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ショット雑音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デジタル写真における光子ショット雑音のシミュレーション。

ショット雑音(ショットざつおん、ショットノイズ、Shot noise)とは、電子や光子などの離散的な粒子の到来・移動に伴う統計的なゆらぎによる雑音である。電気回路の電流だけでなく、光検出器が数える光子数にも現れる[1][2]。ショット雑音は電子工学、電気通信、基礎物理学の分野で問題にされる。

粒子の到来が独立なポアソン過程で表される場合、一定の測定時間・帯域幅では、雑音の分散は平均の光子数や電流に比例し、標準偏差はその平方根に比例する。信号を増やすと雑音の絶対量も増えるが、信号に対する雑音の割合は小さくなる[1][2]。

ある時間内に検出される光子数の平均値は光源の強さから決まるが、実際に検出される数は平均値と等しい場合もあれば大きくも小さくもなる。平均値を中心とする独立な検出事象を仮定したとき、その分布はポアソン分布になる。事象の数が大きくなるにつれポアソン分布は正規分布に近づくので、非常に多数の光子を測定すると、信号に含まれる光子雑音は正規分布に近づく。 事象の間に相関がない場合、ショット雑音は理想的なホワイトノイズである。

ポアソン分布の性質から、光子雑音の標準偏差は光子数の平均の平方根に等しいことが示せる。したがってSN比は次の式で表される。

ここでは検出される光子数の平均である。を大きくすれば、SN比もそれにつれて大きくなる。このことから、光子数が小さいときに光子雑音が相対的に重要になることが分かる。

解説

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電子素子におけるショット雑音

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電子素子におけるショット雑音は素子を流れる電流のランダムなゆらぎである。電流を担う電子が離散的な存在であり、連続的な定常流を作れないことがその本質である。pn接合で問題になることが多いが、どのような素子においても生じており、電荷が時間的に局在していない場合にも存在する。

ショット雑音は平衡状態の電流ゆらぎとは区別すべきである。後者は電圧がなく、時間平均すると電流値がゼロである時にも発生する。そのような平衡状態の電流ゆらぎはジョンソン・ナイキスト・ノイズと呼ばれる。

電荷の通過を独立なポアソン過程とみなせる場合、帯域幅 に含まれる電流ゆらぎの標準偏差は

と書かれる[1]。ここでは電気素量、は素子を流れる電流の平均値である。 それぞれの量は国際単位系で表されているものとする。電流100 mAに対して、雑音電流の振幅スペクトル密度は

の値を与える。もしこのノイズ電流が単純な抵抗器を流れたならば、ノイズ電力は次の式で表される。

電荷が完全に時間的に局在しているわけではないが、時間領域でのような分布(の時間積分は1とする)を持つ場合には、ノイズ電流のパワースペクトル密度は

となる。ここで はのフーリエ変換である。

ノート

ショット雑音と熱雑音はどちらも量子雑音である。研究者によっては、両者を統一された概念とみなしている [3]。

量子光学におけるショット雑音

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量子光学においては、ショット雑音の原因は検出される光子数のゆらぎである。したがって、ここでもやはり、エネルギー(この場合、電磁場が持つエネルギー)が離散化されている結果として生じるものだと言える。ショット雑音は量子雑音の主体である。光子数個レベルの測定が可能な光電子増倍管の信号にはショット雑音が現れるが、もっと強度の高い光をフォトダイオードと時間分解能の高いオシロスコープを用いて測定している時にも現れる。検出器の光電流は光強度(光子の数)に比例するので、測定される電流にはこの種のゆらぎが含まれるのが普通である。

レーザーのようなコヒーレント光源の場合には、ショット雑音は強度の平均の平方根に比例する。

Similar lower bound of quantum noise takes place for linear quantum amplifier. The only exception being if a squeezed coherent state can be formed through correlated photon generation. The reduction of uncertainty of the number of photons per mode (and therefore the photocurrent) may take place just due to the saturation of gain; this is intermediate case between a laser with locked phase and amplitude-stabilized laser.

撮像素子での暗電流雑音

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撮像素子では、入射光に由来する光子ショット雑音に加え、暗電流のゆらぎによるショット雑音も生じる。別に撮影した暗画像を差し引く処理では、暗信号の平均的な成分を補正できても、測定時に生じたランダムなゆらぎは除去できない。独立に測定した暗画像の雑音も加わるため、補正後の分散には両画像の雑音が寄与する[4]。

空間電荷

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低ノイズ能動素子では、電荷間の静電的な反発力によってショット雑音を抑制する設計になっている。光子素子の場合にはこのような空間電荷によるノイズ低減機構は存在しない。

参考文献

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  1. 1 2 3 Gustavo Castro. “Femtoammeter Design: Development Module for Charged Particle Detection” (英語). Analog Devices. 2026年9月13日閲覧。
  2. 1 2 “What is photon shot noise?” (英語). Hamamatsu Photonics. 2026年9月13日閲覧。
  3. ↑ R. Sarpeshkar, T. Delbruck, and C. A. Mead, "White noise in MOS transistors and resistors", IEEE Circuits Devices Mag., pp. 23–29, Nov. 1993
  4. ↑ Ardavan Ghassemi. “Image sensors product selection” (英語). Hamamatsu Photonics. 2026年9月13日閲覧。

外部リンク

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