シェーラひめのぼうけん

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シェーラひめのぼうけん』は、村山早紀/作、佐竹美保/画の児童文学作品。フォア文庫より全10巻が刊行されている。

概要[編集]

悪の魔法使いサウードによって石に変えられた王国を救う為に3人の子供たちが七つの鍵を求めて砂漠の世界を旅する話。 初出はフォア文庫だが、後に童心社から図書館版が販売されている。 続編として、主人公の娘たちが活躍する「新シェーラひめのぼうけん」が同じくフォア文庫と図書館版で発売されている。

登場人物[編集]

シリーズ共通の登場人物[編集]

シェーラ

シェーラザード王国の姫。本名シェーラザード。長い黒髪に黒い瞳を持つ美少女。怪力の持ち主で、ロバとファリードを同時に持ち上げて余裕で歩く、暴れるゾウを持ち上げる、大男の斧の一撃を受け止めるなど、枚挙にいとまがない。(ファリード曰く「お后である彼女の母が太陽に願掛けをしたため」と語っている)。好奇心旺盛で無鉄砲な行動に出ることもしばしば。食欲も旺盛で、ハイルの手料理やダイヤモンドの都パイユイの料理を気に入っている。心優しく、正義感の強いまっすぐな性格。12歳ながら、剣の腕はかなりのもの。シェーラザード王国の姫君に代々伝わる「魔神の指輪」を持っており、魔神ライラを呼び出せる。普段は明るく、仲間を勇気づける存在だが、父親に嫌われてはいないかと不安になり、恐れるといった繊細な一面も持つ。また、誰かを救えるような知恵がないことを悔やむこともある。

ファリード

金髪碧眼で、優しい顔立ちの少年。魔法使いだが、実力はいまいち。シェーラの幼馴染。頭が良く、シェーラを宥めたり、理性的な行動をとったりする。たまにネガティブな発言もする。 猫が苦手で、猫がたくさんいる場所に行くとすぐに気絶する。 序盤こそ、ハイルに対して不信感を見せていたが、冒険を通じて、信頼関係を築いていき、親友となる(実際、彼以外の人物にはほとんど敬語を使っている)。 シェーラのことが好きで、幼い頃、国中が流行病にかかり、自分だけが元気で何もできないで悲しむシェーラに、「ずっとそばにいる」と約束し、今でも守っている。彼女を守るため、体を張ることも。 本当はサウードをもしのぐ優れた才能を持っているのだが、父親の虐待や、母親の(ショックのあまり、つい出てしまった)ある言葉が原因で力を出せないでいた。

ハイル

元はアハマルの町で少年泥棒団の親分のようなことをしていたが、ぐうぜん町に来たシェーラ達を助け、旅に同行するようになる。そばかすがあって背が高い。足が速く、ナイフ投げが得意。常に「かっこいい男」であることを心がけ、ポリシーとしている。友情に厚く、面倒見がいい。料理上手で、3人の食事をよく作る。 自分を捨て子だと思って育ち、自分を捨てた親を心の底で恨んでいたが、第6巻終盤で、実は「海辺の王国」の王子で、悪い大臣親子の奸計によってアハマルの町に飛ばされていた事が判明。無事両親と再会した後、再びシェーラ達と旅を続ける。

ライラ

シェーラ姫の虹色月長石の指輪に宿る魔人。本名アルフ・ライラ・ワ・ライラ。炎の髪に水の衣をまとい、ネコのような金色の瞳の女の子の姿をしている。契約さえすればなんでも主人の願いを叶えてくれる。その強さは砂漠一。 シェーラ達の窮地を救ってくれるものの、シェーラが肝心の所で指輪をなくしたり落としたりするなど、憂き目にあってもいる。 もとは魔神の国「千の瞳」の王。

