わが分裂の花咲ける時

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わが分裂の花咲ける時』(わがぶんれつのはなさけるとき)は、藤子不二雄による日本読切漫画作品。ブラックユーモア短編の1作。『COM』(虫プロ商事1971年2月号に掲載。

物語[編集]

浪人生の喜一は受験のプレッシャーから現実逃避を繰り返し、やがてパラノイアになる。その妄想の中では祭りが行われていた。現実とのせめぎあいの中で妄想はその強度を増し、重度の分裂病(統合失調症)に達した喜一。祭りはいつまでも終わらない……

解説[編集]

前号の『ひっとらぁ伯父サンの情熱的な日々』に続く『白い童話』シリーズの第2作。物語らしい物語はほとんどなく、妄想の描写が作品の主幹を成している。こうした描写が原因となってか、初出以来単行本などには一切収録されていない。なお作中の随所に「禅祝三」なる人物の散文詩が挿入されているが、これは作者である藤子本人の変名で、こうした演出は後年の『愛…しりそめし頃に…』などでも施されている。ちなみに丸尾末広が『電気蟻(吾が分裂の華咲く時)』という良く似た題名の短編を1985年に執筆しており、受験生のノイローゼというテーマも共通している。

関連項目[編集]