ドナルド・グラント・ミッチェル

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ドナルド・グラント・ミッチェル
Donald Grant Mitchell
1883年撮影
ペンネーム アイク・マーヴェル (Ik Marvel)
誕生 (1822-04-12) 1822年4月12日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 コネチカット州ノーウィッチ
死没 1908年12月15日(1908-12-15)(86歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 コネチカット州ニューヘイブン
職業 作家
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル フィクションノンフィクション紀行随筆文芸評論
代表作 独身者の夢想 (Reveries of a Bachelor)
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ドナルド・グラント・ミッチェル(Donald Grant Mitchell、筆名:アイク・マーヴェル (Ik Marvel)、1822年4月12日 - 1908年12月15日)は、アメリカ合衆国随筆家小説家

経歴[編集]

ミッチェルは、政治家で法律家でもあったスティーヴン・ミックス・ミッチェル英語版の孫として、コネチカット州ノーウィッチに生まれた。イェール・カレッジ(後のイェール大学)で、スカル・アンド・ボーンズに加わり、まず法学を学び、程なくして文学を学んで、1841年に卒業した。ミッチェルは生涯を通して、農業造園に強い関心を寄せたが、当初これは健康のために取り組み始めたことだった。1853年から1854年にかけて、ミッチェルはイタリアヴェネツィアアメリカ合衆国領事を務め、1855年にはコネチカット州ニューヘイブン近郊にエッジウッド (Edgewood) と称されるエステートを構えて定住した。

ミッチェルは、アイク・マーヴェルという筆名で書かれた、1850年に書籍として最初に出版された『独身者の夢想 (Reveries of a Bachelor, or a Book of the Heart)』や、1851年の『Dream Life, a Fable of the Seasons』に収録された、感傷的な随筆の作家として、最もよく知られている。『独身者の夢想』は、当時のアメリカ人たちが過ごしていた、夢のような生活を検討したものである。発表当時にもベストセラーのひとつとなったが、19世紀の文芸評論家たちの注目はほとんど引かなかった。このテキストの中で、アイク・マーヴェルは、少年であること、田舎の生活様式、結婚、旅行、夢などについて、理屈をこねる。この感傷小説英語版的な作品は、大ベストセラー、ロングセラーとなり、1907年までにおよそ100版を重ねたという[1]

一方、『Dream Life, a Fable of the Seasons』は、ルイス・ゲイロード・クラークによって紹介されたワシントン・アーヴィングに捧げた作品である。アーヴィングは作品を献じられたことについて、「私は、文学的な献呈とか献辞の対象とされることは、おしなべて快く思わないのですが、...貴君の書かれたもの奇妙な味わいを私は楽しみ、この作品に表現された頭と心の質をもつ作者に魅了された私は、自分がこの献呈を喜びとしていることを白状いたします」と述べた[2]。ミッチェルは、多数の旅行書や、『独身者の夢想』(1850年)や『My Farm of Edgewood: A Country Book』(1863年)など農村生活に関する主題の随筆、イングランドの君主英米文学についての素描的研究、キャラクター小説 (a character novel)『Doctor Johns』(1866年)などの著書を書いた。このほかにも、『About Old Story-tellers』(1878年)や『American Lands and Letters』(1897年 - 1899年)などの著作がある。

ミッチェルの『独身者の夢想』は、詩人エミリー・ディキンソンのお気に入りの書物のひとつだった[3]

オリバー・ウェンデル・ホームズ・シニアは、ミッチェルを「我らがアメリカの作家の中でも最も愉快なひとり (one of the pleasantest of our American writers)」と評した。

主な著作[編集]

  • Fresh Gleanings, or a New Sheaf from the Old Fields of Continental Europe (1847)
  • Battle Summer (1850) - 2巻本で出版される予定であったが、第1巻のみが出版された[4]
  • The Lorgnette, or Studies of the Town, by an Opera-Goer (1850)
  • Reveries of a Bachelor (1850)
  • Dream Life (1851)
  • Fudge Doings (1855)
  • My Farm of Edgewood (1863)
  • Seven Stories (1864)
  • Wet Days at Edgewood (1865)
  • Doctor Johns (1866)
  • Rural Studies (1867) - 1884年の再刊に際して『Out-of-Town Places』と改題
  • About Old Story Tellers (1877)
  • The Woodbridge Record (1883)
  • Bound Together (1884)
  • English Lands, Letters, and Kings (1889–90)
  • American Lands and Letters (1897–9)

脚注[編集]

  1. ^ 米山文正「夢想と現実 -『独身者の夢想』と『ブライズデイル・ロマンス』-」『宇都宮大学国際学部研究論集』第36号、2013年、61頁“この書は自称26歳の独身の語り手が、結婚 (marriage) や求愛 (courtship) に対して様々な物思いにふけるという随想録風の小説で、当時人気のあった感傷小説 (sentimental novel) に通じる「お涙頂戴」的な内容から大ベストセラーとなった。出版から1年間で一万四千部売れ、出版された1850年から1907年まで約100 回にも渡って再版されたという。”  NAID 110009625317
  2. ^ Burstein, Andrew. The Original Knickerbocker: The Life of Washington Irving. New York: Basic Books, 2007: 316. ISBN 978-0-465-00853-7
  3. ^ Frye, Northrope (1962). Fables of Identity. New York: Harcourt Brace Jovanovich. pp. 193–217. ISBN 0156297302 
  4. ^ Vincent, Leon (1906). American Literary Masters. Boston and New York: Houghton, Mifflin and Co.. pp. 440. https://books.google.co.jp/books?id=q85ZAAAAMAAJ&redir_esc=y&hl=ja 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]