サン・マルコ広場

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バシリカのあるサン・マルコ広場』カナレット (1730年)

サン・マルコ広場(サン・マルコ ひろば、イタリア語:Piazza San Marco)は、ヴェネツィアの中心的な広場で、回廊のある建物に囲まれ、ドゥカーレ宮殿サン・マルコ寺院などがある。ヴェネツィアの広場は方言でカンポ(campo)と呼ばれるが、サン・マルコ広場は別格であり、ピアッツァ(piazza)と呼ばれる。世界で最も美しい広場とも言われており[1]観光名所のほか、海からの玄関口でもある。

サン・マルコは、ヴェネツィアの守護聖人である福音記者マルコに、由来する。サン・マルコ寺院の聖堂の正面部分は柱廊に囲まれた台形になっていて、実際より奥行きがあるようにみえる。この台形広場(piazza)に、海に面したサン・マルコ小広場(Piazetta San Marco)が続いており、全体としてL字型になっている。小広場にはカナル・グランデに面して2本の円柱があり、それぞれ頂上には聖マルコを象徴する「有翼の獅子」像と、「聖テオドーロ英語版」像がある[2]。中世にはこの柱の間に死刑執行台を設置したため、ヴェネツィアっ子は柱の間を通り抜けないという。

広場に面する建物など[編集]

アックア・アルタにより浸水したサン・マルコ広場
サン・マルコ広場の平面図
ドゥカーレ宮殿とサン・マルコ広場
ドゥカーレ宮殿 - Plazzo Ducale
総督邸兼政庁。ため息橋で水路を隔てた牢獄と繋がっている。
サン・マルコ寺院 - Basilica di San Marco
11世紀に建てられたビザンティン建築(総督邸の礼拝堂が起源)
鐘楼 - Campanile di San Marco
高さ約100m
旧行政館 - Procuratie Vecchie
サン・マルコ寺院から見て右手。回廊が続く3階建の建物
ムーア人の時計塔 - Torre del'Orologio
旧行政館側にある。リアルト橋方面への出口の目印
新行政館 - Procuratie Nuove
サン・マルコ寺院から見て左手の建物。
カッフェ・フローリアン - Caffè Florian
18世紀に創業。新行政館の1階にある。
国立マルチャーナ図書館 - Biblioteca nazionale Marciana
建築家サンソヴィーノによるルネサンス建築(1536-1553年) 
造幣局 - Zecca
サンソヴィーノによるルネサンス建築
ナポレオン翼 - Ala Napoleonica
サン・マルコ寺院に対面する建物。ナポレオンが舞踏会などの会場として建てさせたため、この名がある。
コッレール美術館 - Museo Civico Correr
ナポレオン翼に入り口
考古学博物館 - Museo Archeologico
リソルジメント博物館
レオーニ小広場 - Piazetta dei Leoni
サン・マルコ寺院の左手(北側)

参考文献[編集]

  1. ^ 聖夜が美しいヴェネツィアの広場では 鳩にエサを与えると罰金が課せられる”. 文藝春秋 (2016-012-24). 2018年8月15日閲覧。
  2. ^ 慶応大学 加藤万里子, 守護聖人 (Patron Saint):イタリア研究滞在記 http://user.keio.ac.jp/~mariko/educ/essay/0711.patron.saint.html

関連項目[編集]

座標: 北緯45度26分2秒 東経12度20分17秒 / 北緯45.43389度 東経12.33806度 / 45.43389; 12.33806