アリゲーターガー

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アリゲーターガー
Alligator Gar 10.JPG
アリゲーターガー Atractosteus spatula
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ガー目 Lepisosteiformes
: ガー科 Lepisosteidae
: Atractosteus
: アリゲーターガー A. spatula
学名
Atractosteus spatula (Lacepède, 1803)[1]
英名
Alligator gar[1]
1910年3月、ミシシッピ州ムーンレイクで捕えられたアリゲーターガー

アリゲーターガーAtractosteus spatula)はガー目ガー科[注釈 1]Atractosteus属に分類される魚類。

全長は約2m。北アメリカ大陸最大の淡水魚[2][注釈 2]。学名(種小名)のspatulaはラテン語でスプーンを意味する。これは、幅の広い吻に由来する。

分布[編集]

アメリカ合衆国メキシコミシシッピ川水系からベラクルス州にかけてのメキシコ湾へ流入する水域)[1]アメリカ、メキシコ、ニカラグア、コスタリカにまたがっている[要出典]。アメリカでは南部が中心になる。

日本にも外来種として生息し、各地から報告されている。鑑賞目的で飼育されていたものが放逸されたことにより侵入したと推測されている[3]

形態[編集]

アリゲーターガーの頭部と口内

国内では最大種で、野生下での全長は2mを超える[4]。信頼できる記録では、全長304.8cm、体重104.4㎏の個体が、1953年にミシシッピ州で捕獲されている[5]。これよりも大きな記録があるともされるが、信頼性に欠ける[6]。体重では1988年に、全長252cmの個体で157㎏が記録された。1942年にも、137㎏のものが記録されている。これらのものは、全てミシシッピ川河口付近のものである。

公式記録で最大の物は、2011年2月14日にミシシッピ川の三日月湖で漁をしていたミシシッピ州ヴィックスバーグの漁師の網にかかったもので、長さ2.572 m、重さは148 kg、胴囲は120 cmであった。このアリゲーターガーは、ミシシッピ自然科学博物館に寄贈され展示されている[7][8]

体表はガノイン鱗(硬鱗)で覆われている[注釈 3]

生態[編集]

大型河川、Bayou(アメリカ南部で河川で流れが淀み沼状になった環境を指す)、に生息する[1]。湖沼や大きな河川の下流域など、流れの穏やかな場所に生息する。流れの速い場所は好まない。通常は淡水域や汽水域に生息する。しかし、海域に生息する個体群もあり、淡水と海水の両方に生息する数少ない魚類でもある。ルイジアナ州塩性湿地にも生息している。他のガーと同様、浮き袋には毛細血管が張り巡らされており、空気呼吸が可能になっている。アリゲーターガーが生息する環境は、溶存酸素が低下しやすいが、これによって酸欠の心配がなくなる。

食性肉食性で、主に他の魚類甲殻類を食べる。

孵化したばかりの仔魚には、卵黄が付いている。それが吸収された後は、アカムシボウフラ動物プランクトンなどを食べるようになる。稚魚の段階に入ると、水生昆虫やその幼虫、水に落ちた昆虫、小さな甲殻類を捕食する。成長するにしたがって魚類を食べる割合が増えていく。

人間との関係[編集]

日本では交雑個体も含むガー科の飼育個体数が多いこと・周知期間が必要であるという専門者会議の判断から2016年から2年の猶予期間を設け、2018年2月にガー科単位で特定外来生物への指定(施行は2018年4月)が予定されている[9]

日本に持ち込まれて捨てられた個体を捕まえて食べた人によれば、白身で味はシチメンチョウに近いが、食感は脂が無いためにパサパサで、身と皮の間には川魚特有の臭みが溜まっているとのこと[10]

出典[編集]

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  1. ^ a b c d Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2017. Atractosteus spatula. FishBase. World Wide Web electronic publication. http://www.fishbase.org, version (10/2017).
  2. ^ Andrew Campbell,Jhon Dawes(松浦啓一 監訳)、『海の動物百科2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、p24
  3. ^ 北海道 (2010年). “アリゲーター・ガー”. 北海道ブルーリスト2010. 2013年10月23日閲覧。
  4. ^ 東山泰之、『古代魚の仲間』、ピーシーズ、2005年、p10
  5. ^ 『月刊アクアライフ』、1994年5月号、マリン企画、p45
  6. ^ 『月刊アクアライフ』2005年8月号、マリン企画、p57
  7. ^ “Vicksburg Man Catches 327 Lb. Alligator Gar”. WAPT News. (2011年2月18日). http://www.wapt.com/Vicksburg-Man-Catches-327-Lb-Alligator-Gar/-/9157628/5991148/-/iqeqgv/-/index.html [リンク切れ]
  8. ^ Love, Chad (2011年2月23日). “World Record Alligator Gar Pulled From Mississippi Lake Tangled in Fisherman's Net”. Field & Stream. 2014年4月19日閲覧。
  9. ^ ガー科環境省 ・2017年8月14日に利用)
  10. ^ 横浜でアリゲーターガーを釣って食べた (あとカミツキガメも) - デイリーポータルZ[出典無効]

注釈[編集]

  1. ^ リンコツギョ科(鱗骨魚科)、レピソステウス科、とも書かれる。gar は、15世紀の英語で槍(spear)を意味するgār から。garfish (dictionary.com)
  2. ^ ただし、シロチョウザメを除く。
  3. ^ ガノイン鱗をもつ魚類は、ガーの他に、アミア目ポリプテルス目チョウザメ目が挙げられる。

関連項目[編集]