スラッピー・ジョー

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スラッピー・ジョー(: sloppy joe)はサンドウィッチの一種である。日本語のカタカナ表記としてはスロッピー・ジョーもある[1]

挽肉タマネギトマトソース(またはケチャップ)、ウスターソースなどから作った料理。または、それを具材としてハンバーガーバンズで挟む料理。20世紀初頭にアメリカ合衆国で発祥した料理。アメリカでは子供に好きな食べ物を問うた場合に、スラッピー・ジョーはトップに挙がるほど人気がある[2]

2010年代には日本でも学校給食として供されるようになっている。2014年刈谷市教育委員会では、スラッピー・ジョーの説明として「パンにミートソースのような具をはさんで食べる料理」、「スラッピー・ジョーとは“なまけもののジョー”の意味」といった答弁がなされている[3]ハインツ日本のサイトで公開されているレシピでは、食べる際に具がこぼれ落ちることから「だらしない」の意味のsloppyの名前が付けられたとされている[1]

歴史[編集]

20世紀初頭にアメリカで発刊された料理の本には、スラッピー・ジョーと同様の料理が、以下のような名前で掲載されている。

  • Minced Beef Spanish Style[4]
  • Beef Mironton[5]
  • Hamburg a la Creole[6]
  • Chopped Meat Sandwiches[7]
  • Toasted Deviled Hamburgers[8]

ハインツ本社の消費者テストキッチンディレクターのマリリン・ブラウンは、1930年アイオワ州スーシティで「ジョー」という名前の料理人が "loose meat sandwich"という名前で作った料理がスラッピー・ジョーの発祥であるとしている[9]

スラッピー・ジョーの名称が広まったのは1940年代と考えられており、1944年のオハイオ州コショクトン郡コショクトン英語版の地元新聞『コショクトン・トリビューン英語版』にはスラッピー・ジョーを10セントで販売しているハンバーガーショップについての言及がある[10]

1960年代になると、コナグラ・フーズ英語版からマンウイッチ英語版ブランドで、フライパンで炒めた挽肉にからめる「スラッピー・ジョーの素」とも呼べる缶詰なども販売されるようになった。

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b スロッピージョー”. ハインツ日本. 2019年2月8日閲覧。
  2. ^ 『経済新語辞典』日本経済新聞社、1975年、230頁。 
  3. ^ 平成26年第9回刈谷市教育委員会定例会会議録” (PDF). 2017年1月20日閲覧。
  4. ^ Mrs. Rorer's New Cook Book, Sarah Tyson Rorer [1902] (p.157)
  5. ^ The New Butterick Cook Book, Flora Rose [1924] (p. 266)
  6. ^ Prudence Penny's Cookbook, [1939] (p.67)
  7. ^ Young America's Cook Book, Home Institute of the New York Herald Tribune [1940] (p. 36)
  8. ^ Good Housekeeping Cook Book, Katharine Fisher [1944] (p. 534)
  9. ^ Jean Anderson (1997). The American Century Cookbook: The Most Popular Recipes of the 20th Century. Clarkson Potter. ISBN 9780517705766 
  10. ^ “Good Things to Eat”. Coshocton Tribune: p. 11. (1944年10月29日). "Sloppy Joes' - 10c - Originated in Cuba - You'll ask for more - The Hamburg Shop"