http://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T29650A2791303.en. Downloaded on 29 June 2019.
  2. ^ Rainer Hutterer, "Erinaceomorpha". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 212-219.
  3. ^ 川田伸一郎, 岩佐真宏, 福井大, 新宅勇太, 天野雅男, 下稲葉さやか, 樽創, 姉崎智子, 横畑泰志世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  4. ^ a b c d e f g Roberts, C. 2011. "Erinaceus europaeus" (On-line), Animal Diversity Web. Accessed June 29, 2019 at http://animaldiversity.org/accounts/Erinaceus_europaeus/
  5. ^ 翻訳文献にはErinaceus europaeusに「ヨーロッパハリネズミ」の訳語をあてるものがある。
    • Bexton, Steve; Nelson, Helen「ヨーロッパハリネズミ(Erinaceus europaeus)の皮膚糸状菌症に対する治療におけるイトラコナゾールとテルビナフィンの二つの全身性抗真菌薬の比較」『獣医皮膚科臨床』第27巻第1号、学窓社、2017年3月。
    • 「Erinaceus europaeus(ヨーロッパハリネズミ)」『驚くべき世界の野生動物生態図鑑』黒輪篤嗣訳、日東書院本社、2017年、156ページ。ISBN 978-4-528-02005-4
    また邦文文献でも、外国論文を引いてErinaceus europaeusに言及する際、ヨーロッパハリネズミの名で呼ぶものがある。

    このほか三輪恭嗣「ハリネズミ治療メソッド ④呼吸器疾患,循環器疾患」(『エキゾチック診療』第7巻第2号、2015年6月、112-116ページ)でも「ヨーロッパハリネズミ」の肺真菌症に言及している。

  6. ^ BBC NEWS, Hedgehogs join 'protection' list
  7. ^ BAP Terrestrial Mammal List[リンク切れ]
  8. ^ http://www.skovognatur.dk/DyrOgPlanter/Pattedyr/Insektaedere/Pindsvin.htm The Forest and Nature Department[リンク切れ]
  9. ^ Hedgehog”. Ensembl Genome Browser. 2007年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]