カンダウレス王

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カンダウレス王』(Der König Kandaules)は、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーの3幕のオペラフランスの文豪アンドレ・ジッド戯曲『カンドール王』(Le Roi Candaules )を翻案して作曲者自身が台本を執筆した。ツェムリンスキーは1935年にはショートスコア形式で作品を完成させていたが、ユダヤ系のためにナチスの迫害によって亡命を余儀なくされたため、1938年の渡米のどさくさの中でその後の作業は中断した。

亡命後にツェムリンスキーは、かつての門弟で当時メトロポリタン歌劇場の首席指揮者であったアルトゥール・ボダンツキーから、第2幕のヌードシーンがメトロポリタン歌劇場ではご法度であると伝えられると、『カンダウレス王』の総譜化を放棄してしまい、別の新作オペラの構想に取り掛かってしまった。こうしてツェムリンスキーは、『カンダウレス王』の完成を見ることなく世を去ったのである。

それから半世紀近くを経て、イギリス音楽学者指揮者アントニー・ボーモントが、オーケストレーションを完成させた。ボーモント完成版の初演は、1996年10月6日ハンブルクで行われて以降、たびたび上演されており、『カンダウレス王』は、ツェムリンスキーの舞台作品の中では『フィレンツェの悲劇』や『こびと』に次ぐ人気を占めている。

『カンダウレス王』は、ツェムリンスキーの作品の中ではきわめて無調に近く、調性感の判然としない楽句が多用され、最も進歩的な作風を示すものとなっている。それでいて緩急自在な劇的展開や美しい抒情性にも欠けておらず、ヨーロッパ時代のツェムリンスキーが辿り付いた自由闊達な境地と、老いてなお衰えるところを知らないを創意を示す重要な作品として、積極的に評価されるに至っている。

すじがき[編集]

自分の妻の美しさを他人に誇りたくてしょうがないは、護衛の元漁師ギーゲスを妻の寝室にしのばせ、裸体を見るように強制する。それを知った妻はカンカンに怒って、ギーゲスと結託して王を殺害し、ギーゲスと妻は王に代わって国を支配する。

関連項目[編集]