テンダーロイン (映画)

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テンダーロイン
Tenderloin
劇場公開時のポスター
監督 マイケル・カーティス
脚本 エドワード・T・ロウ・ジュニア英語版
脚本翻案台本字幕
ジョセフ・ジャクソン英語版
(台本、字幕)
原案 "Melvin Crossman"
ダリル・F・ザナックの筆名)
出演者 ドロレス・コステロ
撮影 ハル・モール英語版
編集 ラルフ・ドーソン
製作会社 ワーナー・ブラザース
配給 ワーナー・ブラザース
公開
  • 1928年3月14日 (1928-03-14) (NYC)
  • 1928年3月28日 (1928-03-28) (US)
  • [1] ([1])
上映時間 85分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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テンダーロイン』(Tenderloin) は、アメリカ合衆国で制作された1928年の映画で、マイケル・カーティスが監督、ドロレス・コステロが主演した、パートトーキー英語版犯罪映画[2]。部分的にトーキー化されたパートトーキーであるが、サイレント映画とほとんど変わらず、場面に同期した音楽や音響効果がヴァイタフォンの音盤に収録されていた[3]。制作、配給はワーナー・ブラザースであった。『テンダーロイン』は失われた映画とされており、存在が知られるプリントは皆無である[1][4][5]

あらすじ[編集]

ローズ・シャノン(Rose Shannon:ドロレス・コステロ)は、ニューヨークマンハッタン区歓楽街テンダーロイン英語版地区の店「Kelly's」で働く踊り子で、この店を根城にしているギャング連中の中の若者チャック・ホワイト(Chuck White:コンラッド・ネーゲル英語版)に、遠くから想いを寄せている。チャックにとっての彼女は、ただの玩具にすぎない。ローズは事情を何も知らないまま、とある犯罪に巻き込まれる。警察は彼女に目をつけるが、ギャングたちは彼女が何かを目撃していたり、ギャングに関わる何かを暴露するのではないかと疑い、チャックを送って彼女の始末をさせようとする。

キャスト[編集]

主なキャストは以下の通り[1]

ヴァイタフォンによるプレミア公開時に併映された短編[編集]

『テンダーロイン』は、1928年3月14日ニューヨークのワーナー劇場でプレミア公開された。

題名
地獄のオルフェ』序曲 1927
ベニャミーノ・ジーリジュゼッペ・デ・ルカ英語版による二重唱、『真珠採り』第1幕より 1927
エイブ・ライマン英語版と彼のオーケストラ 1928
ザビア・クガートと彼のジゴロズ (his Gigolos) "A Spanish Ensemble” 1928
アデーレ・ローランド英語版 "Stories in Song" 1928

制作[編集]

『テンダーロイン』は、『ジャズ・シンガー』から5ヶ月後にワーナー・ブラザースが公開した、台詞のやりとりがある場面を含むヴァイタフォンを用いた2作目の長編映画であった。この映画には台詞のある場面が15分あり、ワーナーは女優が自分の声で台詞を言う最初の映画だと宣伝していた[6]。伝えられるところでは、プレミア公開に際してこの作品は、ギクシャクした台詞のやりとりが失笑を呼ぶことになってしまい、公開最初の週のうちに、4箇所あった台詞のある場面のうち2箇所が除去されたという[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c テンダーロイン - American Film Institute Catalog(英語)
  2. ^ The Library of Congress American Silent Feature Film Survival Catalog: Tenderloin
  3. ^ Progressive Silent Film List: Tenderloin at silentera.com
  4. ^ American Film Institute (1971) The American Film Institute Catalog Feature Films: 1921-30
  5. ^ Tenderloin at Arne Andersen's Lost Film Files
  6. ^ ジャズ・シンガー』では、アル・ジョルソンの演じる主人公が、ユージニー・ベッサラー英語版の演じる母親と会話する場面があり、ベッサラーの声も聞かれる。しかし、ヒロインを演じたメイ・マカヴォイをはじめ、若い女優たちの声は聞かれない。
  7. ^ "Notes" TCM.com

関連文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]