タクシー数

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n 番目のタクシー数(タクシーすう、taxicab number、Ta(n)もしくはTaxicab(n)と表記される)とは、2つの異なる立方数の和として n 通りに表される最小の正の整数と定義される。1954年ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディとエドワード・メートランド・ライトが全ての正の整数 n に対し、Ta(n)が存在することを示した。その証明を利用すれば「2つの異なる立方数の和として n 通りに表される正の整数」を見つけることはできる。ただしそれが最小の数であるかは保証されていないため、Ta(n)であるとは限らない。

なお、ここでの平方数は正の整数のみを考える。負の整数も含めるときは、キャブタクシー数と呼ばれる。

既知のタクシー数[編集]

現在までに以下の6つのタクシー数が知られている(オンライン整数列大辞典の数列 A011541参照)。

タクシー数の上限[編集]

以下の数字は7通り~12通りの2つの立方数の和で表せる数である。これらがタクシー数そのものである可能性はあるが、証明はされていない。つまり、Ta(7)からTa(12)の上限となる。

発見の歴史[編集]

ハーディ・ラマヌジャン数として知られるTa(2)は1657年にバーナード・フラン・ベッシー (enによって見出され、後に数学者ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディシュリニヴァーサ・ラマヌジャンのエピソードによって不滅のものとなった。ハーディによれば[1]

私は彼をパットニーの療養所に見舞ったことを覚えている。私はナンバーが1729のタクシーに乗り、その数は無味乾燥なもののように思え、それが不吉なことの前兆でないことを願っていた。しかし彼は「そんなことはありません、とても興味深い数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」と返した。

次のタクシー数は計算機を使って発見された。ジョン・リーチ (en1957年にTa(3)を発見した。1991年にはE・ローゼンスティール、J・A・ダーディス、C・R・ローゼンスティールがTa(4)を発見。J・A・ダーディスは1994年にTa(5)を発見し、1999年にデービッド・W・ウィルソンによって確認された[1][2]。Ta(6)はウーヴェ・ホラーバッハによって2008年3月9日にメーリングリストNMBRTHRYに発見が報告されたが[3]、これは2003年にClaude.etalによって99%の確率でTa(6)であろうとされていたものだった[4]2006年にはクリスチャン・ボワイエによってTa(7)からTa(12)までの上限が与えられた[5]

より制限をかけた形でのタクシー問題は、タクシー数がcubefreeである、つまり13以外の立方数で割り切れない場合である。 cubefreeなタクシー数TT = x3+y3と書かれるとき、全ての組(x, y)対して xy は互いに素である。先述したタクシー数の中では、Ta(1)とTa(2)だけがcubefreeなタクシー数である。3通りに表される最小のcubefreeなタクシー数は、1981年に大学院生だったポール・ボイタによって発見された(未発表)。これは以下の通りである。

15170835645
= 5173 + 24683
= 7093 + 24563
= 17333 + 21523.

4通りに表される最小のcubefreeなタクシー数は、2003年にダンカン・ムーアとスチュアート・ギャスコインによって独立に発見された。以下の通り。

1801049058342701083
= 922273 + 12165003
= 1366353 + 12161023
= 3419953 + 12076023
= 6002593 + 11658843.

オンライン整数列大辞典の数列 A080642参照)

脚注[編集]

  1. ^ Numbers Count column of Personal Computer World, page 610, Feb 1995
  2. ^ "The Fifth Taxicab Number is 48988659276962496" by David W. Wilson
  3. ^ NMBRTHRY Archives - March 2008 (#10) "The sixth taxicab number is 24153319581254312065344" by Uwe Hollerbach
  4. ^ C. S. Calude, E. Calude and M. J. Dinneen: What is the value of Taxicab(6)?, Journal of Universal Computer Science, Vol. 9 (2003), p. 1196-1203
  5. ^ "'New Upper Bounds for Taxicab and Cabtaxi Numbers" Christian Boyer, France, 2006-2008

参考文献[編集]

  • G. H. Hardy and E. M. Wright, An Introduction to the Theory of Numbers, 3rd ed., Oxford University Press, London & NY, 1954, Thm. 412.
  • J. Leech, Some Solutions of Diophantine Equations, Proc. Cambridge Phil. Soc. 53, 778-780, 1957.
  • E. Rosenstiel, J. A. Dardis and C. R. Rosenstiel, The four least solutions in distinct positive integers of the Diophantine equation s = x3 + y3 = z3 + w3 = u3 + v3 = m3 + n3, Bull. Inst. Math. Appl., 27(1991) 155-157; MR 92i:11134, online. 「Personal Computer World」1989年11月号も参照せよ。
  • David W. Wilson, The Fifth Taxicab Number is 48988659276962496, Journal of Integer Sequences, Vol. 2 (1999), online. (ウィルソンはこれを著した際、1994年にJ・A・ダーディスがTa(5)を発見していたことを認識していなかった)
  • D. J. Bernstein, Enumerating solutions to p(a) + q(b) = r(c) + s(d), Mathematics of Computation 70, 233 (2000), 389–394.
  • C. S. Calude, E. Calude and M. J. Dinneen: What is the value of Taxicab(6)?, Journal of Universal Computer Science, Vol. 9 (2003), p. 1196–1203

関連項目[編集]

外部リンク[編集]