ウェストモーランド伯爵

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ウェストモーランド伯爵英語: Earl of Westmorland)は、イングランド貴族伯爵位。

過去に2回創設されており、現存する2期目はフランシス・フェイン英語版1624年に叙されたのに始まる。

歴史[編集]

ネヴィル家[編集]

ウェストモーランド伯ネヴィル家の紋章

第1期のウェストモーランド伯に叙されたネヴィル家英語版は、13世紀初頭から台頭し、中世に北部イングランドをパーシー家と二分する勢力を誇った貴族である[1]。13世紀後期の当主ラルフ・ネヴィル英語版(1262-1331)は、1295年6月24日レイビーのネヴィル男爵英語版に叙されている[1][2][3]

第6代ネヴィル男爵ラルフ・ネヴィル(1364–1425)は、リチャード2世のもとで1397年に訴追派貴族の裁判にかかわり[1]、その功績で1397年9月29日にウェストモーランド伯爵に叙された[4][5]。リチャード2世がランカスター家のヘンリー4世に王位を奪われた際にも巧みにヘンリー4世に乗り換えて1405年には初代ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシーの反乱の鎮圧にあたった[6]

初代伯は子沢山であり、子供のうち長男の家系がウェストモーランド伯爵位を継承していく。またヤンガーサンたちの中にも妻の権利により爵位を継承する者が出た。リチャード・ネヴィルはソールズベリー伯爵位、ウィリアム・ネヴィルフォーコンバーグ男爵英語版(のちケント伯に叙される)、エドワード・ネヴィル英語版(–1476)バーガベニー男爵英語版(アバーガベニー男爵)を継承している[6]

初代伯の嫡流の孫2代ウェストモーランド伯ラルフ・ネヴィル英語版(1408–1484)は、パーシー家の娘と結婚した[6]

5代ウェストモーランド伯ヘンリー・ネヴィル英語版(1525–1564)は、カトリックとしてメアリー1世を支持した[6]。その息子の6代ウェストモーランド伯チャールズ・ネヴィル(1542–1601)もカトリックだったが、1569年に北部諸侯の乱英語版を起こしたことで国外亡命と爵位剥奪に追いやられた[6]

フェイン家[編集]

ウェストモーランド伯フェイン家の紋章

バーガベニー男爵ネヴィル家の女系子孫であるフランシス・フェイン英語版(1580–1629)は、庶民院議員を務め、1624年12月29日にイングランド貴族爵位ウェストモーランド伯爵とサセックス州におけるバーガーシュのバーガーシュ男爵英語版に叙された[7][8]。これが2期目のウェストモーランド伯位の創設であり、以降彼の男系男子によって爵位は継承されていく。

7代ウェストモーランド伯ジョン・フェイン(1685–1762)は大将まで昇進した陸軍軍人で襲爵前の1733年10月4日アイルランド貴族爵位キャザーロー州におけるキャザーロー男爵 (Baron Catherlough, in the County of Catherlough)に叙されたが、子供がなかったので同爵位は彼一代で絶えた[7][9]

10代ウェストモーランド伯ジョン・フェイン(1759–1841)は18世紀後期から19世紀前期にかけてトーリー党政権で王璽尚書などの閣僚職を歴任した[7][10]

2016年現在の当主は16代ウェストモーランド伯アンソニー・フェイン英語版である[7][11]

現当主の保有爵位[編集]

現当主アンソニー・フェイン英語版は以下の爵位を保有している[7][11]

一覧[編集]

ウェストモーランド伯 第1期 (1397年)[編集]

ウェストモーランド伯 第2期 (1624年)[編集]


家系図[編集]

出典[編集]

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  1. ^ a b c 松村赳 & 富田虎男 2000, p. 509.
  2. ^ Heraldic Media Limited. “Nevill, Baron (E, 1295 - 1571)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年5月4日閲覧。
  3. ^ Lundy, Darryl. “Ranulf de Neville, 1st Lord Neville” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。
  4. ^ Heraldic Media Limited. “Westmorland, Earl of (E, 1397 - forfeited 1571)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年5月4日閲覧。
  5. ^ Lundy, Darryl. “Ralph de Neville, 1st Earl of Westmorland” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。
  6. ^ a b c d e 松村赳 & 富田虎男 2000, p. 510.
  7. ^ a b c d e Heraldic Media Limited. “Westmorland, Earl of (E, 1624)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年5月4日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “Francis Fane, 1st Earl of Westmorland” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。
  9. ^ Lundy, Darryl. “General John Fane, 7th Earl of Westmorland” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。
  10. ^ Lundy, Darryl. “John Fane, 10th Earl of Westmorland” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。
  11. ^ a b Lundy, Darryl. “Anthony David Francis Henry Fane, 16th Earl of Westmorland” (英語). thepeerage.com. 2016年5月4日閲覧。

参考文献[編集]

  • 松村赳富田虎男『英米史辞典』研究社、2000年。ISBN 978-4767430478

関連項目[編集]