グルコース-6-ホスファターゼ

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グルコース-6-ホスファターゼ(Glucose 6-phosphatase、EC 3.1.3.9)は、グルコース-6-リン酸からリン酸部分を除去する糖新生経路の酵素である。

グルコースが細胞に取り込まれると直ちにリン酸化が起こるのは、これが拡散してしまうのを防ぐためである。リン酸化により電荷が導入されるので、グルコース-6-リン酸は容易に細胞膜を通過することができない。 グルコース-6-ホスファターゼの主目的は、グルコース細胞膜タンパク質であるグルコーストランスポーター経由で細胞外に放出するためにグルコース-6-リン酸を脱リン酸化することである。

所在[編集]

グルコース-6-ホスファターゼは、グルコースの恒常性維持のための役割をもつ肝臓腎臓で見られ、網状組織内部原形質の内膜に存在する。筋肉はこの酵素を含んでおらず、結果、いくらかのグルコース-6-リン酸は、グリコーゲンの分解解糖系によってアデノシン三リン酸 (ATP) 合成に使われていることになる。

臨床での意義[編集]

グルコース-6-ホスファターゼの欠乏はフォン・ギールケ病と呼ばれる糖原病につながる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]