スターツ出版文庫

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スターツ出版文庫(スターツしゅっぱんぶんこ)は、スターツ出版株式会社より2015年(平成27年)12月28日に創刊されたライト文芸[1]文庫レーベル。発売日は毎月28日。

キャッチコピーは、この1冊が、わたしを変える。

概要[編集]

スターツ出版株式会社(STARTS)では、これまでケータイ小説をメインとしたSTARTSの文庫ケータイ小説文庫(ピンクレーベル、ブルーレーベル、ブラックレーベル)[2]野いちご文庫、恋愛小説に特化した同じくSTARTSの文庫ベリーズ文庫マカロン文庫などを主に出版してきた。これらは野いちご[3]Berry's Cafeといった小説投稿サイトに投稿された人気作品を書籍化したもので、人気作家は書き下ろし小説を出版することもある。学園恋愛、オフィスラブを主なジャンルとして扱ってきたが、一般文芸寄りの作品がサイトに少数ではあるものの投稿されていることをきっかけに、本レーベル文庫の創設となった。前述したレーベルの読者はもちろん、一般文芸読者にも受け入れられる様々なジャンルの作品を取り揃えるように既刊数を重ねている。この戦略の一環としてSTARTSが主催する小説投稿コンテスト・スターツ出版文庫大賞は、野いちご、Berry's Cafeだけでなくエブリスタでも開催され、デビュー作家は増え続けている。2018年には大手小説投稿サイト・小説家になろうにも幅が広がり、小説家になろう×スターツ出版文庫大賞が開催され、当コンテスト受賞者6名がデビューすることが決定した。

一般文庫とは違い、表紙が現代風のイラストの用いたものが多く、本文の文字サイズは一般文庫に比べると大きく、フォントも形が違うものになっている。また、不定期でフェアが多数開催されている。

創刊ラインナップ[編集]

2015年(平成27年)12月28日、ケータイ小説文庫からデビューを果たした作家1名、エブリスタで話題となり野いちごにて定期連載後ケータイ小説文庫からデビューを果たした作家1名、ケータイ小説文庫からデビューを果たし2冊目を新装版として発刊することに決定した作家1名の計3作品で創刊された。

スターツ出版文庫大賞[編集]

スターツ出版主催[編集]

2016年(平成28年)に新設された賞。第1回から第3回にかけては野いちごBerry's Cafe、第4回からノベマ!にて募集している。

  • 第1回と第3回は部門形式なし。ただし、第1回「成長感×非日常×恋愛」、第3回は「希望と共感」というテーマが設けられた。
  • 第2回は「恋愛部門」「ほっこり人情部門」「フリーテーマ部門」の部門形式で開催。
  • 第4回は「青春恋愛部門」「ほっこり人情部門」「フリーテーマ部門」の部門形式で開催。
  • 第5回は「青春恋愛部門」「キャラクター文芸部門」「フリーテーマ部門」の部門形式で開催。
  • 第6回は「青春恋愛部門」「恋愛ファンタジー」「フリーテーマ部門」の部門形式で開催。
  • 第7回は「青春・恋愛部門」「あやかし・和風ファンタジー」「後宮ファンタジー」「フリーテーマ部門」の部門形式で開催。
受賞者 タイトル 刊行年月 備考
2016年(第1回)

大賞:十和
優秀賞:砂川雨路
優秀賞:梨木れいあ

笑って。僕の大好きなひと。
僕らの空は群青色
今日も君と、洗濯日和。

2016年12月
2017年2月
2017年1月

『笑って。僕の大好きなひと。』として刊行
『僕らの空は群青色』として刊行
『晴ヶ丘高校洗濯部!』として刊行

2017年(第2回)

恋愛部門賞:木村 咲
ほっこり人情部門賞:涙鳴
フリーテーマ部門賞:灰芭 まれ

まだ君のことは知らない
フカミ喫茶店のワケありアンティーク
鈴川くんが退学する

2017年12月
2017年11月
2018年1月

『僕の知らない、いつかの君へ』として刊行
『フカミ喫茶店の謎解きアンティーク』として刊行
『僕は明日、きみの心を叫ぶ。』として刊行

2018年(第3回)

大賞:Coconakid
優秀賞:たかはしえみ

トゲトゲじかけのサボテンは優しく君をハグしたい
昼休みが終わる前に。

2019年1月
2019年1月

『青い僕らは奇跡を抱きしめる』として刊行、著者名:木戸ここな
著書同名にて刊行、著者名:髙橋恵美

2019年(第4回)

大賞:該当作なし
優秀賞:小谷杏子
特別賞:hanami

該当作なし
透明なぼくらは、この結末を信じない
声にならないほど、声にしたい

該当作なし
2020年1月
未定


著書同名にて刊行
未刊行

2020年(第5回)