サウード

悪の魔法つかい。長い黒髪で、美形。シェーラの国を石に変えたり、兵士の心の隙を突いて操ったりするなど、あの手この手で七つの鍵を集めようとしている。魔法の腕は抜群で、自分でも「砂漠一」と自負するほど。その目的は、世界中を魔物でいっぱいにして滅ぼし、魔物だけの世界に王として君臨すること。 もとはルスカ王国の第一王子。名君の父王、優しい母、優れた家臣に囲まれて、幸せな時代を過ごしていた。が、家臣の1人の裏切りによって家族や他の家臣を惨殺される。自身も捕らわれるが国外へ逃げ出し、復讐を誓う。しかし、数年後、王国は互いに戦争をしないと同盟を結んでいたはずの国に滅ぼされてしまっていた。このことから、人間も神も信じない、冷徹な人物となった。饒舌で皮肉めいた物言いが特徴。 第7巻で幼い自分の幻影と出会い、昔のことを思い出す。そのとき、当時の誕生日プレゼントにもらったガラスの子馬の目が七つの鍵の一つであることがわかり、都の廃墟へ急ぐ。その途中、同じく七つの鍵を求めていた黒竜に襲撃されて重傷を負う。そこをたまたま出会ったミリアムとシェーラ一行に助けられる。その後改心し、彼女達と行動をともにする。

レギュラーまたはゲストの登場人物[編集]

ハーシブ

第1巻、9巻、最終巻に登場。賢者で、世界中のあらゆることを知っている。アハマルの町の片隅で、たくさんの猫と暮らしている。シェーラに七つの鍵と魔法の杖について助言し、魔法の地図と絨毯をプレゼントする。

ハッサン

第2~6巻、8~最終巻に登場。もとは砂漠じゅうで名の知れ渡った盗賊(義賊)の親分。暴漢に襲われていた商人の娘、マリアムを助けた後、彼女に一目惚れされて結婚。一人娘ミリアムを授かるが、妻に盗賊であることがばれ、ショックのあまり娘とともに実家に帰られてしまう。しばらく泣いて暮らしたが、「盗賊である過去は変えられないが、これからの未来は変えられる」と考え直し、錬金術師の道を歩み出す。「賢者の石」を作って黄金を生み出し、世界一の錬金術師になって家族と再会することを夢見ている。 もと子分で現助手であるアリとともに、空飛ぶ人力飛行機で旅をするが、2人の体力が限界になる、翼が壊れるなどのアクシデントでよく墜落する。

アリ

第2巻〜6巻、8〜最終巻に登場。ハッサンのもと子分で現助手。孤児だったところをハッサンにひろわれ、現在に至る。ハッサンには「博士」と呼ぶように言われているが、しょっちゅう盗賊時代の癖が出て「おかしら」と呼んでしまう。また、状況と微妙にずれたことわざや慣用句をもちだしてはつっこまれたり、余計な一言を言ってはハッサンに殴られたりしている。催眠術が得意。

ソーニャ姫

第2巻に登場。故人。100年前に滅ぼされたサラーブの都の姫君。長い金髪にサファイアのような青い瞳の少女。あまりの美貌の持ち主のため、父王によって庭園に半ば閉じ込められたような生活を余儀なくされ、寂しい日々を送っていた。ある日、寂しさから庭園の泉の神(生け贄によって、願いを叶えてもらえる。彼女は本来嫌っていた)に蝶を生け贄にして、友達が欲しいと願ってしまう。願いは叶えられ、偶然迷い込んだ商人の息子、ファドルと友達になる。彼と隠し通路を通って街に出て探検することを約束するが、都が他国に攻められてしまい、兵士が城にも攻め込まれる(後世の伝説では、ファドルが裏切って隠し通路のありかを兵士に教えたためとなっているが、本当はソーニャを心配した彼が通路を通って彼女に会いに行こうとしたところを兵士に見つかったのが原因)。家族や城の人々、ファドルが惨殺される中、生き延びて泉まで逃げる。そして、自身を生け贄として、泉の神に都の秘宝サファイアを守るよう願う(それ以来、彼女の魂と泉の神が一体化した)。 ハイルと出会い、彼にファドルの面影を見て、サファイアを渡す。その後サウードに妨害されるも、シェーラ一行によって救われ、ライラの魔法で一時的に復活したかつての都の姿を見て満足する。結局、自分の大切な宝物はとうの昔に失われていたと言い残し、消滅した。

