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エンボス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エンボス: emboss, embossing)は、金属板、樹脂板、などに凹凸を付けて文字や絵柄などを浮き彫りにする加工。パッケージ・グリーティングカード・操作パネル・プラスチック製品など、幅広い分野で使われている。[1]

特に凸面を付ける加工をエンボス加工、凹面を付ける加工をデボス加工ということもある。

エンボッシング (embossing) ともいう[2]

金属

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金属のエンボス加工では金属の素板を凹凸のある金型で加圧することで、素板が金型に押しつけられ凹凸に加工される[3]。プレス加工の一種であり、材料を削らずに形状を付与できる点が特徴である。

また、加工により文字や模様、記号などを浮き出させることができ、視認性の向上や意匠性の付加、さらには識別性の向上にも寄与する。用途としては、自動車ナンバープレートのほか、銘板、装飾パネル、建材、包装材(アルミ箔など)など幅広い分野で利用されている。

樹脂

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操作シートにエンボス加工を施した例。ボタンや表示部を立体的にすることで、視認性と操作性を向上させている。

しゃもじの突起や、クレジットカードキャッシュカードなどのプラスチックカードにカード番号や有効期限、口座番号、氏名等を表示するのにも使われる(エンボスナンバリング)。クレジットカードでのカード決済時には、専用プリンタ(インプリンタ)を使ってエンボス加工した文字を伝票等に転写する。現在では磁気ストライプICチップによる処理が一般的となり、エンボス加工を施していないカードも出回るようになった。

また、操作シートのボタン部分に凸を施すエンボス加工もある。これにより、機械の操作性が向上する。

紙工

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エンボス印で封じられた台紙とリボン
手動型押機
エンボス加工されたトイレットペーパー

印刷加工としては、表面に型押しする加工のうち、模様を凸状に盛り上げる加工をエンボス(浮き出し)、模様を凹状にへこませる加工をデボス(空押し)という[4]

エンボス加工はクレープ加工とも言う。インクを使わず紙に模様を入れたり、手触りを良くしたり、薄い紙を一枚一枚はがれやすくする効果がある。また書籍の表紙カバーで印刷をしたタイトルやイラストの縁をエンボス加工することで、見た目と手触りとの二重の効果を与えることが出来る。

書類にはエンボス加工を用いてエンボス印(浮き出しプレス印)を押印することがある。エンボス印を押す事務用品をエンボッサーまたはシールプレス、型押機などという。エンボス印は刻印した箇所の偽造を困難にするため、本人確認書類の本体と顔写真の契印としても用いられている。

キッチンペーパートイレットペーパーでは性能や使用感を向上させるために、製造過程でエンボス加工が施されている。

擬似エンボス

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特殊な塗料や印刷機(UV印刷機等)を使うことで金属板や樹脂板にエンボス加工の凹凸を擬似的に再現するものを擬似エンボスという[5]

UV硬化型の透明インクを盛り上げて固めることで、プラスチックの上に点字のような立体パターンを形成できる。

スクリーン印刷やUVインクジェット印刷が主に使われ、UV照射で瞬時に硬化するため、形状がつぶれにくく、安定した点字が作れる。

画像のエンボス処理

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写真のエンボス処理結果

地図の山岳部などの陰影表現もエンボスと呼ばれる。かつてはエアブラシによる人手の作業であったが、コンピュータ画像処理により容易に精密なエンボス描写が可能になっている。

コンピュータによる画像処理ソフトウェアには画像データを「浮彫」状に変換したり文字列を立体的に表現するなどの機能を持つものがあり、その処理をエンボスという場合がある。

コンピュータのGUIではこの擬似的な視覚効果を利用し各要素に立体感を持たせることが行われる。ボタンであれば上の縁を明るく下の縁を暗くすることで凸状に出ている状態、逆にすることで押して凹んだ状態であると認識させることができる。

脚注

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  1. エンボス加工とは?加工の特徴や仕組みについて解説! (2025年1月10日). 2026年4月23日閲覧。
  2. 大智浩『デザインの基礎』東都書房、1967年、254頁。
  3. 山口克彦「金属材料の塑性加工におけるゴム工具の利用」『日本ゴム協会誌』第63巻第2号、日本ゴム協会、1990年、83-89頁、doi:10.2324/gomu.63.83ISSN 0029-022X
  4. 製本加工編集委員会『製本加工ハンドブック 技術概論編』日本印刷技術協会、2006年、24頁
  5. トキワ印刷通信2020年3月号”. 2022年3月15日閲覧。

関連項目

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