シリリッド

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グスタフ・ハーンによって描かれた流星群の絵画

シリリッド(Cyrillids)とは、1913年2月9日に発生した流星群である。地球に落下する流星としては、特殊な軌道を持っていたと考えられている。

現象と原因[編集]

アメリカ合衆国の北東部からカナダの南東部で、1913年2月9日の午後9時頃に60個余りの赤い火玉が、北西の空から南西の空へ向かって飛行する様子が目撃された[1][2]。翌日2月10日の午前2時20分頃、前日の現象から5時間あまり後に今度は小規模な現象が確認された[1]。この現象はさらにアメリカ東海岸沖から中米沖、そしてブラジル沖の船舶からも確認されていたことが2013年に記録の収集により判明した[3][4]

カナダの天文学者クラレンス・チャントにより、これらの流星の軌道が分析された結果、地球を周回する軌道だったと判明した。地球を周回する軌道を持つ天体としては、が知られている。シリリッドは、その月とは別に、新たに地球の重力圏に小惑星が捕捉され、一時的に天然の衛星となった後、それが地球周回軌道から地球の大気圏へと突入して、分解したために発生した流星群であるとする説が有力である[5][1]

名称について[編集]

一般的には「1913 Great Meteor Procession」と呼ばれている。

天文学者のジョン・オキーフアレクサンドリアのキュリロスの日(St. Cyril's day)に因んで「Cyrillids」と命名すべきと主張している[6]

出典[編集]

文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]