リーイン

第3巻、最終巻に登場。ダイヤモンドの都パイユイの女王。赤い衣が印象的。都のため、民のために一生懸命尽くす立派な人物であるが、かつて死んだ一人娘であるメイファを想い悲しみに暮れていた。そんな中、都の用水路を流れてきたシェーラを、メイファに重ね、彼女の記憶を少しずつ消して自分の娘にしようとした。終盤でシェーラの記憶が戻り、罪悪感と名残惜しさを感じつつもシェーラを見送るが、彼女の一言に救われる。シェーラに都の印が入った翡翠の腕輪をプレゼントし、彼女の旅費のサポートをした。

フェイラン

第3巻、最終巻に登場。ダイヤモンドの都パイユイの宰相。リーインとは幼なじみ。リーインへの想いもあって、シェーラの記憶を消す手伝いをしていた。魔術師でもあり、魔法剣を使った雷の呪文が得意。彼の生き様にファリードも憧れた。

アイシャ

第6巻に登場。青い髪に赤いしっぽを持つ人魚の少女。海辺の王国に面する海の底の国「海のバラ」出身。 行方不明の兄を捜してこっそり陸に上がるが、人間に騙されて市場で売り飛ばされそうになる。そこをシェーラたちに助けられ、兄捜しの手伝いを申し出される。 人間にひどい目に遭わされたにもかかわらず、人間の良いところを信じ、人間が好きだと言い切る優しい性格。 第6巻終盤でハイルが探していた兄だとわかり、とても喜んだ。

用語[編集]

世界観は主に中東付近の国々がモデルとなっている。魔術師や精霊、魔神が存在するほか、科学者に相当する「錬金術師」もいる。神や死んだ人の魂が住む「天国」、魔神や精霊達の住む世界も存在する。

シェーラザード王国

シェーラの住んでる国。オアシスと豊かな緑あふれる国。サウードがこの国の秘宝でもあり、緑の鍵でもあるエメラルドを手に入れるために石に変えられた。とても陽気な国民性を持つ。

紅玉の都

第7巻に登場。サウードが王子だった国の都。シェーラザード王国に比べるとやや西洋風で、建物が赤レンガで作られているのが特徴。

飛行都市エアリュウム

第5巻に登場。飛行都市。賢人たちが日々新しい技術の研究を行っている。空の上にあるためか、戦争などに遭うことなく高い文明を発達させてきた。ファリードは「たくさんの人の幸せのために研究は行われるもの」と思っており、嫌っている。

魔法の杖

遠い昔、ラシード王によって作られ、ある魔法使いが砂漠の砂の海の中に隠し、七つの鍵で封印されたもの。手にすると、世界の王になれるほどの魔力を持っている。金属の杖で、大きな青い水晶があしらわれている。

七つの鍵

魔法の杖の封印を解く鍵。七色の魔法の宝石(緑の鍵エメラルド、青の鍵サファイア、白の鍵ダイヤモンド、黒の鍵黒真珠、黄色の鍵トパーズ、水色の鍵アクアマリン、赤の鍵ルビー)。

魔法の地図

七つの鍵の位置が動く点によって表示される不思議な地図。サウードとシェーラが所持している。サウードが持っているものは、破けているが、シェーラのものはサウードが持ち去ったもののコピーなので、完全である。(はっきりした原因は不明だが)海上では正しく機能しないこともあった。

魔法の絨毯

シェーラ、ファリード、ハイルの移動手段。ハーシブからもらった。魔法の地図と同様、海上ではうまく飛べないこともあった。

既刊一覧[編集]

ISBNコードはフォア文庫版 / 図書館版の順に記載する。

シェーラひめのぼうけん

新シェーラひめのぼうけん