エス (鈴木光司の小説)

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エス
著者 鈴木光司
発行日 2012年5月12日
発行元 角川書店
ジャンル ホラー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 295
コード ISBN 978-4041101834
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エス』は、日本の小説家鈴木光司小説2012年5月初版発売。同氏のベストセラーである『リング』 シリーズの1作品である。

リングシリーズは、『リング』、続編『らせん』、完結編『ループ』および関連事項を描いた短編『バースデイ』の4作品が発表されているが、本作は1999年発表の『ハッピーバースデイ』から13年ぶりの同シリーズ新作となる[1]

概要[編集]

物語は、『らせん』の主人公である安藤満男の長男、安藤孝則を主人公としたサスペンスタッチのホラーである。孝則は同作での事故死を経てシリーズの重要人物の高山竜司と山村貞子によって計画的に蘇生した人物であるが、本作では28歳に成長しているうえ、すでに妊娠した恋人もいる青年として登場し、孝則が自らの出生と蘇生の秘密に迫っていく物語が描かれる。

このシリーズでは、安藤や貞子らが存在する世界は、生命の進化の可能性をコンピュータ上でシミュレートされた仮想現実世界「ループ」の中における出来事であることが最終作『ループ』で明らかにされるうえ、本シリーズのエピローグに相当する『ハッピー・バースデイ』において、最終的には高山によってループ内で貞子は駆逐され、平穏がもたらされて物語は完結している。

本作がシリーズ中のどの時間軸に位置するのかについては、終盤で高山の口からごく間接的に『ループ』の設定が語られる程度に留まっており、特に高山の行動や現状には旧シリーズの展開とは符合しない展開もあるなど、本作がその時系列上の物語であるのか、それとも並行世界上の別展開であるのかは、明確に描かれていない。

あらすじ[編集]

裕福な医学家系の御曹司として育った安藤孝則は、両親の理解のもとで芸術を学び、今は小さなCG製作会社で働いていた。ある日、孝則は会社の上司から、奇怪なものを映した動画のデータを渡され、「テレビの特番として使う素材だが、そのままではキツいため、CG加工すること」という指示を受ける。そのデータには、とあるマンションの一室で1人の男性が首を吊って自殺する模様が、あからさまに記録されていた。

一方、高校教師で孝則の子供を妊娠している丸山茜は、偶然から孝則の部屋でその動画を見てしまう。それに映っていた男性は、茜にとって見憶えがある者だった。その男性こそ、幼少時代に茜を襲って殺そうとしたうえ、先日には他の被害者に対する連続殺人の罪で死刑に処せられたばかりの柏田誠二だった。孝則は、刑死したはずの柏田が東京品川のマンションで首を吊る動画が存在するという矛盾の謎を追う一方、茜と入籍するために自分の戸籍謄本を役所で入手したところ、自分の知らなかった過去を知ることになる。

映画[編集]

貞子3D』として2012年に映画化された。丸山茜は鮎川茜という名で主人公格となり、安藤もその恋人として登場するが、物語は原作とは全く違う展開を見せる映画オリジナルであり、山村貞子が再び殺人モンスターとして登場する、正統派の怪物ホラーとして制作された。

柏田についても、実はシリーズを通しての重要人物であったという原作の最も重要なくだりを排除したため、旧作との関連性は一切描かれていないが、シリーズ第1作『リング』の映画版が貞子をモンスターとして描いたことによって大ヒットしたという点で見るならば、本作もその系譜の延長上といえる内容や演出となっている。

出典[編集]

  1. ^ 新作『エス』&リングシリーズ相関図角川グループパブリッシング 2012年9月26日閲覧

外部リンク[編集]