ジョフロイネコ
ジョフロイネコ | |||||||||||||||||||||||||||
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ジョフロイネコ Leopardus geoffroyi
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保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Leopardus geoffroyi (d'Orbigny & Gervais, 1844)[4][5] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ジェフロワネコ[6] ジョフロイネコ[8] ジョフロワネコ[9] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Geoffroy's cat[4][5][6][7] | |||||||||||||||||||||||||||
ジョフロイネコ(Leopardus geoffroyi)は、食肉目ネコ科オセロット属に分類される食肉類。別名ジェフロイネコ、ジェフロワネコ[6]、標準和名ジョフロワネコ[10]。
普通のネコほどの大きさの、おそらく南アメリカで最も多い野生の猫である。毛皮には黒い斑点があるが、地の色は地域によって変わる。北方では茶色がかった黄色が多いが、南方では灰色である。真っ黒なものも珍しくはない[要出典]。
ジョフロイネコはネズミ、小さいトカゲ、昆虫、時にはカエルや魚を捕まえて食べる、地域の食物連鎖の頂点に立つ種である。現在は十分な数がいるが、その毛皮を目的に狩りの対象となっているため、自然保護論者から注目されている[要出典]。
体長は60cm程度で、比較的長めの31cmの尾を持つ。体重は2-4kgしかないが、8kgに達した個体も報告されている。この猫を飼いならそうという試みも行われているが、いずれも上手くいっていない。妊娠したメスは子猫を生む場所を、細心の注意を払って探すようになる。ジョフロイネコの子猫の成長はとても早く、わずか6週間で完全に移動できるようになる[要出典]。
アンデス山脈、パンパ、グランチャコに棲息している[要出典]。
分布
[編集]アルゼンチン、ウルグアイ、チリ南部、パラグアイ、ブラジル南部、ボリビア南部[3]
形態
[編集]体長45 - 70センチメートル[6][9][8]。尾長26 - 35センチメートル[6][9][8]。体重2 - 3.5キログラム[6][9][8]。チリ産のオスで体長57 - 88センチメートル、アルゼンチン産のオスで体重4.3 - 7.8キログラムという報告例もある[7]。南部個体群は大型で体毛が長く、毛色が灰色を帯びる傾向がある[6]。毛色は地域変異があり、低地個体群は黄褐色や黄土色[6]。腹面は白やクリーム色[7]。頬に2本の縞模様が入る[6][7]。頭頂部や頸部に筋状の暗色斑が入る[7]。耳介の後方は黒い体毛で被われ、白い斑点が入る(虎耳状斑)[6][7]。背や体側面には黒い斑点が入る[7]。尾には12 - 16本の黒い輪状斑が入る[6]。
分類
[編集]名前はEtienne Geoffroy Saint-Hilaireに由来する[6][7]。
大きさや毛色で亜種に分かれるとされる[6]。以下の亜種の分類はMSW3(Wozencraft, 2005)・IUCN SSC Cat Specialist Group (2017)、分布はIUCN SSC Cat Specialist Group (2017) に従う[4][5]
- Leopardus geoffroyi geoffroyi (d'Orbigny & Gervais, 1844)
- アルゼンチン中部以南、チリ[4]
- Leopardus geoffroyi euxanthus (Pocock, 1940)
- アルゼンチン北部、ボリビア[4]
- Leopardus geoffroyi leucobaptus (Pocock, 1940)
- Leopardus geoffroyi paraguae (Pocock, 1940)
- アルゼンチン北東部、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南東部[4]
- Leopardus geoffroyi salinarum (Thomas, 1903)
- アルゼンチン北西部[4]
一方でIUCN SSC Cat Specialist Group (2017) では分布や形態が重複する・ミトコンドリアDNAの分子系統解析から亜種の分割が支持されなかったことなどから、亜種を認めていない[4]
生態
[編集]標高3,300メートル以下にある[6][9]、開けた森林やサバンナ・チャコ・ステップなどを含む草原・沼地などの様々な環境に生息する[9]。地表棲傾向が強いが、物に登ることもできる[7]。
小型哺乳類や鳥類などを食べると考えられている[7]。ウルグアイでは消化管の内容物調査から、齧歯類、鳥類、カエル、魚類が検出された例もある[7]。
繁殖様式は胎生。北アメリカの飼育下では周年繁殖するが、主に2 - 8月に発情する[7]。交尾は短時間で高頻度に行い、1日あたり8 - 150回に達することもある[7]。飼育下での妊娠期間は62 - 76日[7]。1回に2 - 3頭の幼獣を産む[6][7]。生後8 - 9日で開眼する[7]。
人間との関係
[編集]分布が広いことから絶滅のおそれは低いと考えられている[3]。1960 - 1980年代にかけて毛皮用に乱獲されたため、以前は絶滅のおそれがあると考えられていた[3]。生息地の破壊、交通事故、害獣としての駆除、毛皮用の密猟、イヌによる捕食などによる影響が懸念されている[3]。アルゼンチンでは2地点の保護区でFIPやFPL・犬ジステンパー・ネコカリシウイルス・トキソプラズマ・犬糸状虫症などの抗体を持った個体が発見されており、家畜からの感染症による影響も懸念されている[3]。1977年にネコ科単位でワシントン条約附属書IIに、1992年にワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。
出典
[編集]- ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed 23/10/2017)
- ^ a b UNEP (2017). Leopardus geoffroyi. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 23/10/2017)
- ^ a b c d e f Pereira, J., Lucherini, M. & Trigo, T. 2015. Leopardus geoffroyi. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T15310A50657011. doi:10.2305/IUCN.UK.2015-2.RLTS.T15310A50657011.en, Downloaded on 23 October 2017.
- ^ a b c d e f g h IUCN SSC Cat Specialist Group, "Leopardus geoffroyi," Cat News, Spacial Issue 11, 2017, Pages 56-57.
- ^ a b c W. Christopher Wozencraft, "Order Carnivora," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 532-628.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 成島悦雄 「ネコ科の分類」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、150-171頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Mel Sunquist and Fiona Sunquist, "Geoffroy's cat Oncifelis geoffroyi (d'Orbigny & Gervais, 1844)," Wild Cats of the World, University of Chicago Press, 2002, Pages 205-210.
- ^ a b c d Gillian Kerby 「ヤマネコ類28種」今泉忠明訳『動物大百科 1 食肉類』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、60-61頁。
- ^ a b c d e f 伊澤雅子編著 「小型ネコの仲間たち」『動物たちの地球 哺乳類II 1 トラ・ライオン・ヤマネコ』第9巻 49号、朝日新聞社、1992年、28-29頁。
- ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。