エスビット

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エスビットEsbit )は "Erich Schumms Brennstoff in Tablettenform" の頭文字で、商標であるが普通名称化しており、白色で四角い他の固形燃料も指す。主にキャンプの料理用に使われるが模型の蒸気機関車の燃料にも使われる。「固形アルコール」とは全く別物である。

燃焼の際に少量のシアン化水素を発生する[1]のでエスビットは屋外でのみ使われるべきで、閉じた空間で使ってはならない。周囲の空気中のシアン化物の濃度は通常、体に深刻な危害をもたらす程には上がらない。

マッチ1本で着火し、そこそこの火力がある[2]。条件にもよるが、コップ1杯程度なら1個の燃料で充分沸かせる[2]。また2-3個の燃料にまとめて点火すれば火力が上がるので、小型の鍋に入ったスープなどを簡単に温められる[2]

歴史[編集]

エスビットは1936年にドイツ南西部のシュヴァーベンの製造者であるエーリヒ・シュンErich Schumm )によって発明および命名された。

主原料[編集]

エスビットはヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)を立方体またはブロック状に押して作られる。発熱量は約31,300 kJ / kgである。

保管[編集]

個々のエスビットは角砂糖またはブドウ糖の錠剤に似ているので、食品とは別にし、子供の手の届かない場所で保管することが強く勧められる。エスビットは吸湿性があるので乾燥した密閉容器で保管する必要がある。多湿の環境では容器にシリカゲルを入れると良い。

ポケットストーブ[編集]

開いたエスビット用ポケットストーブに1箱が収められているところ

メーカーは標準パッケージとして、折りたたんだ状態で20個[2]のエスビットを収めることができる電解亜鉛メッキ鋼製のポケットストーブ[2]を提供している。これは旅行の際は非常に軽くてコンパクトである。少量の物を加熱するための「最後の手段」の用途としてバックアップ用に携行する人もいる[2]。効率よく使用するには風を防ぐことも必要である。

ドイツ連邦軍とオーストリアの連邦軍で主食のレーションを温めるために使用される。フランス軍は使い捨てタイプを使用しており、曲げるだけでエスビットを乗せられるようにあらかじめ切られた金属の板がレーションに含まれている。

他の固形燃料[編集]

  • クライムコンロ (米国では Portable Commando Cooker という名称) はパール金属株式会社が扱っている。燃料の主成分はエスビットと同じくヘキサミンである。[3]
  • スイスメタはロンザ社en)が "META" の商品名で販売するメタアルデヒドでナメクジやカタツムリの駆除に使われるがキャンプの固形燃料としても使用される。世界保健機関はメタアルデヒドを「中程度に危険性がある」と分類している。
  • スターノen)は変性アルコールと水とゲルから成る燃料[4][5]を缶に入れたものを製造している。Single Burner Folding Stove という燃料缶を入れるアルミの折りたたみ式ストーブもある。
  • ニイタカは卓上固形燃料を製造している。[6]
  • 株式会社ニチネンは固形燃料や保温用燃料を製造している。

出典[編集]

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  1. ^ Solid Fuel Burner (Zen Backpacking Stoves)
  2. ^ a b c d e f 『アウトドア用品』pp.182-183。
  3. ^ バーベキュー用品 (パール金属株式会社、PDF形式、 p. 131)
  4. ^ Frequently Asked Questions (Sterno)
  5. ^ Material Safety Data Sheets (Sterno、PDF形式)
  6. ^ いま、どこの旅館の食事でも見かけるアレについて”. エキサイトニュース (2009年5月11日). 2011年8月18日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

英語

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