トルティーヤ・デ・レスコルド

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トルティーヤ・デ・レスコルド
Tortilla de rescoldo
トルティーヤ・デ・レスコルドを作る工程
種類 パン
発祥地 チリ[1] アルゼンチン
主な材料 小麦粉
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トルティーヤ・デ・レスコルド(Tortilla de rescoldo)は、チリ[1]及びアルゼンチン北部の伝統的なフラットブレッドである。しばしば種無しで、地元の旅行者によって作られる[1]。伝統的にキャンプファイヤー炭焼きにする[2]。住宅街や道路沿いでのストリートフードとしても一般的であり、パロミタス(小さなハト)と呼ばれる人々が販売する[2][3]

歴史[編集]

このパンはスペインの植民者に遡り、彼らはこれをpan subcinerarioのような旅行用携行食として用いた[4]

パロミタスとして知られる販売者は、通常全身白い服を着た女性で、特にAntihueやLaraqueteの街で、電車の駅やその他の公共の場所で販売した[4]

材料[編集]

通常、小麦粉食塩と、ラードバター、植物性ショートニング、あるいはこれらを組み合わせて用いる。炭酸水素ナトリウムパン酵母を加えるレシピもある。

作り方[編集]

材料を混ぜて柔らかいパン生地を作り、直径20cmから50cmの円盤状にする[4]。火の中から燃え残りの炭を集め、その上に直接置いて焼く[5]

バターや地元の調味料を添えて提供する[4]

風味[編集]

出来上がったトルティーヤは、煙や灰、炭の特徴的な強い風味を持つ[4]

種類[編集]

Antihueでは豚肉、Laraqueteでは現地の甲殻類であるchuchitaを入れたものが作られる[2][4]

規制[編集]

政府の安全規制により、伝統的なトルティーヤ・デ・レスコルドの販売は禁止されており、直火ではなくオーブンでの調理が義務付けられている。また、chuchitaを用いる際には酢漬けにしなければならない。どちらの規制も、従来の伝統的なトルティーヤ・デ・レスコルドの味や食感を大きく変えてしまうものである[4]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c Maria Baez Kijac (1 January 2003). The South American Table: The Flavor and Soul of Authentic Home Cooking from Patagonia to Rio de Janeiro, with 450 Recipes. Houghton Mifflin Harcourt. pp. 103–. ISBN 1-55832-248-5. https://books.google.com/books?id=NlbiiTfWoAsC&pg=PA103 
  2. ^ a b c Tortilla de rescoldo”. www.tasteatlas.com. 2023年1月10日閲覧。
  3. ^ Umaña-Murray, Mirtha (1996). Three generations of Chilean cuisine. Los Angeles: Lowell House. pp. 190. ISBN 1-56565-467-6. OCLC 35249500. https://www.worldcat.org/oclc/35249500 
  4. ^ a b c d e f g Tortilla de rescoldo - Arca del Gusto” (英語). Slow Food Foundation. 2023年1月10日閲覧。
  5. ^ Joelson, Daniel (2004). Tasting Chile : a celebration of authentic Chilean foods and wines. New York: Hippocrene Books. pp. 190–191. ISBN 0-7818-1028-0. OCLC 55940411. https://www.worldcat.org/oclc/55940411 

関連文献[編集]