サルヴァ

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サルヴァイタリア語: salva)は、イタリアロンバルディア州で製造されているDOP指定のチーズ[1]。日本ではサルヴァ・クレマスコとも呼ばれる[2]

概要[編集]

ウォッシュチーズであり、牛乳カードから作られる。

同じロンバルディア州のチーズのタレッジョと似ており、特に切り分けた状態だと見分けが困難である[2]。タレッジョと比べた場合、底辺は同サイズだが、高さが2倍ほど高い[1][2]

長期熟成のチーズではあるが、香りや塩味は穏やかである[2]。外皮に近い部分はねっとりと濃厚な旨みがあり、中心部はシェーブルチーズのようなボロボロと崩れやす食感をもつ[2]。ウォッシュチーズは熟成によって、中心部がとろけているようなチーズも多いが、サルヴはセミハードチーズに近い食感となっている[2]。また、中心まで硬さがあるため一般的なウォッシュチーズと違って、ホールケーキをカットするようにナイフでカットできる[2]

2007年にDOP指定となった[2]

名称[編集]

「サルヴァ」の名はイタリア語で「保存」などの意味をもつsalvareから来ており、「長く貯蔵する」という意味である[1][2]。その名の通りに60日から90日の熟成を行う[1]

製造[編集]

5月は牛の出産シーズンであり、出産後は搾乳量が増えるので、この時期にいつもよりも大きなチーズを製造しておくのが慣わしでもあった[1]。このため、チーズを作るのに同じ型を使っていても、使用する牛乳の量が多いため、背が高くなる[1]。2か月や3か月未満の熟成のものは、ボロボロと崩れやすいが、ミルクの甘みが酸味と調和した味わいがある[1]。3か月から5か月熟成させたものは味わいが深くなり、半年から1年と熟成させることもある[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h サルヴァ”. ワインスクエア. サントリー. 2023年11月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 松崎茉莉奈 (2020年4月3日). “【サルヴァ・クレマスコ】はどんなチーズ?特徴や産地、食べ方を解説”. オリーブオイルをひとまわし. 2023年11月29日閲覧。