大賞:稲井田そう
優秀賞:皐月なおみ
特別賞:浅井ハル

この恋を殺しても、君だけは守りたかった。
山神あやかし保育園~園長先生は、イケメンの天狗です~
夏目七緒は、嘘つきだ。

2021年2月
2021年3月
未定

著書同名にて刊行
『山神様のあやかし保育園 強引な神様と妖こどもに翻弄されています』として刊行
未刊行

2021年(第6回)

大賞:該当作なし
優秀賞:まは。
優秀賞:浅井ハル
優秀賞:水瀬さら


君と僕の残り、363日
眠り姫は宇宙ロケットの夢を見る
青い風、君と駆ける


2022年1月
2022年3月
2022年4月


『君が僕にくれた余命363日』として刊行、著者名:月瀬まは
『太陽みたいに輝く君が、永遠の眠りにつくまで』として刊行
『青い風、きみと最後の夏』として刊行

2022年(第7回)

大賞:九条 蓮
優秀賞:該当作なし
優秀賞:結木あい

例えこの世界が君を拒絶したとしても、君と過ごしたあの夏は忘れない。
該当作なし
鵺の花贄

2023年4月
該当作なし
2023年3月

『夏の終わり、透明な君と恋をした』として刊行

『黒狼の花贄~運命の血を継ぐ少女~』として刊行

エブリスタ共同開催[編集]

2018年(平成30年)からエブリスタとの共同開催で、同サイトにて募集された。

  • 第1回と第2回は「恋愛部門」「ほっこり人情部門」の部門形式で開催。
  • 第3回は「青春部門」「キャラクター小説部門」の部門形式で開催。
  • 第4回は「青春恋愛部門」「キャラクター小説部門」の部門形式で開催。
受賞者 タイトル 刊行年月 備考
2017年(第1回)

恋愛部門:柊 永太(元:カイё)
恋愛部門:騎月孝弘
ほっこり人情部門:三坂しほ

月下の幻想
きみと見つめる、はじまりの景色
おまかせ満福ごはん

2018年5月
2018年4月
2018年3月

『月の輝く夜、僕は君を探してる』として刊行、著者名:柊永太
著書同名にて刊行
著書同名にて刊行

2018年(第2回)

恋愛部門:聖いつき
恋愛部門:aa
恋愛部門:RINO
ほっこり人情部門:楪 彩郁

僕が恋した図書館の幽霊
死にたがり春子さんのお悔やみ帳簿
僕は君と、本の世界で恋をした。
狭間世界の雑貨店~あなたの未練、解決します~

2019年9月
2019年5月
2019年6月
2019年5月

『僕が恋した図書館の幽霊』として刊行
『死にたがり春子さんが生まれ変わる日』として刊行、著者名:葦永青
『僕は君と、本の世界で恋をした。』として刊行、著者名:水沢理乃
『狭間雑貨店で最期の休日を』として刊行

2019年(第3回)

青春部門:此見えこ
キャラクター小説部門:該当作なし

きみが明日も生きてくれますように。

2020年8月

『きみが明日、この世界から消える前に』として刊行

2020年(第4回)

青春恋愛部門:茉白いと
キャラクター小説部門:該当作なし

夕暮れサーチライト

2021年9月

『30日後に死ぬ僕が、君に恋なんてしないはずだった』として刊行

小説家になろう共同開催[編集]

2018年(平成30年)に小説家になろうとの共同開催で、同サイトにて募集された。

受賞者 タイトル 刊行年月 備考
2018年

大賞:早迫佑記
青春恋愛部門:加賀美真也
ほっこり人情部門:日野祐希
ほっこり人情部門:御守いちる
フリーテーマ部門:貴堂水樹
特別賞:栗栖ひよ子

魔法が解けた、その後も
夢を叶えたその先で
秘密の神田堂 ~本の付喪神、直します~
あやかし思い出小料理店『白露庵』~過去に戻れる不思議な料理~
Voice -君の声だけが聴こえる-
菓子先輩のおいしいレシピ

2018年10月
2018年11月
2019年1月
2018年10月
2018年12月
2018年11月

『もう一度、君に恋をするまで。』として刊行
『それでも僕らは夢を描く』として刊行
『秘密の神田堂 本の神様、お直しします。』として刊行
『あやかし食堂の思い出料理帖~過去に戻れる噂の老舗「白露庵」~』として刊行
著書同名にて刊行
著書同名にて刊行

脚注[編集]

  1. ^ 野いちご・ケータイ小説文庫”. スターツ出版. 2020年2月27日閲覧。
  2. ^ ケータイ小説文庫 パープルレーベルは、2014年12月以降発売されていない。休刊・廃刊したと見られる。
  3. ^ 野いちごでは、ケータイ小説文庫、スターツ出版文庫の他に、野いちご文庫単行本が出版されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]